不登校解決現場レポート中学生の不登校子供の心理学

羨ましがられる「友達のような親子関係」の危険性とは?

こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。

今回は【母と子】の関係性にスポットをあてたお話をしたいと思います。

友達のような関係の母と子ども

以前カウンセリングでお話を伺っている際に、

「私達は本当に仲の良い、姉妹のような関係なんです」

と仰る方がおられました。

その親御さんは娘さんに対し、自分のお友達と同じように接しているそうです。

母と娘で、ファッションのことを語り合ったり、恋愛、趣味、人生、など様々なことを話し合ったりするのですが、話している感じが同級生と話している感じとのこと。

最初私も「仲が良いんですね~」と話を聞いていたのですが、その親御さんは「そのことで困っている」と仰るのです。

個人名を伏せてブログにこのエピソードを紹介する許可を頂きましたので、ご紹介していきます。

友達のような関係は、意識して築いてきた関係性

親御さん曰く、娘さんが小学生頃から、「親子間で友だちのように接することができる関係」を築きたいと思い、意識してあえて友達のような目線で話したり、楽しいことを共有して過ごしてきたとのことです。

しかし、娘さんが5年生頃から仲が悪くなることがしばしばあり、そのようなときも話し合うことなく、「顔を合わさない」「話さない」「近づかない」という状況になることもあったとのこと。

上下関係というものが親子間で存在しないので、

  • 諭す
  • 教える
  • 言い聞かせる

ということが全く無い状況であるとのことでした。

親子の関係性は、親御さんが子どもにどのように接してきたかによって形成されるものであるという考え方があります。すなわち、子どもが親にどう接してきたかというよりも、親が子どもにどう接してきたかによって関係性は構築されるというものです。

こちらの親御さんの場合、ご自身が意識して長年、友達のように娘さんと接してこられたわけですから、当然そういう関係性が構築されることが想像できますよね。

しかし親御さん曰く「あくまで友達の”ように”なれたら良いなと思っていたが、ここまで本当の友達のようになるとは思っていなかった」とのことでした。

また、「子どもが言うことを聞かなくて困っている」ということだったのですが、カウンセリングにてカウンセラーと対話をしていく中で、言うことを聞かせようとしている自分が間違っているというご自身の中で気付きがあったようです。

カウンセリングは自己対話のお手伝いでもあります。

最初、親御さんは「言うことを聞かせようとしても聞かない。友達のような関係をつくってきたのが間違いだった。」と仰ってましたが・・・

気付きで得た考えは「相手を変えることは出来ない。」ということでした。

娘さんはもう高校2年生です。自我も固まってきています。そんな子どもを変えようとして、これまでの良好な関係を壊そうとしているご自身に気付かれたそうです。

カナダの心理学者エリック・バーン氏の名言にこのようなものがあります。

過去と他人は変えられない。しかし、いまここから始まる未来と自分は変えられる。

  • 自分の過去は変えられないが未来は変えられる。
  • 他人は変える事が出来ないが自分は変えられる。

この言葉にもあるように、どうやっても他人を変える事は出来ません。

「友達は他人だから変えられないと簡単に気付けるのに、自分の子どもなら変えられると思い込んでいた」と、親御さんは仰っておられました。自分の価値観を押し付けることは親子関係を壊すことにもなりかねないと気づくことができたのは、親御さんが子どもと「友達のような関係」を築いてこられたからです。

子どもとの関係性でお悩みでしたらご相談ください

友達のような親子関係はあまり良くないと考えられる方もいらっしゃるかもしれません。ですが、長年関係を築いてこられたからこそ持てる視点というものがあると思います。

このブログを読んでいただいている皆さんにも、思い込んでしまっていることや壊したくないと思っていることはありませんか?

一度不登校支援センターのカウンセラーと一緒に、対話の中で探してみるのも、新たな気づきがうまれて良いかもしれませんね。

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