【事例】不登校になってから全く勉強が手につかなくなったA君の話
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
だんだんと気温も低い日が続き、秋も深まってきましたね。皆さまどのようにお過ごしでしょうか。
「不登校になってから、子どもが勉強をしなくなった・・・」なんてことはありませんか?
最近、不登校支援センターへカウンセリングにお越しいただいている親御さんとのお話でよく
「不登校になってから、子どもが勉強を全くしなくなった」
ということをお聞きします。
このような子どもの状況をみて、不安になられる親御さんも方も多くいらっしゃると思います。
親御さんのお気持としては
- 「学校の授業に代わる勉強時間を確保するために家で勉強してほしい」
- 「塾に通って学校の授業の分を補ってほしい」
そう思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ここで、一つ事例を見てみようと思います。
不登校になって半年のA君の事例
A君の親御さんが
「不登校になる前は、学校から帰ってきたあと家で宿題をして塾にも行っていたのに、全く勉強しなくなったんです・・・」
このように話してくれました。
A君は決められたことはきっちりこなすタイプで、成績も上位のほうでした。親御さんの気持ちとしては、そのA君の変容ぶりに驚き、焦りや不安を感じてしまうのも当然だと思います。
本人も、「やらないといけないと思うけどできないんです。周りと比べてどんどん遅れていっているのも分かってるのに。」と話してくれました。
そこでまずカウンセリングでは、A君と一緒に、どうして分かっていてもできないのかについて、考えていきました。しかし、A君は「なんとなくやる気が起きないから」と言い、明確な答えというのはないようでした。
そこで私とA君は、少し問題を見る視点をづらしてみることにしました。
逆に、「A君が不登校になる前、勉強をこれほどに頑張れていた理由はなんだったのだろう?」と考えてみたのです。
目標設定という観点からA君の状態を見てみると??
すると、A君は
- 「宿題は提出物を出すという目標があったから」
- 「テスト勉強はテストで○○点以上取るという目標があったから」
と勉強を頑張れていた理由を答えてくれました。学校に行っていたとき、設定していた目標は当時のA君にとっては、努力したら辿りつく自信のある目標だったのですね。
しかしA君は、不登校期間が長くなるにつれ、だんだん自分と周りとの差がついてきていると感じ、かなり不安に思うようになりました。
そうすると無意識的に勉強の目標が「みんなのレベルに追いつくこと」になっていることが分かりました。
この目標は、A君にとって簡単に手が届きそうになく、辿りつくために相当な努力が必要と感じられるものでした。すなわち、設定した目標にむかって努力しても、辿りつく自信がない状態と言えます。
目標は高いほうがいい!これは本当なのでしょうか?
成果を出すためには「高い目標を持とう!」とか、「目標は高ければ高いほうがいい!」と言われることがよくありますが、自身にとって明らかに高すぎる目標と感じられるとき、それに向けた行動ができなくなってしまうこともあります。
届きそうな目標だから行動できる、そういった状況もあるのですね。
A君は「勉強はみんなに追いつくためにする」という目標を手放し、
- 「自分の好きな勉強を自分のためにしてみる」という意識に変える。
- 「ここまでしたら自分にご褒美をする」と小さい目標を設定。
こうすることで、自然と机に向かうことが増えていったのです。
最後に・・・
子どもは適切な目標設定ができているでしょうか。
勉強やそれ以外のことでもなかなか行動できないと思っていることがある場合、自分のなかでの目標設定が適切でない場合があります。
カウンセラーと一緒に適切な目標はどんなものか考えてみるのもいいかもしれませんね。
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