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家庭で出来る不登校の子どもへの関わり方〜気付きの重要性とは?〜

こんにちは。不登校支援センター横浜支部の庄子大貴(しょうじだいき)です。

最近の異常気象、本当に凄いですね。北海道の地震や全国各地においての台風被害に合われた方々に深くお見舞い申し上げます。そして、一日も早い復興を願っております。

さて、新学期に入り2ヶ月目に差し掛かる現在、皆さん如何お過ごしでしょうか?親御さんにとっては不登校の長期化が心配になったり親御さん自身が行かないことに対してストレスを抱えたりしている頃かもしれませんね。

今回は一つのドラマを通して、ご家庭でも出来るカウンセリングについてお話したいと思います。

不登校の子どもとその母親の葛藤を描いているドラマ

9月1日(土)にNHKのBSプレミアムで放送された「学校へ行けなかった私が『あの花』『ここさけ』を書くまで」という番組をご存知でしょうか?

  • あの花(=『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』)
  • ここさけ(=『心が叫びたがってるんだ。』)

を私自身も観た事があり、「どんな人がこの脚本を書いたのだろう?」と興味を抱き、このNHKの番組を観る事にしました。

タイトル通り、この2つの物語を書いた脚本家の女性(役名:坂田安喜子氏)は不登校経験者でした。小学校・中学校・高校と不登校を経験し、外の世界に憧れを抱くもその一歩を踏み出せずに居たようです。

安喜子の両親は離婚しており、母親の女手一つで育てられてきました。安喜子の母親は、彼女が学校に行き渋り出したときは無理やり行かせようと葛藤するも行かず。母親なりに考え、クリスマス会を友達とその親を呼んで開催するも、安喜子を苛めていた子までを招待してしまい、知らぬ間に娘を傷つける形で終わってしまいました。そんな母親の行為を無駄にしないように安喜子も学校へ行こうとしますが、行くことは出来ません。中学校も殆ど行くことができませんでしたが、受け入れてくれる高校が見つかり、無事高校へ入学することが出来ました。

無事に高校へ入学をし、新しい環境で心機一転!高校からは伸び伸びと登校でっきる!と思ったはずが・・・

安喜子は半年で高校へも行かなくなり、母親もそんな娘の状態にお手上げとなります。朝に掃除機をガンガン掛けて娘を起そうとすることが精一杯となり、次第に母親のストレスは膨れ上がり、家の外に居場所をつくるようになります。そんな母親の状態にも安喜子は特に言わず、毎日ゲーム・読書・ご飯・寝るの繰り返し。

そんな生活の中で、娘が一冊の本の中から「まさに私はこれだ!」と見つけた「消日」という言葉があります。それは、「たいしたこともせずその日を過ごすこと」という意味の言葉でした。この場面が娘の“気付き”へと繋がります。

しかし母親からしてみると、娘は外の世界に憧れを抱くだけで、変わろうとしない。毎日、毎日同じ生活の繰り返し。ストレスが頂点に達した母親は「これだけあなたの為に手を掛けてるのに、どうして何もしようとしないの!」「あんたなんて産まなければ良かった!」という気持ちを安喜子にぶつけます。実際、子どもがずっと行かないことでこの様な感情を抱いた方もいらっしゃるかもしれませんよね。子どもが変わらないと口も出したくなりますし、息も詰まるのは当然のことではないでしょうか。

さらに、安喜子の家庭には祖父も居るのですが「学校は行かないと行けないよ」と優しく言う程度でした。母親自身を助けてくれる人も居ないので、「どうして良いか分からない!」と母親は悩みました。しかし解決方法が分からなかったので現実逃避を選択するしかなかったのですね。だからこそ誰か外へ連れてってくれる人に頼るしか無くなったのだと考えられます。

現実逃避は大人でもしたくなります。「外の世界」へ出るためには子ども自身の「気付き」が必要です!

そういった状況の中、安喜子の高校の先生が家庭訪問の際に、彼女に一つ選択肢を与えたのです。

「中学の時、作文で賞を取ったろ?俺に作文を提出してみないか?」この言葉がきっかけで安喜子は文を書くことになり、自分自身を振り返る機会にもなりました。

「自分は何故、外の世界に出ようとしないのか?」

その様な思いを抱き、外の世界への憧れを書きながら、実は自分の周りに支えてくれる人が居たことに気付きます。「私なんかと友達で居てくれてありがとう」と思えるようになったのです。

この“気付き”を得るために、時間は掛かりましたが色々な人の助けがありました。その上で、母親も次第に安喜子のことを認められるようになっていったことも要因としてあります。

「家族だけ・私だけで解決しよう!」と思うことは不登校解決に繋がりません。時には人に頼ることも大切なのです。

高校を無事に卒業!進学し、就職という「外の世界」に出るも“根本が変わらない”ことに悩み続ける娘

そして安喜子は高校卒業を無事に果たし、東京の専門学校に入学する決意をします。新しい世界はとてもキラキラしていて、毎日が刺激に溢れたものでした。しかし、時間が経つに連れ、刺激が足りないと嘆く日が多くなりました。専門学校卒業後は「どんな仕事も断らない」と色々なジャンルの脚本を担当しますが、「中途半端」と突き返されることもしばしば・・・。

そこでも様々な気付きを得る中で、アニメの脚本の仕事に力を入れたいと感じるようになり、実現します。

しかし、仕事で躓いたときに

  • 緊張すると爪を噛む癖
  • おどおどしてしまう癖
  • 人の評価を気にしてばかりいる

ことに気づき、「私はあのときのまま。何も変わってない」と立ち止まることがありました。

環境を何度変化しても根本的な部分を振り返らずに生きて来た安喜子。

刺激を受けることに生きがいを感じて居ましたが、刺激が無くなるとモチベーションが上がらない日々が続き、次第に「社会人を辞めて、実家に戻りたい」と感じ始めるようになります。根本的な部分が何も変わっていなかったのです。

「気付き」から自分自身を振り返り、理解することがとても大切です

安喜子は「自分は昔と何も変わっていない」と気付いたその瞬間、自分自身がどういう人間か本質的に悟ることが出来ました。その上で、自分には何が出来て、何をするべきかを考え、何の為に行動することが大切なのか?に気付くことが出来たのです。

実際、この話から不登校のカウンセラーとして「これは大切だな!」と感じたことがありました。

それは「子どもにどう気付かせるか?子どもがどう気付くか?」です。

これは教えることで成立はしません。子どもの為に助けてあげたいと思うのは親心があれば当然のことですよね。しかし、子ども自身が気付くためには、「どの様に考えさせて気付かせるか?」という関わり方がポイントとなります。

大切なのは、子どもの話を聴いた上で“教えること”では無く、子ども自身に考えさせて“気付かせる”ことです。

私達、不登校支援センターのカウンセリングは「子ども自身がどう気付いて行くか?」に特化したカウンセリングを行っています。子どもに気付いてもらう方法も子ども一人ひとりで違います。その為には子ども自信を私達カウンセラーが知らなければなりません。

まずはカウンセラーに、子どものことを話してみませんか?

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