子どもの「引きこもり」とは?~その目的と対応について~②
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の安則芳郎です。
前回のブログでは、子どもが「引きこもり」傾向にある場合、まず考えるべきことやその心理状態について触れていきました。
>>>前回の記事はこちら「子どもの「引きこもり」とは?~その目的と対応について~①」<<<
本日は親御さんや周囲の人たちに出来ることを、一例という形でお伝えしていきます。
引きこもることで達成出来ることとは?
子どもにとって、ありきたりな学校生活を送っているより、家にいて引きこもっていた方が
- 家族や知り合いからは心配してもらえる
- どこか気にかけてもらえる
- 「ちょっとはやる事やりなさい!」と叱ってもらえる(何も言われないよりはマシと考えている)
という思いがあったとしたら、前回のブログでもお伝えしたように、その子どもの行動の目的は「注目されたい」というものである可能性が高いと言えます。
子どもが家や部屋にこもっていることについて周囲が注目すればするほど、その子どもは目的を果たし続けるためその行動(引きこもる)をとり続ける可能性があるということですね。
あえて「引きこもりという行動」に注目しないという選択
ですので、注目されることを目的として、引きこもりという行動をしている子どもに対しては「引きこもっていることにはあえて注目しない」というのも対応方法の一つと考えられます。
つまり、
- 心配な表情をみせず、親御さんは親御さんのやりたい事をやる
- 「いつまでこうしているつもり?」などについて聞かない
- 食事なども特別に用意してあげたりすることはせず、他の家族と同様に接する
などが対応方法の一例となります。
このような対応を図ることによって、
- 子どもが部屋から出てくることが多くなった
- ポジティブな発言が増えてきた
- 実際に家から出るようになった 等
子どもに変化がうまれた例をいくつもお聞きします。何故このようなことが起きるかというと、引きこもることで心配されたり、気にかけてもらえたり、特別扱いされたりすることがなくなることによって、何か別の方法で注目を得ようとするように行動(表現方法)がシフトしていくからです。
さらに大切なことは・・・
子どもが引きこもることで注目されたいと思っている場合、その行動にあえて注目を与えないだけでなく、「適切な表現や行動を取ったときにこそ注目を与えてあげる」ことが大切です。そうすることで、その子の適切な行動が増えてくるということが考えられます。
つまり先ほどあげたような
- 部屋から出てくるようになった
- ポジティブな発言が増えてきた
- 実際に家から出た 等
こういった発言や行動に関心をむけてあげることで、その子の適切な行動の強化が図られるということです。
親御さんには是非、子どもが適切な行動を取ることが出来るようなガイド役になっていただければと思います。
最後に
今回は引きこもり傾向にある子どもへの対応を考えましたが、これは子どもを誘導するためのものではなく、また子どもをコントロールするために行うものでもありません。
一番大切なことはその子が引きこもるという表現ではなく、適切な表現で目的を達成しようとする能力があると信じてあげることだと思います。
また今回はあくまでも一例として引きこもり傾向にある子どもの対応方法を考えてみましたので、個別具体のケースによって対応が変わるところが出てきます。
そのため、子どもの状況によって対応は様々ですので、カウンセラーにご相談してみてくださいね。
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