不登校解決現場レポート

不登校の子どもの生きる目的のつくり方〜目的によって行動は変わる〜

こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。

突然ですが、あなたの生きる目的はなんですか?

改めて言われるとそこまで深く考えずに生活していることも多いかと思います。ですが、子どもたちの中にはそういったことで思い悩み、立ち止まってしまう子がいます。

今日はそのことについて考えてみたいと思います。

なぜ生きているんだろう?って考えたことありますか?

思春期の頃、私たちは自分の生死について思いをはせたりします。

生きるとはなんなのか、死ぬとどうなるのか・・・答えのないことに悩んだり苦しんだりします。程度の差はあれ、誰でも経験があることだと思います。そして、それを明確にしてから動く人もいれば、あやふやなまま動く人もいます。

どちらにせよ、動いている場合はまだよいのですが、不登校の子たちはそのまま止まってしまうこともあるんですね。

以前、私が見ていた子の中にも「生きる意味がわからない」といって引きこもってしまった子がいました。

本質的には「生きる意味が分からないから動けない」というだけはないのですが、一つの理由として自分の目的が曖昧であることは間違いなくあったと思います。自分が生きていく目的、簡単に言うと「自分はどうしたいのか?」実はこれが自分でもあやふやになってしまうことがあるんですね。

目的によって行動は変わる

例えばの話です。旅行に行くとして、目的が「寒くなってきたので暖かいところでのんびりしよう」だとします。

上記の目的を達成するために、あなたならどうしますか?

考えるとわかると思うのですが、「暖かいところ」という範囲が広くて具体的な行動にし難いですよね。「暖かいところ」といっても沖縄かもしれないし、ハワイかもしれないし、近所の銭湯かもしれない。そもそも目的が「暖かいところでのんびり」だとしたら、旅行に行く必要すらないかもしれません。家の中でコタツに入っていれば満たされるかもしれませんよね。

このように、漠然としすぎた目的では動きにくいです。

不登校の子ども達の中にも「なんとなく楽しく生活したい」くらいの目的しかない子がいます。これは別に間違いでもいけないことでもないのですが、その楽しい生活っていうのはどういうものなのかな?というのがポイントですよね。

  • 友達と一緒に楽しみたいのか
  • 自分一人で楽しみたいのか
  • スポーツで楽しみたいのか
  • ゲームで楽しみたいのか
  • 自分の成長などを楽しみたいのか
  • 人との関わりを楽しみたいのか
  • 知識を得ることを楽しみたいのか

人によって楽しいと感じることは違いますので、おのずと目的も変わって来るはずなんです。そこが分かって来れば「どうやってそれを楽しんでいこうか」という次のステップに進めます。

友達と一緒に楽しみたいと思ったら、友達を作ることや今の友達と関わりを深めるための行動を取るようになるでしょう。一人で楽しみたいと思うなら、一人で楽しみ続けていけるための行動が必要ですよね。

どちらにしても家に引きこもっていたら、いずれそれが続けられなくなってしまいます。そこをきちんと認識することが大切ですね。

本人が望むものは自分でもわかりにくい

ただ、カウンセリングをしていて思うのですが、自分でも自分の目的が分からない、という子は多いです。

「自分がしたいことを考えてみても何も浮かばない」という子などですね。でも実はこれって本当は浮かんでこないのではなくて、自分の中で否定してしまっていることが多いんです。

極端な例ですが、「お金持ちになりたい!」と思った子がいたとします。

しかし、「そうはいっても今の自分の状態じゃろくな仕事にもつけないだろうし、特別な才能があるわけでもないし、無理そうだよな」と、勝手に自分の中で諦めてしまい、結果として「特に目的はない」という答えになってしまう、ということがあるんです。

受験などでも「この高校に行きたいな」と思っても「でも今の成績でそれを言ったら勉強をすごいやれって言われそうだし嫌だな」と諦めてしまったり、ですね。

【出来るかどうか】【現実的かどうか】という常識的なフィルターに阻害されて、自分の願望が出せなくなってしまっている状態です。

これは行動するときには非常に邪魔になります。

受験なども絶対の保証はないですし、やっても無理かもしれません。それは当然のことです。ですがそこを気にして行動していなかったら間違いなく目的は叶いませんよね。それに行動していれば志望校を目指して頑張った結果、合格出来なくても学力は上がっているはずなので、自分にとってはプラスの結果で終われるはずです。

「難しいだろうな」というフィルターに邪魔されて行動しなくなると、それも手に入れないので二重に損ですよね。理屈では子どもたちもそうなることを知っているはずですし、伝えれば理解できることだと思います。しかし実感として認識して、行動に移すのが難しいんですよね。

一人考えていても中々そこは解消できません。

そんなときは信用できる誰か、親でも友達でも構いません。誰かと相談しながら考えていけると良いですね。

もちろん私たちのような第三者でも良いでしょう。

行動がとれなかったり、思い悩むことがあれば、お気軽に最寄りの不登校支援センターへご相談ください。

それではまた。

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