問題解決には「問題を解決しようとしない」ことが必要?
こんにちは、不登校支援センター仙台支部の上原です。
突然ですが、皆さんは困ったことがあったときどのように対応していますか?
おそらく、その時々にあった解決方法があるのだと考えられます。
今回は「問題解決」をテーマにちょっと変わったお話をご紹介したいと思います。
人の問題を解決しようとすることの弊害とは?
今回のブログタイトルにある、「問題を解決しようとしないことが必要」というのはどういうことなのでしょうか。実はこれ少し説明不足なところがあります。正確には「人の問題を自分が解決しようとしない」ということなんです。周囲の人間が行うべきなのはサポートです。
問題の解決そのものを他者が行うのは、本人の成長の機会を奪ってしまうことになりかねません。
また本人とっても「誰かが解決してくれた」という経験が悪いほうに働くことがあります。
特に、
- 「ずっと黙っててなにも言わない子」
- 「不満だけを言い続けて何もしない子」
上記のようなタイプの子どもは
「困ったことがあったら黙ってうつむいていれば、自分が頑張らなくても誰かが解決してくれる・・・」
といった思考をもちやすい可能性があり、このような思考をもったままでいると、子どもが将来的に苦労することになってしまう恐れがあります。
さらに言うと、周囲が必死に解決しようとしていると、子ども達が勘違いしてしまうことがあります。
「これは自分が解決する問題ではない」という根本的な間違いです。
周りが懸命に動いていることで自分が動く必要のない事と誤認してしまうときがあるんですね。
このように誤認してしまった場合、子どもは学校や将来の話をしてもどこか他人事のように聞いており、反応も薄いことが多いです。
「自分の人生についてのことなんだ」と理解してもらうのは大切なことですよね。
不登校支援においては「本人がどんな手助けを望むか」が重要です
どこまで手助けすればいいのか、口を出すべきなのか。特に親御さんや先生は、不登校の子どもたちに対して悩むところだと思います。しかしそれは、状況や子ども本人の性格などによっても違ってくるものですよね。
どうしても本人だけでは解決できない部分も当然あると思います。私たち周りの人間が手を貸すのはその部分であり、なおかつ「本人に望まれて」それを行うのが理想です。
「困っていそうだから」と勝手に考えて手を出すのはあまり良い方法とは思えません。
いじめやDV、虐待などは除きますが、基本的に不登校は本人が乗り越えていく部分が大きいです。もちろん、だから放っておけ、ということではありません。大切なのは「本人がどんな手助けを望むのか」ということです。これはその時々によって変わってくるでしょう。
- 放っておいて欲しい
- 話を聞いて欲しい
- 具体策を一緒に考えて欲しい
- どんな可能性があるのか教えて欲しい
- 一緒に遊んで欲しい
- 愚痴を聞いて欲しい
- 怒りをぶつけさせて欲しい 等
色々な可能性があります。
本人の状態を見ながら、適切な対応をすることが理想です。
子どもの顔色を伺いすぎる必要はありません
ただ上記のような「本人の状態を見ながら、適切な対応をすること」を気にしすぎると「言いたいことも言えない」といった状態になりかねません。
不登校であっても「ダメなものはダメ」ですし、何でも言うことを聴けばいいわけではないです。
例えば「不登校であること」と、「おこずかいを増やして欲しい」という主張は関係ないことですよね。でもここでその要求を断ったら、もっと状態が悪化してしまうのではという不安。もしかしたら状態が良くなるかもという期待。それらもあって望みを叶えてあげてしまう方もいらっしゃいます。これはあまり良いこととはいえません。もちろん断るにしても頭ごなしにダメだというのではなく、伝え方に工夫するほうが良いとは思います。ですが基本的には学校のこと以外は別の問題として切り分けて対応するほうがうまく行きやすいです。
最後に・・・
子どもへの接し方に迷われたときは担当のカウンセラーにご相談ください。当センターをはじめてご利用の方はまずは初回面談にお越しいただき、カウンセラーへお話しをお聞かせくださいね。具体的にどう接するべきなのか一緒に考えてくれるはずです。
子ども自身の力で問題を乗り越えられるようにしていきたいですね。
それではまた。
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