ゲームをやりすぎている子どもへの関わり方とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
年末年始はゆっくりと心と体を休めることができたでしょうか。
この時期はご家族で過ごす時間も増えるので、子どもと様々なお話をして理解が深まる機会となることもあります。
しかし一方で、子どもの様子を見ていてついつい気になってしまう様子も目に留まる時期かと思います。
本日は親御さんからこの時期に度々聞かれるお話を取り上げたいと思います。
いくらなんでもうちの子、ゲームやりすぎじゃない?
「うちの子、起きてからずっと部屋でゲームばかりしてるんです。ご飯のときもゲームしてると部屋から出てこないし・・・。」
このようなお話は面談の際にもたびたびお聞きします。
実際に、ゲームに夢中になるあまり、夕食の時間に間に合わずに、夜中にカップラーメンを食べたりするケースもあるようです。全く食べない、よりはいいですが、それでも親御さんからすると心配されると思います。
子どもからも、「ゲームをやりすぎているという自覚がありつつも、ついついゲームをしてしまっている・・・」ということを面談でも聞くことがあります。
ですので『ゲームとの付き合い方』については、子どもと一緒に考えるテーマになることもあるのです。
しかし、このテーマは取り上げ方によって印象ががらりと変わることがありますので、私が意識していることがあります。
もし、自分がゲームをやりすぎている子どもだとしたら
次の①②の表現はそれぞれどのように感じられますか?
①「なんで、○○さんは悪いと思いながらもゲームをやめられないの?なんとかしないとまずいよね?」
②「『ゲームやりすぎちゃってなかなかやめられない問題』をなんとかしていこうか。」
なんとなく、②の表現の方が印象が柔らかい気がしませんか?①は人によっては胸がキューっと締め付けられるような感覚があるかもしれません。
実際、この2つの大きな違いについてですが、
①は、ゲームをやりすぎていることを注意する人と注意される人、という関係になります。
注意をされた人からすると・・・
- ゲームをやりすぎている「あなたが問題だ」というメッセージとして受け取ってしまう
- 責められている感覚から反発が起こりやすく、対立関係になってしまう
こんなリスクがあることも少なくありません。
一方②は、ゲームをやりすぎていることを一緒に考える、という関係になります。
- あなたが悪いのではなく、あなたもゲームをやめられないことに困っている1人という考え方
- 「気分よく過ごせるように一緒に考えましょう」というメッセージとして受け取られる
ですので、注意をされた方も自分が責められている感覚が和らぎ、一緒に取り組む協同関係を築いていきやすくなります。
この②の視点のことを、『問題の外在化』と言うそうです。
文字通り、問題はその人の中にあるのではなく、外にあるものとして扱い、一緒に考えようという考え方になります。
『問題の外在化』という視点
問題の外在化とは「あなたが問題」なのではなく、「問題が問題」であるということですね。
話すときには、「○○問題」と語尾に「問題」とくっつけるのもポイントだそうです。
この伝え方のメリットは先ほどもお伝えしましたが、言われた方が責められたという感覚を抱きにくいので、問題を解決しようとする意欲が湧きやすいということにあります。
もちろんゲームについては、
- その使い方を面談で取り上げたほうがいいケース
- そっとしておいたほうがいいときケース
と、子どもやご家庭の状況によって異なりますが、面談で取り上げる時はこのような伝え方も意識しています。
解決の方法よりも、関係性が大切
様々な問題について考える時、まずはそれをどういう方法で解決しようかということをどうしても考えやすくなりますし、自然な流れかと思います。
しかしながら、その方法を考えるよりも・・・
どのような関係性で一緒に問題に取り組むのかが大切であると私自身感じています。
親御さんと子どもとでこれからも様々なことについて話し合う機会は出てくると思います。
そんなときはお互いに対立するよりも、一緒に協力して取り組めた方が上手く進みそうですよね。
今回のブログでお役に立ちそうなところがありましたら、ぜひ参考にしてみてくださいね。
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