不登校解決現場レポート

【事例】高校生Aちゃんは不登校支援センターを“なぜ?”卒業できたのか?

こんにちは。不登校支援センター名古屋支部の伊藤みゆきです。

春は出会いと別れの季節なんて言いますね。

ここ不登校支援センターでも、卒業をしていく子どもたちがいます。

ここでいう卒業は 不登校支援センターからの卒業 です。

不登校支援センターの卒業って何!?

不登校支援センターなんだから 学校に戻れたら卒業でしょ と思う方も多いと思います。

確かに、復学を果たして卒業する子たちもたくさんいます。

ですが、支援センターには毎日登校できるようになってからも通い続けている子も少なくありませんし、復学という選択以外でも卒業していく子たちもいます。

いずれにしても支援センターを巣立って行く子たちにはある共通項があります。

今回は、不登校支援センターを卒業した子たちのお話をさせてくださいね。

すぐに復学をしたAちゃんがカウンセリングを続けた理由

私がAちゃんと始めて会ったのは、彼女が高校1年生の春のことでした。

入学した高校での部活動や、勉強の多忙さをご両親もとても心配されて、2週間ほど欠席が続いたことから、親御さんが支援センターに初回相談にいらっしゃいました。

Aちゃんと始めて会ったのはその翌週、1回目のカウンセリングです。

第一印象は、大人しくまじめな印象の女の子。好きなゲームの話をたくさん聞かせてくれました。

実はAちゃんは、この1回目のカウンセリングのあとすぐに登校を始めました。

しかしAちゃんとはその後3年にわたり、1ヶ月~数ヶ月に1回程度のペースでカウンセリングを行いました。

  • 学校での様子
  • 自分の進路のこと
  • お父さんお母さんについて思うこと など・・・

毎回、話は多岐に渡りました。復学後に発生した悩みやストレスも、一緒に考えながら解消していくことも何度かありました。

そして、1年がたったころ、Aちゃんのご両親から

「今後はAちゃん自身がカウンセリングを必要とするときに来させたい。自分自身で目的を持って、考えて、行動できるようになって欲しい」

というお話がありました。Aちゃんもこの話は聞いていて、自分もそうしたいと思っていたそうです。

目的を持って、考えて、行動する

その後はご両親のお話のとおり、Aちゃんが自分でカウンセリングを必要とするときに支援センターに来るようになりました。

そして高校3年生の3月、受験を終えたAちゃんが、私のところに来てくれました。

「わたし、今日で支援センターを卒業します!!」

それはもう、まぶしいくらいの笑顔で、背筋をピンと伸ばして私の目をまっすぐ見ながら話してくれたAちゃんの姿をみた時に、なんとも言えないあったかい気持ちになりました。

最後のカウンセリングの日、Aちゃんがこんなことを話してくれました。

「高校に入った頃は、周りと自分を比べて落ち込むことも多かったし、自分から行動を起こすことも怖かった。でも今は、ちょっと変わったと思う。以前なら近寄らなかったはずの苦手な先生にも受験のことを相談したり、大学の説明会で会った子にも話しかけたりできるようになった。自分のためって思ったら出来ることが増えたと思います」

「自分自身で目的を持って、考えて、行動できるように」

カウンセリング開始後、すぐに登校し始めたAちゃんが、その後のカウンセリングの中で身につけた大きなスキルだと思います。

自分の力で大人の階段をのぼり始めたAちゃん、最後のカウンセリングが終わって、Aちゃんを見送るときに見せてくれたステキな笑顔は今でも印象に残っています。

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