不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑧
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
前回のブログの最後では、「同情」と「共感」についてお伝え致しましたね。
今回はその続きをお伝えしていきたいと思います。
マシュマロテストで、ガマンできずにマシュマロ食べてしまった子に対して・・・
「共感的な関わり」をすると、一時的な感情や自分の欲求をコントロールする能力を育てていくことができます。
「同情的な関わり」をすると、勇気をくじき、自己肯定感を下げてしまいかねません。
同情とは「相手と同じ感情になろうとすること」という表現になるかと思いますが、相手がどう感じているかを判断する基準は自分の主観なのです。
同情的な関わりが自己肯定感を下げてしまうのは、なぜでしょうか?
度々ブログ記事の中で登場してくれている、高校生Aさんが、
「クラスで陰キャラだと思われている私が、陽キャラのクラスメイトに話し掛けたら受け入れてもらえなかった」
という話をしてくれたことがありました。
※このエピソードについてはこちらのブログを参照ください。↓↓↓
『不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは①』
もし自分が過去に同じ様な体験をしていたとしたら、その時に感じた
- むなしさ
- 寂しさ
- 孤立感
などを、相手も感じている前提で
「それは辛かったね」「嫌だったね」「かわいそうに」
と思ったり口に出したりするのです。
多くの場合、この際に無意識で「上下関係」が作られると言われています。
相手に同情するというのは・・・
自分は辛い立場や困難な状況にない状態であり、相手よりも上の立場にいる(相手が自分よりも下の立場)
と認識してしまう事に繋がります。(なので、自分が辛い状況の時は、誰かに同情出来ないはずです。)
なので同情される側は、相手から下に見られている感覚を味わうことで自己肯定感が下がってしまうのです。
この関わり方は、不登校問題でも多く見られます。
親御さんが「ウチの子は学校に行けないんだ」と思われている場合は、要注意かも知れません。
行けないのではないのです。
周囲が「あなたは学校に行けないでしょう。(だって○○だから)」という考えを知らず知らずの内に刷り込んでしまっていると、子ども本人もその気になってしまうのです。
- 勉強が出来ないんです
- 友達がいないんです
- ガマンが出来ないんです
- 朝起きられないんです
- 次の日の支度を一人で出来ないんです
- 言いたい事を言えないんです
- 不器用なんです
- がさつなんです などなど・・・
周りの大人が自分の事をその様に評価しているのと感じたら、子どもは「自分ってそういう人間なんだ」と思います。
そして、それが「学校に行かない理由」になるんですね。
上記の例は、全て周囲の人の価値基準と比較されたものです。
- 私だったらもっと勉強するのに
- 私だったらもっと友達作るのに
- 私だったらもっとガマンするのに・・・などなど
同情とは、自分の価値基準の中に相手をはめ込んで考えるという事です。
この場合、子ども自身の価値基準で動いておらず、怒られないためや褒められたいためになどの目的で行動しているので、自己肯定感は向上しにくいです。
- 朝、自分で起きられてエライね!
- 支度を自分で出来てスゴイじゃん!
- 学校行けてエライね!
などの声掛けは、「出来ない」事が前提となってしまっています。
「エライ」や「スゴイ」という基準もこちらの望む通りの行動が出来たから贈られる言葉となりますので、一時的な行動は期待できるかも知れませんが、継続した行動に結び付けるのは難しいでしょう。
では、どのような関わり方が望ましいのか?
もちろん、子ども一人一人によって良し悪しは変わってきます。
しかし、基本的な考え方としての「共感」について、次回お伝えしたいと思います。
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは①
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは②
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは③
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは④
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑤
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑥
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑦
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑨
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑩
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑪
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑫
不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑬~まとめ~
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