不登校専門カウンセラーが伝える子育て術〜怠けへの対応方法〜
こんにちは。不登校支援センターの横浜支部の庄子大貴です。
2月にはいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて今回は「不登校支援のカウンセラーから伝えられる子育て術」として・・・
「うちの子どもは怠けているだけ」と感じている親御さんに伝えたいたった一つのこと」
をお送りしようと思います。
先月の年末年始の特番でも「子育て術」を披露する番組がありました。子どもに何かを体験させたり、親御さん自身が手作りの教材を作ったりするなどの子育ての結果、目標だった良い大学に通わせることができた!という内容でした。
親御さんがこの様な番組を見ると
- こんな風にうちの子も育って欲しい
- こう育てればうちの子どもは将来苦労せずに生きて行けるかも
- 子どもの育て方は、親がしっかり子どもを引っ張らないといけない 等
様々考えさせられると思います。そしてそれらが「成功体験」として映るのでは無いでしょうか?
一方、自分の子どもが不登校やひきこもり、勉強しない、成績が良くないなどの状況にいることに対して、「怠けている」などのマイナスなイメージを持ちやすくなってしまっているかもしれません。
知らず知らずに比較してしまうのは「落とし穴」です。
当センターへカウンセリングに来られる親御さんが「うちの子が不登校(ひきこもり)になるなんて・・・・・」と落胆しながら言われるケースが多々あります。
当然親御さんとしては子どもの為を思い、登校させるために色々な工夫をされてきていると思います。しかし上手く行かず、学校の先生やスクールカウンセラー、ご近所さんに相談した結果「見守る」ということを提案され、渋々見守る行動に移られている方もいるのではないでしょうか。
最初のうちは、「見守る」ということを実践できるのですが、子どもが何も変わらない現状があると次第に我慢できなくなり、子どもの言動に口を挟まずにはいられなくなってしまう方も居れば、無関心に近い感情になる方もいると思います。
しかし、この様な感情を抱いている時点で、世の中の他の子どもと自分の子どもを比較している状況になっているのです。
不登校やひきこもりの期間が長ければ長いほど、親御さんが我慢する機会や譲歩する機会が増えてしまいます。つまり、他の子どもと比較すればするほど、わが子の良い所が見えなくなりなり、嫌なところしか見えなくなってしまう傾向に陥りやすいのです。
自分の子どもの良い所は何か今一度考えてみてください。
私はカウンセリングの際に、「子どもの良い所は何でしょうか?」と親御さんへ尋ねることがあります。
しっかり答えて頂けることもありますが「無いです」と答える方も居ます。この「無い」と答えられる親御さんほど、周りとわが子を比較する傾向が強い方と考えられます。
他の子どもとの比較をして、落胆したり焦ったりすることを無くすために、子どもと少し距離を置いて接してみるのもいいかもしれません。それが子どもを認める最初の一歩になりますので、是非試してみて下さい。
「怠けている訳ではないのに・・・」と思っている子どもの最終的な行動
不登校やひきこもりといった子どもの行動には、必ず目的があります。
しかしその目的が説明出来ない、または自分で認められないために、結果的な行動に移すことが多々あります。その結果的な行動の一例が「起立性調節障害」です。
私が現役の高校教師の時に、中学生時代「起立性調節障害」と診断された生徒が何名か居ました。当然、その診断名はついたまま高校へ入学して来ました。しかし、高校入学と同時に「朝起きれない」が無くなったのです。
この生徒たちの「起立性調節障害」のパターンは
- 登校時間を過ぎると急に元気になる。
- 朝以外は普通に生活(頭痛ならスマホ、腹痛なら朝ごはん)することが出来ている。
- 薬の服用はほとんど無い 等
といった条件が窺い知れました。またその中の1人がこの様に言っていました。
「学校へ行けない状況に名前を付けてもらえれば、それを理由に学校へ行かなくて済むから」と。
「本当に学校へ行きたくない・・・」と言っても中々聞いてもらえず、どうしたら聞いてもらえるのか?と考えた結果、とった最終的な行動だったそうです。
もちろん本当に重い症状の方も居ますし、一概には言えませんので注意が必要です。上記のようなケースもあるという事をご紹介させていただきました。
今回伝えたいたった一つのこと
今回伝えたいたった一つのことは「子どもは好きで怠けている訳ではありません」ということです。
親御さんによっては
- 「じゃあ、子どもに気を遣えということ?」
- 「結局、どう子どもと接すれば良いの?」
と困惑されてしまう方もいると思います。
当然「親しい仲にも礼儀あり」ですが、お互いに気を遣いすぎるのは身体に毒です。
正しく子どものことを理解するためには、子どもにどの様な本質があるのか知ることが必要です。
今回の話を踏まえた上で、子どものことを改めて私達カウンセラーを交えて話してみませんか?
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