不登校の子どもは卒業式に参加しなくても大丈夫なの?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
いよいよ3学期もあとわずかとなりましたね。
卒業を迎える子どもの親御さんにとっては、特に気が張る時期かと思います。
本日はこの時期に面談でも話題に上るテーマについて考えていきたいと思います。
卒業式に出ないと、この先ずっと後悔することになる?
「卒業式に出ないとずっと後悔してしまうのではないか心配で。」
「卒業アルバムの写真撮影が今度あるんです。形に残るものだから、撮らないと後で傷つくんじゃないかと不安で。」
卒業を迎える時期では、子どものことを心配する親御さんのこうしたお気持ちをお聴きすることが度々あります。
- 一度しかない機会なので、それに参加しないと後で後悔してしまうのではないか・・・。
- だからこそ何とか参加できるように力になってあげたい・・・。
こうした親御さんの強い思いはお話をお聴きする中で、とても伝わってきます。
特に、子どもの様子を見て、とてもじゃないが卒業式に参加できるほど心に余裕はないように感じる場合、親御さんにとっては、非常に苦しい状況だと思います。
しかし、卒業式に出ないことや、卒業アルバムの写真を撮らないことを、子どもはずっと後悔することになるのでしょうか?
卒業式に出なかった子たちのその後
実際、センターにこれまで面談に来ていた子の中で、様々な事情、理由から、卒業式に出席しなかった子も多くいます。そうした子たちも今、次の進学先で頑張っていたり、社会人となって働いていたり、それぞれの場所で活躍をしています。
今現在も時折センターへ来てくれるその子たちと、改めて過去を振り返ってみました。
- 「あのときはしょうがなかったしね」と、ケロッと話す子。
- 「出た方がもっとしんどくなっていたと思う」と、乗り越えるためには出ない方がむしろ良かったと感じている子。
- 「式には出れなかったけど、先生と話せたからそれでいいかな」と、自分なりに節目を迎えられたことで自信を持てている子 等
その子たちが卒業式に出なかったことを今も後悔しているかというと、特に気にしていないように感じます。
もちろん、卒業式に出てはいけない、ということではありません。
子どもが「卒業式に出たいな」と、感じているのであれば、参加に向けて一緒に取り組んでいくことも前向きな時間となると思います。
けれども、「卒業式に絶対に出たくない・・・」と子どもが感じていたり、あるいは周りから見て、卒業式に参加することで強い精神的な負担がかかることが予想されるのであれば、無理に参加することは、子ども自身の不安、恐怖心をさらに強める経験になってしまうかもしれません。
そんなときは、その子なりに節目を迎えられたら、それで大丈夫です。
学校によっては、式に参加せずとも、様々な形で卒業の機会を用意してくださるところもあります。当センターでは、卒業式に参加しなかった子たちが、それぞれ自分なりに、自分に合った形で、卒業の実感を感じられるよう、面談でもサポートしていきました。
「自分は学校を卒業したんだ」という実感は「卒業式に出る」という事実以上に大切なことのように感じています。
そして、その実感が、新たな一歩を踏み出す支えになるように感じています。
卒業式に出なくても、大丈夫。
卒業式に出なかったという事実が、一生その子の後悔になり、その子の足を引っ張ってしまうことにはなりません。
どうしてもしんどいのであれば、出なくても大丈夫です。出なくても、自分の進みたいように、人生を歩んでいくことはできます。
そのことはセンターに来ていた子どもたちの、その後の頑張りを見ていて、とても強く感じています。
この時期は、親御さんにとっても色々な判断をする場面が多く、ストレスもかかる時期となります。何かお困りのことがありましたらご相談くださいね。
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