「好きなことしかしない」という子どもへの対応方法
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
最近趣味に割く時間が増えてきて、なかなか勉強が進んでおりません。(この年齢になってする勉強もほとんど趣味のようなものですが・・・)
例えば・・・
『買ってきた本を読もうと思ってもついついゲームをしてしまい、なかなか読書が進んでいない』
などです。
本を買うことはできているのですが、その本を読むことはなかなか進んでおりません。
自分でも、「読みたくて買ってきた本なのに、なんでこんなに読むことを後回しにしてしまうのだろう・・・」などと考えてしまいます。
さて、当センターにも
「学校に行かず、勉強もせず、自分の好きなゲームばかりしています。」
「家の手伝いもしないで、動画やテレビばかり見ています。」
「教科書でも読めば良いのに、漫画ばっかり読んでいるんです。」
などなど、所謂「子どもが好きなことしかしないんです」というお話しをよく耳にします。
今回は、その「好きなことしかしない」という状態について考えていけたらと思います。
まずは例として、私自身のことを少し分析してみました
「読みたくて買ってきた本なのに、本を読まずにゲームをしてしまう」という行動について考えてみます。
まず本を読む目的としては『新しい知識を得たい』というものがあります。
そして、この目的を達成するために、新しい知識を得られる状態を作っている必要があります。
- 眠気がない
- 頭がスッキリしている
- 時間を確保できている
- 子どもが周りにいない(※子どもがいると「遊んで!」と言ってきて、私はそれを断って本を読むことができません・・・) 等
つまり、自分の状態をよくして新しい知識を得られる状態にするということです。
一方、ついついやってしまうゲームは、自分のコンディションがそれほど関係していません。
ゲームをすること自体が目的なので、途中で止めることも気にならないし、何も得られなくても気になりません。なので、ゲームへは気軽に手を出せてしまいます。
眠りながらゲームをしていることは全く気になりませんが、眠りながら読書をするのは嫌だと感じます。そして、「ゲームは好きですか?」と聞かれたら、自信を持って「YES!」と言えます。
皆さんにも同じようなことがあるのではないでしょうか?
不登校支援センターに来る子どもの場合・・・
勉強やお手伝いなどをせず、ゲームや動画鑑賞しかしない子どもについても、同じようなことが言えるのではないでしょうか。
勉強をする目的としては、
- 『学力が上がること』
- 『知識を得ること』
が考えられます。
つまり、その結果が得られると思える状態になれていないと、なかなか勉強する気にはなれないのかもしれません。そのため、特に結果を求められていない『好きなこと』に対してはやりやすく感じると思います。
また、「きつい、嫌だ」と感じる勉強(お手伝い)をできる状態というものも、目的を達成するにあたり必要になってくると考えられます。
さて、本題の「好きなことしかしない子ども」への対応方法ですが、これまでの話を踏まえて、必ずやって欲しいことがひとつだけあります。
それは、『考え方の変換』です。
具体的に説明すると・・・
「好きなことしかしない子」 ⇒ 「(今は)好きなことしかできない子」という考え方の変換
子どもを「好きなことしかしない子」という見方をしてしまうと、どうしても
- やるべきことをやらない、自制できない状態
- 怠けている状態
としか思えなくなってしまいます。
そうなると親御さんとしても「なんとかして子どもを動かさなきゃ!」と思ってしまい、子どもにアドバイスしたり、説教したりすることもあるかと思います。
しかし、考え方の変換をした場合・・・
子どもは「きつい」を受け入れられない状態であり、「きつい」の先に「達成したい目的」があったとしても、その目的に辿りつける気がしていない。
という見方になります。
ゲームをしていて、自分の思い通りにいかないときに暴れたり、怒鳴ったり、叫んだりしている子どもも、「きつい」の先に「良いこと」があったとしても、そこに辿りつける気がしないという状態である可能性があります。
つまり、「自分の思い通りにいかないこと」(=「きつい」「辛い」「嫌だ」)を受け入れられない状態です。
おそらくゲームも嫌なことばかり続いていたら、やりたくなくなってきて、一旦止めることもあるのではないでしょうか。(そして時間が経つとまた始めたり・・・)
好きなことしかしない子どもへの対応方法
①「好きなことしかしない子」 ⇒ 「(今は)好きなことしかできない子」というように見方を変えてみてください。
②その子が「今の状態でできることが他に何があるのか」を考えてみてください。好きなこと以外にもできていることが見えてくるかもしれません。
③「その今できていることは、どのような目的をもっているのか」を考えてみてください。
- 達成できればプラスになる目的がある
- それを達成できる自信がある
- それを実行することはそんなにきつい(嫌だ)と感じていない
などがあるかもしれません。
もし子どもが「自分の好きなことしかしない子」というように見えてしまう方は、不登校支援センターのカウンセラーにご相談ください。
カウンセラーと一緒に、子どもの今の状況を的確に把握していくことができるかもしれません。
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