不登校専門カウンセラーが伝える「不登校の基礎知識」とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
9月も半ばを迎えましたが子どもの様子はいかがでしょうか。
このブログをお読みになっている方の中には、2学期から子どもが突然学校を休むようになり、親御さん自身もこれからのことをとても心配されている方もいらっしゃるかもしれません。
本日は、不登校というテーマをどう受け止めたらいいのかについて、少しお話させていただけたらと思います。
不登校の子は弱い?不登校は悪い?
以前、ある小学校の先生と不登校支援の連携についてお話させていただいているときに、こんな話が出ました。
「いろんな価値観、性格の子たち30~40人を1つのクラスという空間で皆一緒に、同じ方法で教えるという仕組み自体がそもそも無理が出てきているのだと思います」
「だから、登校できている子は強くて、不登校になった子は弱いということではないと私も思っています。その子が強い、弱いということではなく、その学校の環境にすぐに馴染める場合とそうでない場合もあるのかなと」
「ただ、馴染めずに休んでいる子に対する支援の手は圧倒的に足りていないです」
昔よりも、様々な価値観がある今の時代において、皆一緒に、同じ方法で教育をすること自体がそもそも難しいのではないかという思いを、現場の先生も感じておられるのだと感じました。
この会話から数年が経ち、今では文科省からも
- 「不登校には多様な要因、背景があり、結果として不登校状態になっているということであって、問題行動と判断してはならないこと」
- 「不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭することが、児童生徒の社会的自立のためにも重要であること」
という旨の通知が小学校、中学校、高校、すべての学校に出されています。
不登校は、子どもだけがストレスを抱えている訳ではありません
不登校支援センターに相談に来ている子どもたちは大きなストレスを抱えていることが多く、親御さんも「自分の子育てが間違っていたのではないか」と自分自身を責めている方も多くいます。
私自身も、中学のときに不登校だった時期がありました。もちろん、私自身もストレスを抱えていましたが、私の家族もご近所同士の世間話で居心地が悪かったようです。
「航大が学校行ってないから、ご近所さんとも話しづらいわ」ということも話しており、周囲の人と関わっていくストレスを家族は抱えていたのだとと思います。
ですので、こうした不登校というテーマに対する、周囲、社会の理解を進めようという動きは、子ども自身、またご家族が心に少しでも余裕をもって前に進むためにもとても大切なことだと感じています。
不登校になることは弱いわけでもなく、誰かが悪いわけでもない。
不登校支援センターへ相談に来ている子は、その子自身が弱いから学校に行けないのではないのです。
例えば・・・
- 「相手のことを思いやる優しさ」
- 「最後まで手を抜かずに取り組もうとする一生懸命さ」等
ちゃんと子どもたちは良いところ、長所をそれぞれが持っています。しかし、残念ながらそのせっかくの良いところを見失っていたり、自分では認められなかったり・・・と自信を失い、本来の自分らしさを発揮できていないことが多いように感じています。
子どものできていないところを探して、それを直していくというよりも、「すでに持っている子どもの良いところを再発見していき、自信を取り戻すこと」が一歩踏み出すことにつながっていきます。
「あのときこうしていれば・・・」「あのときこうしなければ・・・」ではなく、
「今から、どうしたらいいのだろうか」
と、これから出来ることについてまずはカウンセラーと一緒に一緒に考えてみませんか?
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