不登校の子どもに過保護が危険な理由とは?〜タイミングの考え方〜
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
やってあげたいけど、駄目だと言われてしまって・・・
先日、面談にて
「子どもの為を思って色々してあげているのですが、病院の先生にそれは駄目だと指摘されてしまって・・・。ただ、不登校の現状、何もしないのはどうだろうという悩みがあるんです」
といった悩みを打ち明けてくださった親御さんがいらっしゃいました。
このお悩みをお持ちの親御さんはとても多くいらっしゃいますし、お話も多くお聞きします。
子どもに対して何もしないわけにはいかない・・・でも、専門家に駄目出しをされてしまう。
この葛藤は中々解決されず、子どもへの善意でやっていた親御さんとしては、専門家から「過保護」等と批判的に指摘をされてしまうことが、大きなストレスになってしまいますよね。
ただ、親御さんの「どうにかしてあげたい」というお気持ちは持ち続けていただきたいですし、その気持ちを良い方向に結びつけたい!と思って、今回はお話をさせていただきます。
ここで一つの場面をイメージして下さい。
『とある湖の前にお腹を空かせた人が立っています。湖には魚が沢山居て、その人は釣竿を持っています。ただ、使い方が分からず、魚を釣ることが出来ません。そんな人にあなたならどのように接しますか?』
- A.魚を釣ってあげる
- B.釣竿の使い方を教える
皆さんはどちらを選ばれるでしょうか?
それでは、2つの答えのメリット・デメリットをお話します。
【Aを選んだ方】
- メリットは、空腹の人を助けられる、また、釣った方が早くその場を済ませられる。
- デメリットとしては、その人が空腹になるたび魚を釣ってあげなくてはいけない。
【Bを選んだ方】
- メリットは、その人が釣り方を覚えれば、それ以上心配する必要はない。
- デメリットとしては、釣り方を覚えるまで辛抱強くサポートする必要がある。
皆さんはいかがでしたでしょうか?
子育てにおいて、「やってあげる」内容やタイミングが重要
上記のお話で何をお伝えしたかったかと言いますと・・・
やってあげることがいけないのではなく、やってあげる内容やタイミングが重要
ということです。
【Aの魚を釣ってあげることを選んだ場合】
その人の空腹を一時的に満たすことは出来ますが、その人の側に居てずっと代わりに魚を釣ってあげないといけなくなってしまいますし、その人も他の人がやってくれることに当然と甘えてしまいます。
よく、「うちの子は言わないとやらない」と言われる親御さんがいらっしゃいますが、その子は魚を釣ってもらう人のように、親御さんから言われることに自然と甘えてしまっている可能性があります。
要するに、親御さんが先回りをしてしまうと、手を放すことが出来ず、本人の自立が遠のいてしまうということに繋がってしまうのですね。
【Bの釣竿の使い方を教えることを選んだ場合】
その人自身が魚を釣ることができるまで辛抱してサポートすることに徹すれば、自然と手を放すことが出来ますよね。
例えば、子どもが小さいときのトイレトレーニングなどを思い返してみてください。大きくなって、毎回親御さんが一緒にトイレにいく必要は無くなったのではないでしょうか。
ですので、子どもが自分で出来るようになったことは、それまでに親御さんがしっかりサポートをできていた証でもあるのです。
要するに、子育ての場面に置いては、サポートに回るほうが後々を考えても大切なことになります。
サポートする周りの方々は自転車の補助輪の立場で
そもそも、サポート(支援)とはどのようなことか?と聴かれることがあります。
その時によく使う例えが「自転車の補助輪のようなことですね」とお伝えします。
自転車の補助輪は
決して本人より前に出ることはなく、かつ、使うかどうかも本人が決めるもの
ですよね。
これから成長をして行く子どもにとって、
- 近くにいる大人がどのような補助輪であると良いのか
- 子どもからサポートしてもらいたいと思われるようにするにはどうしたら良いのか
こういったことを先ずは考え、適切な支援ができるようにしていきましょう。
カウンセラーと一緒にどのようなサポート内容が子どもにとって適切なのかを、一緒に考え実践してみませんか?
ご相談お待ちしております。
関連ワード: カウンセリング , サポート , 不登校 , 不登校 自立 , 不登校 過保護 , 不登校支援センター東京支部 , 周囲がしてあげられること , 善意 , 子どもの自立 , 子どもへの適切な接し方 , 支援方針 , 甘えた , 自己決定 , 自立 , 親子間のコミュニケーション , 親子関係 , 言わないとやらない , 過保護 , 過干渉 , 適切な支援