専門家が教える継続して学校に登校するためのポイントとは?
こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。
春になると環境の変化が大きくなりますね。
- 新しい学校
- 新しい学年
- 新しいクラス
それぞれの状況に違いはあるにしろ、間違いなく変化が生じています。
今回はそんなタイミングで気をつけておきたいポイントを共有したいと思います。
4月という時期は新しいスタートのタイミング!
4月という時期は言うまでもなく新しいスタートの時期です。
子ども達も親御さんもそこに対して期待と不安と様々な思いを抱いておられることでしょう。
実は、不登校の状態にある子ども達が陥りがちな罠がそこにあったりします。
皆さんは「新しいスタートを切るぞ!」と意識されたらどんなことを考えるでしょうか?
恐らく大半の方は、~こうしたい、~こうなりたい、など目標や目的を考えるのではないでしょうか。そして「出来たらいいな」とか「今年こそこうしなければ!」というような気持ちも生じてくると思います。
振り返って考えてみて頂きたいのですが、そうして立てた目標や理想というのは、少し高くはありませんか?
出来ればこうしたいな、こうなりたいな、という気持ちがあるので当然なのですが、今よりも大変なことをやろうとしますよね。
不登校で復学の意思を持っている子はこれが強く出がちです。
どういうことか言いますと、
「去年はうまく行かなかった」⇒「今年こそ上手くやるぞ!」
「中学校では失敗してしまった」⇒「高校では繰り返さないぞ!」
こうした思い自体はとても大切なものですが、それに捉われすぎてしまうことがあるんです。
例えば、中学校自体にほとんど登校できずにいた子が、高校生になったからと急に毎日登校して部活動も頑張り、アルバイトも始めて宿題も欠かさず行い、勉強の遅れを取り戻そうと塾にも通いだす、なんて状態になったらどうでしょうか?
凄く頑張っているなとは思いますが、「頑張りすぎてしまっていないかな?」と感じられると思います。
ここまで明らかな行動を取っていれば回りも気付くことが出来るでしょうから、少し頑張り過ぎないようにアプローチできるかもしれませんね。
ただ実際はここまで分かりやすい状態にならない場合も多くあります。
例えば・・・
新学期になったので週に1日だけ登校してみる。
これが頑張りすぎなのかどうか、簡単に見極めるのは難しいです。
一般的に見たら頑張りすぎとは言えないかもしれませんが、本人の状態によっては過重なストレスで潰れてしまうようなものかもしれません。
単純な行動だけでの判断は危険ということですね。
実際に、新学期をきっかけに週に1日の登校をはじめる子もいます。
しかし、5月のゴールデンウィーク以降や、夏休み明けなどに燃え尽きたようにまた不登校になってしまうなんて事例もあります。
反対に、そのまま学校へ適応していって無事に復学を果たす子もいます。
この違いはどこにあるのでしょうか?
もちろん簡単に「これが理由です」と言えるものはありません。しかし考えるにあたって大事な要因はあります。
それは・・・本人のコーピング能力です。
コーピング能力とはストレスに対する処理能力や対応力のようなものです(正確には違いますがイメージです)。それによって出来ること、耐えられること、継続できることに影響が出てきます。
子ども達の状態は1人1人まったく違いますよね。
中学校時代に全く登校していない、という客観的な状態が同じでも、その内面は大きく違う可能性があります。そのため、「高校生になったのをきっかけに頑張りたい!」と本人が思ったとしても、出来ることには違いがあるのです。
行動だけでなく内面にも視点を
だから復学をする際には「どのように復学していくのか」というのを本人の状態に合わせてしっかり考えていく必要があるんですね。
「新しいスタートだから心機一転周りと同じような状態に戻るぞ!」と意識する子もいます。それ自体は悪いことではないのですが、自分の状態を無視して無理をすると継続が困難になってしまいます。
不登校に対する後悔が強い子などは「繰り返したくない」という想いから頑張りすぎてしまうことがあります。
しかし継続的に登校をすることを考えると、いきなり新しいスタートから周りと足並みを揃えようとすることが合わない場合もあるんですね。
- 高校の最初の1ヶ月は1日4時間と決めて登校した子
- 行く日自体をまずは週3日と決めた子
- 毎日全部やるんだと決め、休日や余暇の時間の使い方を考えて準備した子 等
このように、何が合っているかは子ども達それぞれに違います。なので、その子どもに合わせて調整していくのが大切ですね。
せっかく始めても、あれもこれもと手を出しすぎると続かなくなる。
これは不登校に限った話ではありませんので、理解もしやすいかと思います。
なんとかしようという思いが強いほど、捉われやすくなってしまいますので気をつけていきたいですね。
それではまた。
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