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不登校の子どもへの接し方で有効な技法『傾聴』とは?

皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。

夏休みも明けて、新学期が始まりましたね。

学校に行かないという行動を取り始めた子どもたちや、学校に対して心が離れ始めている子どもたちの中には、周りの大人にとって意図がわからないような言動が出始める子もいます。

私は、不登校支援センターで幅広い年代の子どもたちや、そのご家族のカウンセリングを始めとする支援を行ってきました。その中で、ひとつ気になることがあります。

それは、「言語でのコミュニケーションを拒絶するような反応を示す子どものご家庭ほど、ご家族がまとまることが早いような気がする」ということです。

今回はこの現象を踏まえて、子どもの意図や思いがわからないときの接し方のコツについてお話ししていきたいと思います。

不登校の子どもへの接し方で有効な技法『傾聴』について

私がカウンセリングにおいて、ほとんどの親御様にお伝えしているのが、『傾聴』という子どもの思いを聴く技法についてです。

『傾聴』は聴き方についての本等にもたくさん出てくるワードですよね。職場でのコミュニケーションの技術としても有効とされているため、様々な書籍やインターネットの記事にもされています。興味のある方は、検索して参考にしていただけたらと思います。

さて、この『傾聴』ですが、ほとんどの親御様が難しく感じているようです。

私も学校で心理学を学習しているときに、『傾聴』について、最初は上辺だけの理解しかできておらず、実践してみてもなかなか手応えを感じることができていませんでした。難しく感じる理由も人によって様々ですが、どのようにしたら不登校支援センターにお越しになる親御様に「『傾聴』をわかりやすく伝えられるか?」ということを私は日々考えておりました。

そこでひとつ思いついた例えがありますので、ご紹介をさせていただきたいと思います。

子どもが赤ちゃんだったときのことを思い出してみましょう!

ほとんどの親御様が、子どもが赤ちゃんのときから一生懸命に育てられてきたと思います。

そんな赤ちゃんが泣き出したとき、皆さんはどのように対応していましたでしょうか?

  • 「お腹空いたのかな?」
  • 「どこか痛いのかな?」
  • 「眠いのかな?」
  • 「おむつ替えて欲しいのかな?」
  • 「寂しいのかな?」

などなど、まずは赤ちゃんが泣き出した理由を想像してみると思います。そして、その想像した要因を解決するための行動をとってみると思います。

  • ミルクをあげたり
  • おむつを替えてみたり
  • 身体をさすってみたり
  • あやしてみたり
  • 絵本を読んであげたり・・・等

そして、行動に対する子どもの反応から落ち着くかどうかを見て、接し方の判断していたのではないでしょうか。

不登校の子どもへの接し方で有効な技法『傾聴』のコツとは…?

赤ちゃんに「静かにしなさい!なんで静かにしてって言っているのがわからないの!」などと本気で思う人はあまりいないと思います。(つい言ってしまうことはたくさんあるとは思いますが)

私も以前、子どもが生まれたときに育児休暇を2ヶ月ほどいただき、育児を兼ねた主夫生活をやっていたことがあります。そのときに、言語での意志の疎通が図れない子どもとのコミュニケーションはとても難しく感じていました。それでも、子どもの気持ちが理解できたと思えたときや、正解の振る舞いができたときに喜ぶ子どもの顔をみたときには、とても嬉しい気持ちになっていたことをよく覚えています。

ほとんどの親御様については、その時期を経験し、これまで子どもを育てあげられたのではないでしょうか。

傾聴的接し方とは、この赤ちゃんとの接し方にとてもよく似ています。

赤ちゃんを育てるときは、赤ちゃんの様子から、「何を欲しているのか?」をとにかく理解しようと一生懸命に接していくと思います。

そして子どもが成長し、言葉でのコミュニケーションができるようになると、

「この子は何を求めているのだろうか?」

という、接し方から、

「どうやったらわかってもらえるのだろうか?」

という接し方に変わっていっている方も少なくないかもしれませんね。

振る舞いや反応から子どもの感情を読み取るという接し方

さて、ここで冒頭で述べた「言語でのコミュニケーションを拒絶するような反応を示す子どものご家庭ほど、ご家族がまとまることが早いような気がする」のはなぜでしょうか?

これは、子どもが言語でのコミュニケーションを拒絶するため、振る舞いと反応から子どもの感情を読み取ることしかできなくなってしまい、「この子は何を求めているのだろうか?」という接し方にならざるを得なくなっているからだと考えました。

親御様は子どもの気持ちを知るために、自然と傾聴的接し方ができるようになっていくのですね。そうすることで、子どもと親御様は、お互いの思いが理解し合えるようになり、落ち着いていくのではないでしょうか。(ただし、カウンセラーの支援があることを前提に、親子の関係性が落ちつくということなので、これだけで学校に行けるようになるとは限らないので注意が必要です)

子どもの意図や想いを分かろうとするために、言葉にこだわり過ぎてしまうと、言葉を理解し、正そうとする意識が働きやすくなってしまいます。

最後に・・・

傾聴的接し方とは、相手の思いを理解しようとする接し方です。

自分(親御様)の言動に対して子どもがどのように反応するのか。その反応から、相手(子ども)は何を求めているのかを理解していく・・・

この過程を、相手(子ども)が安心するまで繰り返し行うことなんですね。

今回は、読みやすく(わかりやすく)感じる方が限定されるような記事になってしまいましたが、もし傾聴の技法に興味があり、実践を難しいと感じていたり、手応えを感じていない方は「赤ちゃんとの接し方」を思い浮かべてみてください。

『赤ちゃんとの接し方』が難しいと感じる場合や、傾聴的接し方についてもっと詳しく知りたいという方は、是非不登校支援センターにご相談くださいね。

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