不登校解決現場レポート

【事例】学校を休んでいる理由を言わない子どものタイプの見分け方とは?

こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。

不登校のご相談などをお受けしている際、よく耳にするのが「子どもに理由を聞いても言わないんです」というお話です。先生や親、周りの人たちはなんとかしてあげたいと思っているものの、本人が理由を言わないので手を出せない。そんなことがあるようです。

本日はそのことについて書いてみたいと思います。

理由を言わない子どもの、2つのタイプ

理由を言わない子には大きくわけて2つのパターンがあります。

①学校を休んでいることに罪悪感を持っており、自分を責めているようなタイプ

このタイプの子は

  • 心配をかけたくない。
  • 親に申し訳ない気持ちになって言えない。
  • 自分の問題だから言って迷惑をかけたくない。
  • 自分のせいで親を困らせたくない。
  • 自分でも理由がわからないから言えない。

など苦しみながらも人に気を使って言わないことが多いようです。

理由を言っても意味がないと諦めているようなタイプ

このタイプの子は

  • 理由を言っても頑張れとしか言われなかった。
  • どうせ言ったところで解決しない。
  • 嘘とか仮病だとか言われるだけだ。
  • 言ったら怒られるだけだろう。
  • こっちの話なんてきっと聞いてもらえない。

などの、言っても意味が無いという思考になっていることが多いようです。

「休む理由を言わない」という行動自体は同じですが、内面ではまったく違いますね。

当然、どちらのタイプにも違った対応が必要なのですが、子どもがどちらのタイプか分かるでしょうか?もちろんこの2つのタイプだけというわけではありませんのでそこも注意が必要です。

子どものタイプを、どうやって見極めていくのか

人間は過去の行動や言葉の中に沢山のヒントが隠されています。本人との会話の中でどんな反応があったのか、それによって可能性が模索できます。

例えば、日常会話の中で「今日の夕食何がいい?」と聞いたときに、子どもから「なんでもいいよ」と答えが返ってきたとします。

この子どもからの答えは、

  • 「わがままを言って困らせたくないな」という感情なのか?
  • 「どうせ言っても希望は叶わない」と言った感情なのか?

とても身近な話ではありますが、思考の癖や物事の捉え方のヒントになります。

またその際の対応で子ども達に「やっぱりこうなった・・・」と思わせたり「え、こうなるの?」と驚かせたり変化を出せます。いきなり大きな決断を迫っても中々進めないことが多いですので、まずは些細な日常会話の中に気付きや発見を与えてあげたいですね。

例えば過去にこんな子がいました。

N君は約4ヶ月ほど学校を休んでおり、その理由を親御さんが聞いても答えてくれませんでした。

家にいる間はご飯も食べるしTVも見る、ごく普通の生活をしています。しかし朝になると布団から起きてこず、どんな声をかけても黙って布団にくるまったまま。親御さんとしては「学校を休むのはなぜなのか理由が知りたい・・・」といった状況でした。

幸い私はN君とお話できる機会がありましたが、もちろん最初からその本質には触れられません。N君との関係を作りながら少しずつ話を聞いていきました。過程はかなり省きますが、結局N君が親御さんに理由を話さなかったのは「理由なんてないから」でした。

この答えを聞いて、皆さんはどう思われるでしょうか?なんだそれ、と感じられた方もいるかもしれません。

しかし大切なのはN君自身が自分の口で「理由なんてない」と言ってくれたことです。

N君はほんとは理由なんてなく休んでいるのに、それを「なぜなのか?」と聞かれ続けていたわけですね。どんな心境になるか想像できるでしょうか。

今はN君も普通に学校へ通っていますが、その当時は本心を話せる相手は私だけという状況でした。良い状態でなかったのは間違いないでしょう。無理に話をさせようというはリスクがあるので注意が必要なのですね。

最後に・・・

とはいえ、理由を言ってくれなければ支援のしようもない、と悩みますよね。

だからこそ、「どうしたら言ってくれるようになるのかな」を考えたいと思います。

1人1人違った思考や思いがありますので、それぞれにあった対応をして変化のきっかけにして貰えたら嬉しいです。

もし子どもへの関わり方において、どうしようかと悩まれることがありましたらご相談ください。一緒に考えていきましょう。

それではまた。

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