不登校でゲーム依存!?中学2年生男子の目的とは?
最近、「不登校」という言葉を良く耳にしませんか?
不登校状態な子どもの人数が「クラスに1人、2人はいる」と言われる程に増えているという事もありますし、「不登校を問題行動と判断してはならない」という国の新しい動きも出てきましたね。
※大阪支部佐久真カウンセラーのブログに詳しく掲載しています!是非お読みください!⇒⇒変わってきた”不登校”への認識と不登校支援センターのこれから
それに伴い、不登校への対応について、たくさんの情報を目にするのではないでしょうか。
先日、面談に来られた親御さんとの話の中で、
- 不登校に関する情報がありすぎて迷ってしまう
- 「見守りましょう」と言われたが、あまり改善が見られない
- 今の対応が正しいのか分からない
などの相談がございました。
我が子に対して、どうしてあげるのが良いのか心底悩まれている親御さんにとって、先が見えない状況は心が痛いと思いますし、その様な状況は、親御さんにとってもお辛いですよね。
今回のブログでは、現状から一歩前進する為に一緒に考えていけたらと思います。
不登校の本質って何?
まず、一度原点に戻って、「不登校」の本質について考えてみましょう。
今、支援センターには、多くの親御さんと子どもが通っておられます。皆さん「不登校」という共通の問題を何とかしようと、真剣にカウンセリングに取り組まれてます。
そして、克服される方が多いです。
ただ、誰一人として同じ方法で克服される訳ではないのです。
「不登校」という共通の言葉でくくられ、「カウンセリング」という共通の手段を選んだとしても、克服するまでの道のりは一人一人全く違うのです。
そのため、その子に合った有効な支援方法を見つける事が早いほど、克服するのも早いです。
そこで、有効な支援方法の中の一つ「ストレスとその対処」について考えていきましょう。
そもそも・・・ストレスとは何?
ストレスと聞くと、「何だか嫌なもの」というイメージがありませんか?
しかしストレスは、全部が全部悪いものではありません。
ストレスに上手く対処出来ると普段以上の能力が発揮出来たり、精神的に大きく成長する機会となります。そもそもは、ストレスの素となる刺激を受けた時に、それを自分自身の中でどう捉えたかがポイントです。
つまり、同じ刺激を受けたとしても「嫌だな」と感じるとストレスになりますし、「嫌だな」と感じなければストレスになりません。
ここで、実際に私が過去カウンセリングをしていた事例を用いて、ご説明したいと思います。
ゲームに熱中する中学2年生の男子A君の事例
ある中2の男の子A君の事例です。
親御さんは、学校を休んでゲームばかりしているA君が心配でした。ゲームを止めさせる為にゲームの時間を制限したところ・・・A君から暴力を振るわれました。
①ゲーム時間を制限されたA君のストレスと対処はどうでしょうか?
そこで考えたいのが、ゲーム時間を制限されたA君のストレスについてです。
【刺激】
親がゲームの時間を制限した。
【ストレス(どう感じたか)】
- やりたい事もやらせてもらえないなんて、僕は大切にされていないんだ。
- クラスで居場所を作る為にゲームをしなきゃいけないのに、それを阻まれた。
- 僕の気持ちは人には分かってもらえないんだ。
- 一方的に親の意見を押し付けられている。
【対処】
自分の主張を「暴力」という形で表現した。
A君は、ゲーム時間を制限されたことに対して上記のようなストレスを感じたのですね。しかし、親御さんがゲーム時間を制限した意図は、A君の考えていることとは全く違いました。
- 学校に行けないのは、朝起きられないからだ。
- 朝起きられないのは、夜遅くまでゲームを止められないからだ。
- まだ自分で制御できないのであれば、できる様になる為にルールを作りサポートしてあげないといけない。
- それに対して、想像以上の反発があった。どうしたら良いのか分からない・・・。
この様に、親御さんもA君の事を思っての対応だったのです。
②A君が学校を休んでまでゲームをしていた目的
次に、A君がゲームをしていた目的について考えてみましょう。
【刺激】
- クラスメイトの話題についていけない。輪に入れない。孤立する。
- 勉強も難しくなってきてついていけない。
- そういった気持ちを誰にも理解してもらえない
【ストレス(どう感じたか)】
- 自分だけ話題に入れない、自分はダメだと落ち込む
- やばい!勉強が分からないの自分だけかも知れないと焦る
- 孤立してて周りから変に思われてないか気になる。動揺・不安
- ゲームで一番になれば、友達の話題に入れるのでは。
【対処】
学校を休む。 ゲームに熱中する。
「ゲームに熱中する」は、A君なりに考えたストレスへの「対処」だったのです。
しかし、親御さんからすれば、ゲームはただの遊戯であり、学校で勉強する事が嫌で怠けている様にしか見えなかったのです。
人は否定されたり理解されなかった際に、自分の身を守る為により頑なになります。そしてどれが繰り返されると、他者の意見に耳を貸そうとしなくなります。
これも一つのストレス対処ですが、適切とは言い難いですよね・・・
際限なくゲームをしてしまう子に、制限を設けるのが間違っている訳ではありません。
- 何の為に学校を休むのか?
- 何の為にゲームをしているのか?
子どもの無意識の行動目的に注目しながら、どう対応するべきかを一緒に考えてまいりましょう。
親御さんがストレスの素を取り除いてあげるのと、子ども自身が対処できる能力を身につけるのとでは大違いです。
また、ストレスを適切に対処できた経験は、子どもにとっても大きな成長の機会にもなります。そしてこの成長が、不登校克服の鍵となります。
ちなみにA君は高校へ進学し、来年度は海外研修に行くそうです!
英語の習得、外国の文化に対して「経験したい!」と興味を持ったそうですよ。
もちろんその過程には、親御さんの苦労もたくさんございましたし、私とA君もたくさん話をしました。
その話はまた別の機会に・・・。
子どもの様子に違和感を感じはじめたときに、すべきこととは?
様々なご家庭のお話をお伺いさせて頂いて、初期対応によって不登校の悪化や長期化を防げたかも知れない、と感じる事は少なくありません。
- まだ連続で休んでる訳じゃないから・・・
- 部屋に引きこもっている訳じゃないから・・・
- ただ疲れているだけに見えるから・・・
- 好きな事ばかりやらせる訳にはいかないから・・・
- 親御さんが知る「不登校」とは違うから・・・
そう思っている間に、子どもの精神状態は日々疲弊しているかも知れません。
親御さんが違和感を感じた時が、その子の「不登校症状」の始まりです。
- その子がどういった刺激をストレスと感じるのか
- それに対しどういった対処を身に付けているのか
- 今何を求めて行動しているのか
まずは、子どもの特徴・個性をよく観察してください。
そして大切な子どもの状態を悪化・長期化させない為に、初回面談で一緒に適切な対応を考えて行きましょう。
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