お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート子供の心理学

専門家が教える「不登校の対応」に適切な時期とは?

皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。

なんだか世間の雰囲気は平成末ですね。個人的には「平成最後の~」が流行語になっております。

年末年始もそうですが、「最後の」とか「最初の」という言葉がつくと、いつもの生活のうちの一日でも何か特別な意味を感じてしまいます。

学校に行けなくなってしまった子どもたちにとって、「明日こそは行こう!」と意気込む日々は、毎日が特別な日に感じているのかな、と考えてしまいます。

「特別な日」は良くも悪くもストレス(心理状態への負荷)になります。

そういったストレスの対処法として、「学校に行かないことを正当化する」という発想をするようになる子もいます。

学校に行かなくなってしまう状態にも様々ありますが、そうなる年齢も様々あります。

カウンセリングにおいても、

  • 「まだカウンセリングは早かったでしょうか?」
  • 「もっと早く来ていれば良かった・・・」
  • 「小学生のときはまだ大丈夫と思っていたけど、中学生になっても改善しなかったので焦っています」
  • 「中学生までは問題なかったのですが、高校生になって急に不登校になりました」
  • 本当に引きこもり始めたので、『なんとかしないと!』と思って来ました

などなど、いろんな悩みを持たれている方がいらっしゃいます。

今日は、カウンセリングというよりも、『不登校』という問題に対応する時期についてのお話をしていきたいと思います。

不登校の対応が必須な時期とは?

  • 「まだ小学生だし、ゆっくり見守ってても良いかなと思っていました。」
  • 「小学生だから、行きたく無いと思ってたら、いくら行きなさいと言っても行かないでしょう。」

と話している親御様もいらっしゃいます。

実はこの考え方はとても危険です。

親御様が自分の子どもを絶対的に信頼しており、「この子は絶対大丈夫。必ず幸せになれる!」と思っていたり、「この子がどんな状態になっても、私はこの子を幸せにしてあげられる!」と、親御様ご自身が子どもの教育に自信を持っている上での、

「小学生のうちはゆっくり見守っていよう」

であれば、良いと思います。(※問題無いという意味ではありません

ただ、そう思える根拠がなかったり、

  • 「小学生の遅れは後ででも取り戻せるから」
  • 「中学(高校)で頑張れば大丈夫だから」

などと考えての「小学生のうちはゆっくり見守ってていよう」であれば、危険です。

小学生の不登校は危険!?

小学生で不登校状態になってしまうことが危険だ、というわけではありません。

なにが危険なのかというと、

  • 「小学生の遅れは後からでも取り戻せるから」
  • 「中学で頑張れば大丈夫だから」

は確かに真実だと思いますが、問題はそのための『やる気』と『努力(をする力)』が子どもにあるかどうか、ということです。

『やる気』もなく、『努力』もできない子に、「頑張りなさい」と言い続けることは、親御様にとっても子どもにとっても辛い日々にしかなりません。

つまり、学校に行くための『やる気』と『努力(をする力)』が養われないことが危険だということになります。

私がカウンセリング、コーチングを続けている上で、『努力』がまったくできないままだった、という子は今のところいません。どの子も何かしらの形で『努力』ができるようになりましたし、元々できている子もいました。(子どもが努力できることに気付いてあげられるかどうかがとても大事ですが。)

なので、今回はここから『やる気』に焦点を当ててお話ししてみたいと思います。

『やる気』の重要性とは

カウンセリングにおいても、『やる気』を持ち続け、『努力』が微量ながらでもし続けられる子どもにおいては、親御様も少しずつですが安心して適切な関わり方をし続けることができております。

そして、その関わり方が子どもの勇気付け(学校に行くことにたいするやる気を持ち続けること)に繋がっています。

親御様が特に大変になるのは、この『やる気』が出たり出なかったりを繰り返し、たくさんの波を起こしてしまう子どもだと思います。そして、そのやる気の波は子ども自身の心理状態も疲弊させていきます。

カウンセリングでは、このやる気の波によって生じてしまう心の波を、いかに安定させていくか、ということも重要な要素になっていきます。

どうやって『やる気』を出しつづけられるのか?

コーチングのプロセスのうちの一つに、

  • 「自分の理想の状態を思い浮かべる」
  • 「自分の上手くいっていたときを思い出す」

というものがあります。

これは非常に効果的で、今の状態からその状態へ近づけていくために何をしたらいいのだろう?という行動に落としこんでいくことができます。

ただ、この手法は基本的に大人が対象になります。

例えば、小学生生活を振り返ったときに、

「小学生で良い思い出はひとつも無かった」
「小学校は辛いことしかなかった」
「小学校は行ってないから、何が良いのかわからないし、行く意味もわからない。」

という記憶や思いしかない子は、

  • 「学校に行っている上での理想の自分を思い浮かべる」
  • 「学校で上手くいっていたときの自分を思い出す」

ができないことがほとんどです。

そういう子どもが、「学校に行くためのやる気を出し続ける」ということはとても困難です。そして、「学校に行くための努力をし続ける」ということは、辛い日々でしかありません。

だからこそ「小学生だからまだ対応しなくても大丈夫」ということは決してありません。

対応が遅くなれば遅くなるほど、根が深くなってしまうからです。

学校という場所に対して、「良い思い出」よりも「嫌な思い出」が増えれば増えるほど、「学校に行くためのやる気」が出しにくくなってしまいます。

ただ、『やる気が出しにくくなる』だけであって、『やる気が出せない』ではありません。

それは、小・中学校に行ってない子が、高校に通うようになれている事例でも証明されています。

不登校対応に適切な時期とは?

今までの説明から言いますと、常に適切な時期です。

言い方を変えますと、不登校対応に『適切でない時期』はありません。

子どもが学校に行き渋り始めたなどの状態や、「うちの子は学校に対して良い思い出はまったく無さそう」と感じられる方は是非早めに不登校支援センターへご相談ください。小学生でもカウンセリングは可能です。

「元号が変わったら学校に行く」と言っている子どもにお悩みの方も是非、不登校支援センターに相談にお越しください。(私もその子と話してみたいです)

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