目標が高い子どもとの関わり方〜自己肯定感をさげない為に〜
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
最近外に出ても、涼しく感じる気温となってきましたが、皆さま体調などは崩されていませんでしょうか?
さっそくですが、当センターへお越しになる親御さんがよくおっしゃることの1つを紹介したいと思います。
「うちの子、目標が高いんです・・・」という相談
この言葉を聞いて、皆さんどう思われましたか?
- 親から見ればもう十分なのに、子どもは満足していないことが多い
- そうそう、完璧主義で真面目なのに、なんで不登校なのか分からない・・・
- 目標は高いけど、いつも口だけで行動では全然なのよね
など、色々感想をもたれるかと思います。
不登校になる子どもの特徴として
- 「真面目」
- 「頑張り屋さん」
- 「完璧主義」
などが挙げられます。
「真面目」「頑張り屋さん」「完璧主義」な子どもというのは、目標設定を高く立てる傾向があります。
また、その目標設定が高すぎる場合・・・
- 少しでもつまずいてしまうと、これ以上自分が傷つかないようにすべてを放り出してしまう
- 目標へ向かう途中で息切れしてしまい、早々に手を引いて諦めてしまう
といった、途中で放り出したり、諦めたりといった状態になってしまう子どもも、中にはいるのです。
ではここで、目標設定を仮に「山」に例えるとしましょう。
頑張り屋さんの子どもは、この山を富士山などの高い山に設定しがちです。いきなり高い山に登れといわれても、経験がない人にとっては過酷ですし、途中で諦めて早々に手を引いてしまうのもわかりますよね。
山を高く設定してしまう子どもには、どのようなアプローチが必要となってくるでしょうか。
①山を分ける
たとえば山が高くする子どもの場合、「学校の宿題を終わらせて、塾の集中講座にも行って、塾の課題を終わらせて、テスト勉強しなくちゃいけない!」というように、色々な目標をまとめて1つの山に設定しがちになります。色々な目標がはいってくるのですから、当然山も高くなってしまいます。この考え方はかなり危険だと私は思います。
なぜなら・・・
山登りの中でも数キロメートル地点における「宿題を終わらせる」という通過点をクリアできない場合、その時点で子どもは「やっぱり自分は出来ない子なんだ・・・」と思い、自己肯定感を下げてしまう。
↓
これ以上、自己肯定感を下げないために、山を登ることを諦めてしまう。
↓
そうすると、あとに出てくる「塾の集中講座にいくこと」「塾の課題を終わらせること」なども必然的にやらなくなってしまう。
いろいろな目標をひとまとめにして考えてしまうと、このような流れに陥ってしまう危険性があるのですね。
そこで、山を分けます。
- 「宿題を終わらせること」
- 「塾の集中講座へいくこと」
- 「塾の課題を終わらせること」
- 「テスト勉強をすること」
の4つに分けます。山を分けることによって、もし、1つ目の宿題を終わらせることが達成できない場合、そこで諦めるのではなく、「じゃあ、違う山を登ってみよう」という考えになるからです。
他の選択肢を考えさせるためにも、山を分ける=目標を分けて設定するということは、とても重要だと思います。
②1つの山をさらに分割する
先ほどの例で言いますと、「宿題を終わらせる」という山を
- 「宿題を2ページ終わらせる」
- 「30分だけ勉強をする」
- 「1教科だけ終わらせる」
・・・など、細かく分けていきます。
細かく分けることで、最終的に宿題を終わらせることができなくても、振り返ると、確実に複数の山を越えてきたことになります。
1つ1つのハードルを下げる、ということは本人にとっても「せめてここまでは頑張ってみよう」というモチベーションの維持にも繋がります。また、もし目標が達成されなくても、確実に乗り越えてきた山があるので「口だけ」にはならなくなります。
山を細かく分けて段階をひとつずつ進んでいくことで、自分自身を不要に「できなかった子」と責めなくても済むのです。
③山を1つでもクリアできたときに第三者が認めるということをする
どんなに小さい山を1つでもクリアできた場合、それは「できたこと」として認めていきます。
子どもの頑張りを第三者が認めていくことは、
- 自己肯定感や達成感
- 自信
- 次へのモチベーション
といった、子ども自身の成長へと繋がります。
たとえ、結果的にうまくいかなくても、そこまでの過程で越えてきた山を認めてあげることで、子どもが自分自身を責めたり、傷つけたりすることなく、次のステップへ進むことができます。また、努力を認めてもらえることによって、自分から行動を起こそうという気持ちも奮い立たせることができます。
高い目標をたてる子どもへのアプローチを、一緒におこなっていきましょう
以上のような関わりを通じて、目標設定の高い子どもにアプローチをしていきます。
「自分の子どもにも当てはまる・・・」と少しでも感じた親御さんは是非一度不登校支援センターへ相談にお越しくださいね。
子どもの設定する山(目標)をカウンセラーとともに探し、山を分けるなどの作業を一緒にしてみませんか。
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