昼夜逆転生活をしている子どもへの適切な対応方法とは?
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
年末も近づいてきており、いろいろと忙しくなってきている方もいらっしゃるのではないでしょうか?仕事が忙しくなってきたりイベントが続いたりして、その直後の年末年始となると、生活リズムもガタガタになってしまうこともありますよね。
そんなときでも、規則正しい生活リズムを保つことによって、健康を保つことを心がける方も多いと思います。その規則正しい生活の話になるのですが、不登校問題によくついてくる問題として、『昼夜逆転』があげられます。
親御様の中には「学校には行かなくても良いから、せめて昼夜逆転は直して欲しい!」と思われる方も少なくありません。
今回は、子どもの昼夜逆転について考えてみたいと思います。
そもそも昼夜逆転が起こる原因は何でしょうか?
この原因を考えるために、センターに来る子どもで昼夜逆転になってしまう理由として多いものをいくつかあげてみます。
1.(考え事などをしていて)夜眠れなくなり、眠りにつくのが遅くなってしまうため
2.インターネット上の友人とオンラインゲームで遊ぶ時間が夜中しかないので、その時間は起きており、眠りにつくのが遅くなってしまうため
3.朝(または昼)起きていることを避けるため
この他にも理由はありますが、この3つが多いのではないかと思います。
特に3つ目の「朝(または昼)起きていることを避けるため」については、
- 「学校に行きたいと思っているのに、行けないという気持ちが出てきてしまう」等の葛藤を感じてしまう
- 学校に行けないことで葛藤したり、悩んだりしている時間がとても苦痛になる
こういった気持ちが湧いてくる時間に意識を持たないで過ごしたいという想いから、あえてその時間に眠くなるように行動している子もいます。
昼夜逆転を解決していくために、まず考えて欲しいこと
さて、上記のような3つの原因がある状態の子どもに対して、ただ「昼夜逆転だけでも直してくれ」と親御様が伝えたところで、「はい、わかりました」とはならないことが多いです。
親御様としては、「学校に行かなくても良いから昼夜逆転だけでも直してくれ」と譲歩しての言葉かもしれません。しかし子どもからすると、「学校に行くこと」と「朝起きること」は違う問題なので、譲歩であると感じないこともあります。
そこで、昼夜逆転が起こる要因となっていることに対して、子ども自身がどう感じているのかを、考えてもらえたらと思います。
例えば、単純に
- 「早く寝るだけでもして」
- 「せめて朝はちゃんと起きてて」
などの声かけに対して、子どもはどのように感じたり、反応したりするでしょうか?
前述した、昼夜逆転の原因1~3から、それぞれの子どもの反応を考えていきましょう。
1.(考え事などをしていて)夜眠れなくなり、眠りにつくのが遅くなってしまうため
【子どもの反応】好きで起きているわけじゃない。眠りたいけど眠れないんだ!!
2.インターネット上の友人とオンラインゲームで遊ぶ時間が夜中しかないので、その時間は起きており、眠りにつくのが遅くなってしまうため
【子どもの反応】遊ぶ相手が夜しかいない。早く寝ろということは何もしてはいけないということなの?唯一の楽しみを奪うということ!?
3.朝(または昼)起きていることを避けるため
【子どもの反応】起きていて苦痛を感じろということ!?
などの反応が想像されます。
親御様としては子どもの味方としての譲歩の言葉であっても、子どもにとっては苦痛を与えられている言葉になりかねません。
子どもの昼夜逆転の適切な対応方法とは?
昼夜逆転の適切な対応方法のひとつとして、
昼夜逆転について気にしない
というものがあります。
なぜかというと、「朝起きることができないから、学校に行けない。」ということは、今までの解決事例からいってほとんど無いからです。(ちゃんとした説明になっていませんが、心理的な説明の詳細はかなり長くなるので別の機会に記載できたらと思います。)
逆に「学校に行きたくないから、朝起きられない」ということは、事例としてはよくあります。
朝起きられない以外には、
- お腹が痛い
- 頭が痛い
- めまいがする 等
このような身体症状が出やすくなることもあります。全部が全部そういうわけではないのですが、病院にいってみても原因がないといわれる場合は、心身症(心理的要因)の可能性もあるかもしれません。
そして、なんらかの心理的な要因があって夜眠れなくなったり、朝起きられなくなってきてから、少しずつ学校に行けなくなる、というのがほとんどのケースです。
言い方を変えると・・「朝起きられるようになったら学校に行くようになる」ということは、ほとんどありません。
学校に行くようになれば昼夜逆転は自然に解消されていきます。
逆に、「昼夜逆転をなおすなら学校に行かなくても良いと、親が言っているから」と子どもが学校に行かない意思表示を固くしていくこともよくあります。
最後に
子どもの昼夜逆転をどうにかする、というよりも、そもそもの根本問題を改善することで、学校に行くようになり、学校に行くようになれば昼夜逆転も解消されます。
その過程において、心理的要因の改善・回復傾向を、生活習慣から気付いていけるようにもなります。
実際に不登校問題が解消された親御様であればご理解いただけるのでは、とも思いますが、なかなかこの話を受け入れるのは難しいですよね。また、「気にするな」と言われて気にしないでいられる方も少ないのではないでしょうか。
子どもの昼夜逆転についてもっと詳しく知りたい方、なぜそうなるのかが気になる方は、不登校支援センターをお訪ねください。
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