不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑩
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
今回は、前回ブログの続きで
「カウンセラー」と「親子」の関わり方の違い
についてお伝えしたいと思います。
まずカウンセリングでは、カウンセラーは親御さんや子どもに
- 中立的に
- 客観的に
- 肯定的に
関わっていきます。
前回のブログ「不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑨」の中の「共感出来る体制作り」の部分でも触れましたが、カウンセラー個人の人生経験や学習によって作られた価値基準である「好き嫌い」、「善悪」、「常識」から一旦離れて、相談者の話を聞くという事です。
それにより、相談者である親御さんや子どもは、安心して自分を振り返る事ができ、問題を解決する方法を考え、行動に移そうとして行きます。
これは、カウンセラーだからこそ出来る関わり方といえるでしょう。
カウンセラーと相談者の間に、「親子関係」「夫婦関係」「友人関係」などの別の関係が出来ているとしたら、「カウンセリングを行う」事自体、難しくなります。
- 中立的ではなくなり
- 客観的ではなくなり
- 相談者も言いたい事が言えない・・・
という事が起こるのです。
ですので、親御さんは無理にカウンセラーの様に関わろうとしなくていいのです。(特に、それが性に合わないと感じる方は、なおさらです。)
親子ごとにぴったりの関わり方がある!
子どもは、唯一無二の存在である親から愛される事が、何よりの安全だと本能で感じています。だからこそ、子どもは親の事を良く見てますし、親の期待に応えるために行動しようとします。
そして、子どもにとって生まれて初めての人間関係である「親子関係のあり方」が、その他の人間関係の根本となっていくのです。
不登校において、親子関係の話はよくあがりますが、親子関係は良い悪いではないですし、ましてや他人が評価するものではないと思っています。
あくまで主観ですが・・・。
ただ、当事者同士(親子)が親子関係を育む中で、心地悪いと感じているのであれば、こういった視点でも考えてもらいたいなと思います。
ただ、やり方があってないだけ
これは、
- 親も自分らしくない関わり方をしている
- その子の気質に合っていない関わり方をしている
という事です。
- 一般的には・・・
- 常識的には・・・
- 社会的には・・・
- 普通は・・・
という価値基準に縛られていると、気付かない内に「本当はどうしたかったんだろう?」という目的を見失ってませんか?
- 本当はもっと褒めてあげたいのに、気付くと怒ってばかりになってしまう。
- 本当はもっと楽しくコミュニケーションを取りたいのに、一問一答になってしまう。
- 本当はもっと話を聞く時間を作りたいのに、やる事が多すぎて追われてしまう。
- 本当はもっと自立して欲しいのに、見ているとつい手出し口出ししてしまう。
- 本当はもっと好きな事やらせてあげたいのに、こちらからやる事を提示してしまう。
などなど。
子どもとのコミュニケーションにフラストレーションを感じる場合、「そんな子どもを変える為に」カウンセリングに興味を持たれる方も多い様に感じます。
ただ、「変わりたくない」と思っている人への、カウンセリング・コーチングは本来不可能です。
なぜなら、カウンセリング・コーチングは、自主性が重んじられるからですね。
本当は「変わりたい」と思っている子が、周囲の大人のアプローチから身を守ろうとして「変わりたくない」とアピールしている場合もあるかもしれません。
そういった場合は、じっくり関係を構築していき、本人の「変わりたい」という気持ちに寄り添っていく事でカウンセリングが成立します。
残念ながら、支援センターに「カウンセリングを受けたくて来ました!」という子どもは少数派です。
これは、「カウンセリング」に対しての社会的な印象の影響もあるかと思いますが・・・(心が病んでいる人が受けるものだ、とか、精神的に弱い人が受けるものだ、とか、偏見ですよ!笑)
最初は、親御さんに連れて来られるというケースが多いか、もしくは子どもが来所する事を拒絶し、親御さんだけで来て頂くケースです。
子どもを連れて来れなかった際に、「とても残念だ!」とおっしゃる親御さんもいらっしゃいますが、残念がる必要もございません。
なぜなら、親御さんが
- 子どもに学校に行って欲しい
- 子どもに勉強して欲しい
- 子どもにカウンセリングを受けに来てほしい
という風に考えている訳なので、親御さんを中心に子どもとの関わりを振り返っていけば良いだけなんです。(親御さんの自主性を重んじて)
- どんな風に関わったら学校に行こうと思ってくれるだろうか
- どんな風に関わったら勉強する気になってくれるだろうか
- どんな風に関わったらカウンセリングに来る気になるだろうか
という事を
- 今の自分(親)の関わり方は、本当に自分が望んでいる関わり方か
- この子には、今の関わり方が合っているのか
- どんな事からならやれそうか
という視点から一緒に考えていけば良いだけなんです。
カウンセリングの役割とは
カウンセリングとは、ある出来事に対して、
- その時にどんな気持ちになったのか、
- どんな思いがあったのか、
- そしてどんな行動に移したのか
- 本当はどうしたかったのか(どうありたかったのか)を一緒に振り返り
それを実現していくためのプロセスを一緒に考えていく事でもあります。
これは、「自己一致」という、情動の扱いの中でも大切な考え方でもあります。
せっかく親御さんの中に「こうしたいのに・・・」「こうなって欲しいのに・・・」という思いがあるのに立ち止まってしまっていると感じているとしたら、それは大変もったいないことだと思います。
次回は、自己一致について触れていきたいと思います。
それでは今回はこの辺で失礼しますね。
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは①
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは②
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは③
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは④
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑤
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑥
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑦
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑧
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑨
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑪
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑫
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑬~まとめ~
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