不登校の子どもが抱える悩みの解決方法とその考え方とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
本日も親御さんから面談の中でお聞きすることが多いテーマについてご紹介させていただきますね。
家で悩んでいる子どもに親としてどう接したらいいのか、わからない…
「学校に行くのがしんどそうだから、『無理しなくていい』と学校を休ませてはみたものの、それでも家でしんどそうにしているんです。」
「学校がいやな理由をなんとか聞き出して、『こうしたらいいんじゃない』と言うんですけど、全然動く様子がなくて。」
面談では、このようなお話をお聞きすることがたびたびあります。
子どもが悩んでいるからこそ、何とか力になってあげたい・・・。そんな思いでアドバイスをしても、子どもになかなか伝わらない状況というのは親御さんとしても、もどかしいかと思います。
ですので、本日は、そんなときに意識をしていただきたい視点をお話させていただきます。
実は、悩みというものには、こんな分け方があるそうです。
1.解決方法がわからずに悩んでいること
2.解決方法はわかっているが動けずに悩んでいること
今親御さんが力になってあげたいと思う子どもの悩みはどちらだと感じられますか?
例えば今の時期ですと、面談の中で受験の面接練習を子どもと一緒に行うことがあります。
面接というものが初めての子にとっては、
- 「何を聞かれるんだろう」
- 「何を答えたらいいんだろう」
- 「部屋に入ったらどうしたらいいのだろう」等
様々な不安が浮かんでいるようです。
ただ、こうした悩みは「わからない」ことから生まれているケースも多いように感じます。(もちろん、一人ひとり事情は異なりますが)
学校で進路指導の時間などに面接練習をしたことがあれば、イメージも出来ると思います。しかし、面接練習をしたことがない子、今回が初めての面接という子にとっては、そのイメージがわかず、どうすればいいのかわからない不安が大きくなるのも無理はないのかもしれません。
しかし、一緒に面接練習などをしていくと、当初の不安が大きく和らいでいく様子も見られます。それは実際の面接のイメージと、自分がどのように振舞ったらよいかが「わかること」が大きく影響しているのかもしれません。
このように、解決方法がわからず、悩んでいるときは、一緒に考えたり、教えてあげたりすることも後押しになるようです。
一方、子どもが学校に行けない悩みはどうでしょうか。
これまで、色んな子どもや親御さんからお話をお聞きしてきました。
その中で、学校に行けない悩みとは、
解決方法がわからず悩んでいること
ではなく
解決方法がわかっているけど動けず悩んでいること
が多いように感じています。
というのも、学校がしんどい理由を話してくれたとき、子ども自身も頭の中ではこうしたらいい、というのも理解している様子なんですね。
- 「ケンカしちゃったから、仲直りをすればいいんだけど」
- 「どうしても気が合わないから、気にしないようにしようと思うんだけど」
- 「進級するために課題をしないといけないのはわかっているんだけど」 等
自分なりに頭では解決方法がわかっているようです。それでも動けないしんどさ、というのが、心の悩みにはあるのですね。
ですので、わかっているけど動けずに困っている状況のときは、「こうしたらいいんじゃない?」という解決に向けたアドバイス、というのが逆効果につながってしまうことがあります。
わかっているけど動けない心情の理解の大切さ
「わかっているけど動けない」、そんな心情であることを理解するということ
が大切になるようです。
というのも、人は自分の状況を分かってもらえた、という実感が得られると、これからどうしようか、ということを考える余裕が出てくるそうなんですね。
「自分の状況をわかってもらえない・・・」というしんどさもあるうちは、相手にアドバイスを求めるよりも、今のしんどさを相手にわかってもらうことに必死になってしまうかもしれません。
なので、「これからどうしていこうか」ということを考えるためにも、まずは子どもの抱えている今の心情を理解する、ということも大切になりますので今回紹介させていただきました。
そうした理解を深めた子どもとの関わり方を、カウンセラーもお手伝いできたらと思いますので、お気軽に不登校支援センターへご相談くださいね。
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