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不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑦

こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。

皆さんは「不登校問題」のゴールについて、どの様にお考えになられていますか?

①解決でしょうか?

解決というと、「問題を処理すること」という意味になりますので、「学校に行かないこと」が問題だと捉える事になります。

②改善でしょうか?

改善というと、「悪い点を良い方向に改める」ということですので、「学校に行かないこと」は悪い事だと捉える事になります。

学校に行かないことは、問題であり、悪いことなのか?

もし、親御さんや先生・カウンセラーが、心のどこかで不登校の子どもに対し「この子は悪いことをしているんだ」と感じながら接してしまっていたとしたら・・・

子どもも「自分は悪い事をしているんだ」と感じてしまうことで、良い方向へ向かわないのではないかと思うのです。

不登校は、一朝一夕では「解決」しないからこそ、不登校問題のゴールは「克服」という表現が一番近いのではないかと考えております。

「克服」とは、「努力をして難しい状況を乗り切る」ということです。

「ああ、この子は努力しているんだな」と思えたら、ちょっと前向きに感じませんか?

もちろん、「克服」には、「解決」も「改善」という要素も含まれるでしょう。

数学の問題の解き方が分からないのであれば、答えの導き方が分かればその問題は解決しますし、朝自分で起床出来ないことが「悪い」と感じるのであれば、それを改め、自分から起床できる様になれば改善です。

ただ一度トライしてみて思う様に出来なかったとしても、手段を変えたり柔軟に考えたり気持ちを切り替えたりして、努力をし続ける力が必要なのです。

  • 自分を信じて
  • 動機づけして
  • 努力し続ける

一人で取り組むことは、容易ではないかもしれません。

だからこそ、それを見守ってくれて、サポートし、例え上手くいかない時があっても応援してくれる、そんな温かい存在が必要なのです。

周りの人間がそんな風に寄り添えたら、子どもも持っている能力を発揮しやすいのではないかと思います。

ここで有名な心理学実験をご紹介したいと思います。

有名な心理学実験「マシュマロテスト」について

これは、ウォルター・ミシェルという心理学者が4歳児向けに行った実験で、子どもの自制心を計る目的で行われました。

内容は次の通りです。

机の上のお皿にマシュマロを1つのせた状態で、子どもをいすに座らせ、次のように伝える。

「私はちょっと用があるから15分ほど席を外すね。それはキミにあげるけど、私が戻ってくるまで15分の間食べるのをガマンしてたら、マシュマロをもうひとつあげる。私がいない間にそれを食べたら、ふたつ目はなしだよ」

1人だけ部屋に残された子どもたちは、マシュマロをなでたり、匂いをかいだり、目をふさいだり、マシュマロを見ないようにする子がいたり、自分の髪の毛を引っ張ったり、机を蹴ったりなどして必死に目の前の誘惑に抵抗したそうです。

その必死で抵抗している姿はとても愛らしいのですが・・・(笑)

見事15分間、自分の欲求に打ち勝ち、実験者が戻るまでマシュマロを食べるのをガマンして2つ目のマシュマロをもらえた子は、被験者のおよそ3分の1なのだそうです。

その後の追跡調査によると、食べずにガマンが出来た子は、ガマンできずに食べてしまった子に比べて、学力の面や社会的立場など優れている面が多かったそうです。

その子たちは4歳の時点で、将来の大きな報酬を得る為や目的を達成する為に、一時的な感情や自分の欲求をコントロールする事が重要だと理解しているのです。

これは、その状況に合った適切な情動を、適切に表現できるかという事に関係しており、ただやみくもにガマンさせれば良いという話ではありません。

子ども自身が、「今はちょっとガマンして、おたのしみを後に取っておこう」と判断できるようになる事が重要になります。

子どもを支援する側の立場の人が、どの様に関わるか

ここで「不登校克服には欠かせない!情動の上手な取り扱い方とは①」に登場したAさんを再び例に挙げたいと思います。

クラスメイトに話かけても上手くコミュニケーションが取れなかったAさんですが、今は色々な事を話し合える友達ができて、その子と話したり遊んだりする事が楽しくて楽しくて仕方がないそうです。

Aさんがそうなった過程に、「どの様に関わるか」のヒントがあると感じたので紹介させてもらいます。

カウンセリングの中で、Aさんは今までの友人関係の事を振り返ります。

  • 自分の好きなものの話をすると、自分が話し過ぎて相手が引いてしまう。
  • 人から意見やアドバイスをされると自分が否定されている様に感じてしまう。
  • どうしたら良いのか? という対策を考えるのが面倒だったので諦めていた。

という事に気付き、Aさんは一つの結論を出しました。

「相手の話を冷静に聞いてみよう。」

その結論に辿りついた事で、また新たな気付きがありました。Aさんは、人の話を聞く時に「共感しよう」としていたつもりが「同情」になってしまっていたのです。

「共感」と「同情」の違いは分かりにくいかも知れませんが、全く違ってきます。

「共感」は自己肯定感を高め、「同情」は自己肯定感を下げます。

次回はその違いについて、お伝えしていきたいと思います。

それでは、次回をお楽しみに!

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは①

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは②

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは③

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは④

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑤

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑥

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑧

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑨

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑩

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑪

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑫

不登校克服には欠かせない! 「情動」の上手な取り扱い方とは⑬~まとめ~

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