【中学生Aさんの事例】引きこもりの子どもが学校に登校するための3つの方法とは?
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
本日は、ある中学生Aさんの事例を紹介していきたいと思います。
私がAさんと出会ったのは、Aさんが中学3年生の時でした。
Aさんは中学1年生のときにクラスメイトや先生たちとの関係が上手くいかなかったことなどがきっかけで学校に行かなくなり、中学2年生のときに転校したのですが、その学校も一日だけ登校し、以降ぱったりと登校しなくなりました。
そして中学3年生になっても状況が改善できず、「もう中学校も行かないし、高校だって行かない!」と言い張り、引きこもって昼夜逆転、ゲーム、インターネットばかりの毎日という状態でした。
そんな時に親御さんが不登校支援センターに相談にいらっしゃいました。
そのときのAさんは親御さんの言葉にはまったく耳を貸さない状態であり、またその他の状況からも判断して、Aさんの自宅を訪問しカウンセリングを行うことから始めました。
出会った当初のAさんの状態
いきなり自分のテリトリーにやってきた私に対して、Aさんはしぶしぶながらも、なんとか会話をしてくれました。
そのときの日々の過ごし方についてAさんは
- 「自分はこれで良い。」
- 「ゲームが生き甲斐です。」
と言っていました。さらに、
- 「将来はホームレスでも良いと思っている。」
- 「バイナリーオプション(外国為替投資取引の一種)ならやれそう。」
などとも言っていました。
また、親子の関係性としては、私の目の前でAさんは親御さんを罵倒し、激しく怒鳴り、モノに当たり散らすシーンもあるような状態でした。
カウンセリングの経過
まず最初に行ったことは、私とのコミュニケーションに対するAさんの警戒心を解くことです。
子どもによって様々な警戒心がありますが、Aさんの場合は
- 「学校に行かされるかもしれない。」
- 「今の自分の生活や考えを否定されるかもしれない。」
という警戒心があったようです。
なので、それに対しては、
「学校に行かせようとしない」
「Aさんを否定しない」
という姿勢で対応していきました。そして、学校の愚痴や社会に対する不満、Aさんの抱える将来へのネガティブな想像や自暴自棄な発想など、それらをしっかりと傾聴していきました。
すると、Aさんは次第に、「この人は私のことを否定する人ではないんだな」と感じてくれるようになりました。
そして警戒心が解けてくると本音を話してくれるようになっていきます。
- 「高校には行きたい。」
- 「それでも勉強をずっとやっていないことが不安でもある」
- 「人と話すのが怖い。」
- 「何かをしようとしてもめんどくさいが勝ってしまう。」 等
本音や弱音が出てきたらあとはそれをゆっくり消化していくだけです。
- 行くとしたらどんな高校があるのか学校見学にいったり
- 他者との交流を目的にでかけたり
- 運動に対する苦手意識の克服のために運動をしに行ったり 等
私が特にビックリしたのは一緒に勉強をした時です。いつもは全く勉強をしていなかった(らしい)Aさんだったのですが、私と一緒にしている時は3時間以上も集中して勉強をしていました。
Aさんは中学3年生のときも学校に行くことはありませんでしたが、カウンセリングを実施していく中で、生活にはだいぶ活気がうまれたようでした。
そして高校にも無事に入学し、カウンセリングを継続して実施しながら、順調に高校生活を過ごしていくことができていきました。
Aさんの事例で考える解決のまとめ
こうして文章に書いてあることを読んでみると、当たり前のことを当たり前のようにやっているだけのように思われるかもしれません。
しかし、この当たり前のことが出来なくなってしまっている状況になっているご家庭も少なくないように感じます。
- 親に対して弱音、本音が言いづらくなっている。
- 何かやりたいことを考えていると、親が先回りして行動を決めてくる(と感じてしまう)。等
子どもはこんな状態に陥っていたりもします。
今回ご紹介したAさんの事例で私が行ったことは
- 本音、弱音を言える関係性を作る
- その対応方法を一緒に考えていく
- 本人が不安に感じる部分をサポートする
この3つを順番に行っただけです。(もちろん、全ての不登校問題がこれで解決できるというわけではありません。)
これらのことをしっかり行うために、カウンセリング回数もかなり多くなりましたが、私たちカウンセラーよりも子どものことを知っており、いつも一緒にいる親御さんであれば、もっとスムーズに解決していけると思っております。
だからこそ、子どもがカウンセリングに来なくとも親御さんだけで不登校支援センターへ来訪いただき解決したケースもあります。
上記の1~3を子どもの状態や状況にあわせて適切におこなう方法を知ることで、不登校問題の解決を目指すことができるのです。
最後に・・・
子ども(人)は基本的に
- 「学びたい」
- 「成長したい」
- 「楽しみたい」
などの欲求があるため、行動できる力は持っているものだと思います。そして私がセンターで出会ってきたほとんどの子どもたちが、本心では「できれば学校に行き、楽しい生活を過ごしたい。」と思っていました。
親御さんも、子どもにはそう思っていて欲しいのではないでしょうか。
不登校支援センターではそんなご家族をしっかりとサポートすることができますので、お悩みの方は是非一度、不登校支援センターにご相談くださいね。
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