現実世界で友達がいないけど、ネット上には友達がいる不登校の子どもとは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
最近、カウンセリングの中で子ども達と話していて、本当によく耳にするのが・・・
スマートフォンで楽しむオンラインゲームの話です。
大人でも子どもでも、今やスマートフォンに好みのゲームをダウンロードして楽しんでいる人は少なくありませんが、そのゲームの中に友達がいて、チャットやボイスチャットでコミュニケーションを取っているという話も、今や全く珍しくもない時代になっていると思います。
カウンセリングで親御さんからはこんなお話しをお聞きします。
「ネット上には友達はいるようなんですが、現実世界にはいないんです」
とおっしゃる方がおられます。
もちろん、様々な考えの方がいることは重々承知の上ですが、一部の方々は「ネット上の友達といくらコミュニケーションを取っていても、素直に喜べない」という方がおられます。
とある親御さんは、子どもがずっと家にばかりいて、学校や地域の友人たちと全く遊ばない我が子をとても心配されておられます。
お話を伺うと
「ネットでずっと毎日誰かと喋っているんです。夜もぺちゃくちゃお喋りしてこっちも眠れないし、そんな意味のないコミュニケーション、何が楽しんですかね?」
と仰っておられました。
時折、お母さんと子どもで一緒にスーパーなどに買い物へ外出した際に、地元の同級生とすれ違うこともあり、そんな時は子どもも、特に同級生を避けるわけでもなく普通に話したりするそうです。そういう時の子どもの姿をみて、お母さんは少しの時間でも、子どもが同級生の顔を見て言葉を交わせたのがとても嬉しかったと喜んでおられました。
ネット上でいくら言葉を交わしても、それはそのお母さんにとっては、「コミュニケーションを取っているのではなく、ネット上でただ繋がっているだ」と、価値のある出来事とは思えないそうです。
私はこのお話をお聞きした後に、何人かの高校生にこのことについて質問してみました。
①ネット上に友達と思える人はいるか
②その人とコミュニケーションを取っていて、楽しいと感じるか
③ネット上の友達と、現実世界の友達と、違いや差を感じることはあるか
色々聞いてみたのですが、どの子どもも①、②に関しては「友達がいて楽しいと感じる」と話してくれました。
そして、③の質問に対しては、
「違いとか差って何? 何を基準にそれを感じるのかが分からないから答えられない」
と一人の男子生徒に言われました。
私は前述のお母さん、子どもどちら側の考えにも理解をし、中立の立場として子どもに尋ねてみたのです。しかし、「違いって何?」と子どもから逆に質問されてしまったときに、「確かにね・・・」と感じました。
私は、知らず知らずのうちに、ネット上の友達と現実世界の友達を区別してしまっていることに気が付きました。
「ネッ友(ネット上の友達)も リア友(現実世界の友達)も一緒だよね」
と言っていながらも、無意識のうちに区別をして考えているので、違いや差を聞かれたときに、自分なり答えることは出来ました。
しかし、頭に浮かんだ自分が考える差や違いというものは、果たして本当に必要なことなのかを考えたときに、その子に対して自分の考えを答えることを”したくなくなった”という状態になったのです。
私は普段、子どもの思考を理解し、共感的姿勢で寄り添うことが大切と考えています。
しかし、それは時として子どもに本当の意味での共感的理解にはならないのだと改めて感じました。
ゲームやSNS、ツイッターなどの楽しみはやってみないとわかりません。それらにとめり込んでいる子ども達は、その中の友達と様々な感情を共有しています。
- 楽しい
- 嬉しい
- 悲しい
- 悔しい
- 辛い
- しんどい
- めんどくさい
- やる気にならない
- 寂しい
- 不安・・・ 等
そういった感情を共有する場所が、ネット上にしか無いのであれば、その環境はその子にとって非常に大切な場所なのだと思います。
今はネット上で友達と作り、コミュニケーションを取ることが求められている時代になっているのだと改めて感じました。
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