「不登校」を自分軸・他人軸という目線で考える~中学3年生Bさんの事例②~
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
9月に入っても日中は蒸し暑い気候が続いておりますが、皆さん体調はお変わりないでしょうか。
私は恥ずかしながら、気管支炎になりかけました。その際は皆さまにもご迷惑とご心配をおかけしてしまい、心よりお詫び申し上げます。話す事がメインのお仕事で、これは大変なストレスでした。そして年々、体調不良が治りにくくなっているのも、どうやら気のせいでは無い様です。。。涙
皆さんもくれぐれもクーラーと扇風機のつけっぱなしにはご注意くださいね。
さて、前置きが長くなってしまいましたが(笑)
前回、中学3年生のBさんがどんな経緯で不登校支援センターに来られたのかをお伝えしましたね。
前回ブログはこちら↓↓
「不登校」を自分軸・他人軸という目線で考える~中学3年生Bさんの事例①~
今回は、Bさんが具体的にどんな事をストレスに感じていたのかについてお伝えしていきたいと思います。
Bさんの「ストレスの素」は大きく分けて2つでした。
1つ目は、学校から出される課題への取り組みです。
期限までにしっかりと提出したいという気持ちはあるものの、家では自分のやりたい事を優先してしまうBさん。そうしている内に期限が近づいてきて、気持ちは焦り出します。
そして勇気を出して課題に手をつけてみると、とても期限まで終わらない様な進捗具合に気付きます。
モチベーションが下がり、逃避したい気持ちも重なって、また自分がやりたい事だけを始めてしまっていました。ですが、「課題をやらなきゃ本当に終わらない、でも今からやっても終わりそうにない。どうしよう・・・」という罪悪感を抱えたまま、好きな事をやっていても全然楽しめない状態だったそうです。
そんな負のスパイラルに陥り、Bさん自身でもどうして良いのか分からない状態になってました。
2つ目は、人間関係です。
クラスメイトと好きなアニメやキャラクターの事について話している時が楽しいと打ち明けてくれたBさん。ですが、中には話していて楽しめない時もあったそうです。
例えば、
- 上から物を言われた時
- 「あなたってこういうキャラよね」と決めつけられた時
「何でそんな言い方するんだろう」
「何で私の事なのに決めつけられるんだろう」
とモヤモヤした気持ちになったそうです。
また、Bさんは部活の部長にも任命されたことで、
- 以前の先輩はとても頼り甲斐があった。自分も先輩の様に振る舞わなくては!
- 他の部員から「部長、しっかりしてくださいよ~」と言われない様にしなくては!
というプレッシャーも感じていると話してくれました。
まずは子ども自身で決めた優先順位を尊重しましょう
Bさんとは、まずは1つ1つこなしていける様に優先順位をつけて考えてみようと話していましたが、その中で、
「自分で決めたい優先順位」と「周りから求められているであろう優先順位」
との狭間で葛藤している事に気づきました。
なので、「自分で決めたい優先順位」を尊重していいんだよ、と容認する事をカウンセラーと親御さんとで意識していきました。
親御さんには
指示をする (これしておいて)
提案する (もっとこうしたら)
命令する (こうしなさい)
条件を出す (これをしたら、あれしてあげる)
おどす (これ出来なかったら、××だよ)
以上の事を減らす様、心掛けてもらいました。そうする事で、Bさんが自分の考えを尊重する機会を増やしました。
Bさんの考えを尊重したことで変化が起こりました
夏休みが有効だったのは、Bさんが
「学校を休んでいるのに、自分のやりたいことを優先させるなんてとんでもない」
という意識が薄れることや、親御さんが
「学校に行かせるため」
という対症療法のみに意識が向かなくなったからです。
カウンセリングの中で、自分の考え・意見を話してくれる様になったBさんは、家族に対しても「自分はこう考えている」と発信する事が増えました。
夏休みの期間中に、自分の主張が増えてきたBさん。
次回は、夏休み明けのBさんはどんな様子だったのかについて、お伝えしたいと思います。
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