お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート中学生の不登校

ジェンダー観がもたらす親御さんの子どもの不登校支援への影響とは?

こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。

今日は、普段カウンセリングで色んな親御さんのお話を聴いていて感じる、「ジェンダー観」がもたらす、親御さんの子どもの不登校支援への影響についてお話したいと思います。

そもそも「ジェンダー観」とは何なのか?

ご存知の方もいらっしゃるように、性別(男・女)に対して、社会的・文化的に作られる「男らしさ」「女らしさ」のことを指し、男女それぞれの行動様式や、外見的や心理的な特徴のことをいいます。

例えば「男の子」の場合は・・・

  • 『男たるもの我慢強くないといけない!』
  • 『男がそんなことぐらいでメソメソ泣くな!』
  • 『情けないことを言ってて、あなた女の子みたいね!』 等

女の子の場合も、様々「女らしさ」をご両親や周囲から教えられることはあると思います。

これはあくまで一部のご家庭では、という仮定でのお話ですが、このような言葉を使って、子どもは親にしつけられることによって、社会の中での一般的なジェンダー観というものを知っていき、それに従って行動したり、言葉使いをすることを身に着けていきます。

世界経済フォーラム(WEF)による男女格差の度合いを示す「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2018年版によると、調査対象となった149カ国のうち、日本は110位(スコア0.662)だったとのこと。G7でも最下位の指数であり、日本は男女平等が進んでいないということが見て明らかな状況です。

日本でも最近は共働き世帯が増えました。それは他諸国と同じはずなのに、

『家のこと(家事)や、育児(子育てや子どもの不登校に対応する)のは、母親の役目だ』

という認識が、未だ非常に強くあると感じています。

これは女性らしさ、母親らしさを求める価値観が備わっている為に感じることだと思います。※ご夫婦間だけのことではなく、学校の先生や周囲の大人、祖父母様方や、同じように不登校を抱える他のご家庭にもある認識として捉えているお話しです※

子どもが不登校で、今それを支えておられる親御さんのご年齢は、一般的には40~50代の方が多いと言われています(もちろんその他の年齢層の方もおられます)

この年齢層の親御さんが、子どもの不登校を支える時に、ジェンダー観が影響して、

  • 不登校を見る視点が狭くなってしまったり・・・
  • 実際に子どもへ接する言動にも影響したり・・・

その結果、親子関係の悪化に繋がります。

不登校を支援する上で大切なことの一つは良好な親子関係です

ここでいう良好な親子関係というのは、ただ仲の良い親子というだけではなく、きちんと悩み事や本音を聴き出せたり、話し合えたり出来る関係という意味合いで捉えてみてください。

実際にカウンセリングに来られる方の中には、

「すでに幾度となくご家庭での話し合いや、学校との話し合いなどを重ねたが、子どもと話し合えず、本人がどうしたいのかわからないから、親としてもどうしてあげればよいのかわからない」

と仰る方が多いと感じています。

「学校のことを話し合いたいが、子どもと全く話し合えない」という事態は、やはり不登校の悪化や長期化を招く要因になりえるかもしれません。

そのような親子関係になってしまっているとご相談に来られた方が仰るのは・・・

  • 学校というところは、子どもらしく(男女それぞれらしく)元気に行って当たり前!と接してきた。
  • 学校も行かずに、家にずっといて外で遊ばない子に「男らしくない!」と言った(思った)ことがある。
  • 学校に行かないなら、せめてお家でお母さんのお手伝い(家事)などをしなさいと言ってきた。
  • お父さんが、不登校はただの怠けだという意識が強く、家でじっといるしかない子を受け入れられない。

・・・等など、不登校の状態に陥っている子に、男らしさ、女らしさを求めて接して来た結果、関係性が非常に悪くなってしまった、とご相談に来られる方は少なくありません。

大切なことは、不登校という行動に”~らしさ”を求めないこと

私達、不登校支援センターでは・・・

不登校という行動は、学校や社会にあるストレスに対して、その場所に行かない行動をもって対処する一種のストレス対処行動

という考え方をしています。

ストレスに対しての対処行動として、一刀両断的に「行かない!」「やらない!」「話さない!」などは時に必要です。そこに男らしさ、女らしさを求めるあまり、子どもに「こうしなさい、こうするべき」と接することは絶対ダメというわけではなく、少なからずあるとは思います。

しかし、そこを求め”すぎて”しまうと、子どもは自分の取る対処行動(前述の行かない、話さない等)に固執するようになってしまい、親御さんと全く学校のことを話し合おうとしなくなってしまうこともあるので注意が必要です。

不登校でお悩みの親御さんは是非一度、自分自身が「~らしさ」を子どもに求め、日々接していないかを振り返る機会を持っていただければと思います。

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