不登校専門のカウンセラーが教える「自信」の作り方
こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。
仙台では胃腸炎の流行が激しいですね。私のところに来ている子ども達の中にも、学級閉鎖状態になっているところがありました。
胃腸炎はうつりやすい感染症のようですので、予防には気をつけたいですね。
さて本日は「自信」ついてのお話をしてみたいと思います。
突然ですが皆さんは・・・
根拠なく自信を持てるほうですか?
理由が明確にないと自信を持てないほうでしょうか?
どちらが正しいというわけではありませんが、自分だったらどちらが近いでしょう。
不登校の子どもと自信の関係
私がカウンセリングを担当している子ども達には、
- 根拠のない自信を持っている子
- 根拠がないと自信の持てない子
どちらのタイプの子もいますが、自信を持てない子のほうが多い印象です。
不登校の子どもは自己評価が低く、自信を持てない子のほうが多いからかもしれません。
こういった自信の持てないタイプの子は、
- 人の目を気にしやすい
- やりたいことがあっても無理そうだと始める前に諦めやすい
- 何か提案されても自分には出来ないと思い込みやすい 等
行動に繋げにくい思考をする傾向があるように思います。
一方、根拠のない自信を持っている子についてですが、私はそのほとんどは「偽の自信なのではないか?」と感じることがあります。
例えば・・・
- 「俺はやれば出来るんだ!」と言っている
- 「来月になったら行けるようになると思う」と言っている 等
全てがそうというわけではありませんが、こんな風に言っている子のほとんどが実際には何も行動しないまま過ごしています。本当に自信を持っている子は、わざわざ宣言しなくても行動していることのほうが多いです。
上記のように、口に出して周りに主張しているのは
- 「責めないで」というアピールをしている
- 口に出すことで、自分に言い聞かせている
といった、自分の心を守るための行為になっている場合が多いかと思います。
もちろん本当に全く根拠なく自信を持っていて、それを教えてくれる子もおります。
そういった子は実際に言ったことをやりますし、やらなかったときもその理由が明確で代わりに何か違うことをやっているという場合が多かったです。
こう書いてみると行動をするには自信が必要になっているようにも見えますね。
では本当に自信がないと行動は出来ないのでしょうか?
次はそれを考えてみたいと思います。
自信と行動の関係
あなたが自信を持って出来ることは何でしょうか?
私は歌うことにそこそこ自信を持っているので、カラオケなどに誘われるとフットワーク軽く参加できます。逆に野球などの球技は少し苦手なので、それらに誘われても渋るか、断ることのほうが多いかもしれません。
こういったことは皆さんも何かしらあるかと思います。
ですが、自信が少ないから出来ないのか、というとそんなこともないですよね。
私たちは「最初は誰でも上手くできるわけじゃない」ということを知っていますし「上手くできなくても恥ずかしいことではない」ということも知っています。
だから「失敗しても練習すればいい」とか「やってみて合わなければやめればいい」とか考えることが出来ます。
人間ですので当然、自信のあることのほうが取り組みやすいのは事実です。
- やったことのない分からないこと
- 前に失敗してあまり自信のないこと 等
これらに取り組むには勇気が要ります。
先ほど挙げた2つのタイプの場合はどうでしょうか?
①根拠のない自信を持っている方の場合
こちらのタイプの方は、初動には有利だと思います。
出来そうだと思っているわけですから、最初に生じるためらいみたいものは、きっと少ないですよね。だから動き出しはしやすいだろうと思います。
しかし、継続していくことに関しては少し疑問が生じます。なぜならば、その自信を裏付ける根拠がないからです。
なんとなく出来そうだと思ってやってみて、実際にある程度上手くやれているとします。その場合、内心ではどうなるでしょうか?
捉え方によるのですが「自分に合っている」「思った通りだった」と満足して疑問を持たない人もいるかもしれません。
ですが、
- 「なんでやれているのかわからない」
- 「理由が分からないから、いつ出来なくなっておかしくない」
と不安を感じる人もいます。
そうすると、出来ていることに対しても自信を持てなくなってきたり、自信を持っている自分に対して疑問が生じたりします。
②根拠がないと自信を持てない人の場合
最初は出来なさそうだと感じるので動き出すまでは時間がかかりそうです。そしてそのままやらないで終わってしまう方が多くいます。
ですが、自信を持つための根拠作りをして行動した方は、始めてから継続しやすいです。
- 自分は○○が苦手だから、それを克服するために△△をして準備しておこう。
- 自分は前にここで失敗したから、次は失敗しないように練習をしておこう。
といった、「自分が大丈夫だと思えるための根拠作り」をしているので、出来るようになった理由も分かりますし、今は出来ていなくてもいずれは出来るようになれると感じられます。
実際に出来るようになるかどうかは別の話ですが、行動するためにはそのような思い込みがあると便利ですね。
不登校になる子の多くは、この「自分が大丈夫だと思えるための根拠づくり」という行動をしない場合が多いように感じます。色々とその理由もあるのですが、それはまた別の機会にお伝えできれば思います。
自分に出来る「根拠作り」をしていく
『クリティカルタイム』という言葉を、耳にされたことのある人もいらっしゃるかと思います。
これは「どんなことでも1万時間やれば一定の水準には達することが出来る」という考え方です。ここで言う一定の水準とはプロとしてやっていける、その道で仕事として食べていけるレベルということだそうです。
子ども達に一番分かりやすいのは受験勉強かもしれません。
受験は試験範囲が決まっていて、ここまで点が取れれば合格ですよ、というのはほぼ決まっています。ですので、それに向けて時間を割いてやり続けることができれば、必ず合格出来ます。
これは頭の良し悪しはあまり関係がありません。正直に言って一部の天才的な才能を持つ人以外に私達は対して差がありませんよね。
差が出るのは単純に「やったか、やらなかったか」という部分によるところがほとんどです。※もちろん惰性でダラダラやっているのと真剣に取り組んでやっていることの差などは出ます。
なので、今自信を持てない人の大きな要因は単純に「やっていないから」なんですよね。
逆を言えば「やればできる」だけのことなんです。でもそれを知らなかったり受け入れられなかったりする人は、他に原因を求めようとしてしまいます。
自分には才能がない・・・
⇒(才能はほとんどの人が大差ありません。持っている人のほうが少ないです。)
やっても出来なかった・・・
⇒(単純にやる時間が足りなかっただけです。)
教え方が悪い、集中できる環境じゃなかった・・・
⇒(環境を変えるために何をしましたか?しますか?)
どうせ自分は何をやってもうまくいかない・・・
⇒(そう思い込むと実際そうなりますね。何もやらないでいてよくなることってありますっけ?)
これらも、
- そう思わないと辛くなるからこその自己防衛本能
- 行動したくないということに対する言い訳 等
可能性は色々あります。そこを責めても意味はありません。
今の自分の状況、状態を把握した上で「それで、どうする?」という思考に至ることが大切です。
行動するために自信はあったほうがいい、それは間違いありません。
だからこそ「自信を持つための行動は何があるだろうか」と考えてもらいたいのです。
ただやみくもに自信を持てと言われても納得しずらいでしょう。自分を納得させるためのものがあったほうが圧倒的に楽になるのが早いです。
「でも何をしたらいいか分からない・・・。」そんな時は人に聞いたり相談してみましょう。
相談された側も「ならこうしろ」と言うのではなく、一緒に「どうやるといいかな?」と考えてみてあげてください。
答えは与えるのではなく、本人が生み出すものです。
もしこの辺りのことを詳しく聞きたい方がおられましたら不登校支援センターへご相談ください。時間の許す限りお伝えしたいと思います。
それではまた。
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