お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート子供の心理学

子どもが新しい環境での生活がスタートする時の見守りポイントとは?

皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。

いよいよ新年度が始まりましたね。

卒業と入学がほとんど同時にくる、心理的にもとても忙しい時期です。

4月からの新しい環境に、わが子が上手く順応しているのかな・・・、と不安になる親御様もいらっしゃるのではないでしょうか。

もちろん、最初が肝心ということもあり、意識するとは思いますが、今回お伝えしたいことは・・・

「年度の後半を意識した見守り方」をしてくださいということです。

なぜ、年度の後半を意識するのか?

ゴールデンウィークや夏休み明けに学校に行けなくなる、という事例は多くあります。
今回はそのときの要因として、比較的多いと感じる『人間関係での躓き』についてのお話しをしていきたいと思います。

4月の新しい環境で期待と不安を胸に学校に通っていた子ども。

どうだったのかと気にしていたときは、

  • 「友達ができた」
  • 「思ったよりもよさそう」
  • 「問題なさそう」 等

上手くやれそう、頑張れそうという言葉がでてきていたります。

そのまま数日過ごし、ゴールデンウィーク明けの5月病の時期も乗り越え、楽しそうに過ごしている様子。

しかし、そんな状態でも、夏休み明けに学校に行き渋りをし始めることはあります。

そして、夏休み明けから12月にかけて、人間関係に不満・不安を持ち始める子どもは少なくありません。

このように、最初は「上手くやれそう」「頑張れそう」と感じていたのに、どんな変化が起こっているのか。

もちろん人間関係も日々変化するので、自然なことでもありますが、中には、どんな人間関係でも上手くいかなくなったと感じてしまうケースがあります。

なぜ、そのようなことが起こるのか?

それは人間の二面性にあります。

全員が全員そうだと言うわけではありませんが、

多くの場合、4月の最初の時期というのは周りと上手くやっていくための振る舞いをすると思います。

  • 相手に気を使う振る舞いしていたり・・・
  • 自分の趣味など隠していたり・・・
  • 控えめに振舞っていたり・・・

周りがどういう人かわからないうちは、無難な振る舞いをしようと心がける子どももいます。

そして、そんな状態のクラスメイトと接すると、「良い人だな」「気が合いそうだな」などと思い、付き合い始めることもあります。

また、孤立することを恐れるあまり、とにかく誰かと仲良くならないと!と無理矢理にでも友達を作ろうとしていることもあります。

そういう付き合い方が始まったとき、最初は上手くいくのですが、時間が経つと変化が起こり始めます。それは、親しくなるということです。

親しくなることの何が問題なのか?

建前の振る舞い、無難な振る舞いをしている人は、慣れてきて、親しくなってくると、その振る舞いを辞めて、素の自分で接するようになってきます。

「この人には自分の素で接してもいいだろう」

という変化が起こります。

人間関係に苦手意識を持つ人の中には、

1.変化に戸惑う人
2.自身がこの変化が大き過ぎて、周りが離れていく人

が多くいるように思えます。

1.変化に戸惑う人

最初は優しかったのに、仲良くなると言い方がキツくなる、という人もいます。

気を許せるようになることによって、言いたいことを言いたいように相手に伝えるようになる人もいます。ただ、その変化に対して、「もしかして嫌われたのかな?」とマイナスに受けとめてしまう子もいます。

せっかくの仲良くなった証を、マイナスに捕らえるというもったいないことも発生してきます。

2.自身がこの変化が大き過ぎて、周りが離れていく人

上記とは逆に、自分自身がそのような変化をすることで、周りとの衝突が増えたり、周りが離れていったりしてしまうことがあります。

そして、この経験がずっと続いてしまうと、「素の自分を出すと人が離れていく」という恐怖から常に自分の振る舞いを意識し、周りからの見られ方を気にしてしまうようになることもあります。

そうなってしまうと、普段から大きな心理的ストレスを感じることになってしまい、
結果、何も問題が起こってなくても疲れて学校に行けなくなってしまう、ということもあります。

年度の後半を意識した見守り方とは

年度の後半を意識した見守り方で大事なポイントは、上記のことから、

「(相手、または自身の)二面性に対する対応」がどのようにできているのか

ということになります。

なので、子どもがこのような二面性によるストレスを感じているかどうかを気にして、子どもの学校での話を聴いてあげることがとても重要になります。

  • 付き合う友達がコロコロ変わってないか?
  • 前は好きだと言っていた子のことを嫌いだといっていないか?
  • 仲良くできる友達がいない、と言っていないか?
  • 放課後、休日などの交友関係はどのように変化していっているか?
  • 友達の話題自体が減ってきていないか?

などなど、

  1. 学校での人間関係の変化
  2. 子どもの周りの人に対して抱いている感情

これらを知っておくことが第一歩となります。

 最後に

もし、子どもが年度の終わりにかけて

  • 人間関係で悩むことがある
  • 学校生活での不満や不安が増えてくる
  • 子どもが新しい環境に順応できるのか心配だ

と感じることがある親御様は、その子ども自身の二面性と、周りにいる人たちの二面性に対する子どもの感じ方、を意識した話の聴き方をしてもらえたらと思います。

不登校支援センターでは、その二面性を客観的に見る心理検査なども行っています。

二面性や、それによるストレスの対処方法などが気になる方は、是非不登校支援センターに相談していただけたらと思います。

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