夏休みに考えておきたい、不登校の子どもにとっての家の「居心地」とは?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。
今日は、不登校に陥っている児童・生徒の「居心地」についてお話したいと思います。
物理的な居心地のよさと、精神的な居心地のよさ
不登校の子どもにとって、居心地のよい場所というのはイコール「物理的欲求と精神的欲求の両方が満たせる場所」ということになります。物理的に居心地が良い場所とは、ようするに「物」がある場所ということです。
シンプルに考えて、何らかの要素で学校に登校できない子は、十中八九、「家」にいると思います。急に全寮制の学校に入ったり、働き始めたりというのは少ないですよね。まず、休み始めたら「家」にいることが増えると言えるのではないでしょうか。
そうすると、今度は家の「どこが」居心地のよい場所になるのかを考えれば、それは「物」がある場所、ということになります。
子どもが何にも物を置いていない、がらんどうの部屋にポツンと一人でただ座っていて、居心地がよいと感じることはちょっと考えにくいですよね・・・そんな部屋大人だって居心地が悪いです。
ですので、居心地よく過ごせる場所には、かならず「物」があります。
問題なのは、「どんな物」があるのか?ということ。
不登校でご相談にこられた方々に、「今お子さんはどこにいて何をしていますか?」とお聞きすると、多くの方が、「自分の部屋、もしくはリビングでスマートフォンやゲームなどをしていることが多いです」とお答えになります
電子機器ではなくても、好きな本やおもちゃといった、子どもは暇をつぶせるアイテムを自分の近くにおいていることが往々にしてよくあります。ようするに、子どもは不登校という行動を取り続けようと思ったら、「物」が必要なんですね。物がないのに、一日24時間を過ごすことはなかなか困難です。
そして、なるべく居心地のよい状況下で生活するための、「自分の好きな物」を近くに集めようとします。
親御さんとしては、不登校で学校に行けない子の近くに、あまり好きな物ばかりおいて時間つぶしさせるのもいかがなものか?と思われるので、その物を取り上げたり、使い方を制限したりします。しかし、子どもは学校に行っていない間でも、1日24時間という時間軸は変わらないので、時間を持て余してしまいます。
そういったことから、不登校という行動を取っている子は物に異常に執着したりすることがあります。
物がないと、子どもにとっては一日が辛いのです。だから物に執着します。その物を取り上げようとする親御さんは、子どもにとって「敵」になってしまう場合があります。
不登校の子どもにとっての「時間つぶし」の役割
まずは上記の内容をお読みいただいて、子どもは時間をつぶして精神を保っているということをご理解頂ければと思います。
中には単純に、ゲームやパソコンが好きでやっている子も確かにいると思います。しかし、その深層心理には必ず「時間をつぶさないと、精神的にキツいんだよ・・・」という気持ちがあることを解ってあげてほしいのです。
では、「好きなだけ物を与えて、好きなだけやりたいことをさせれば良いのか?」となれば、それは違うと思います。しかし、今回はその論点ではなく、子どもの気持ちをわかってあげることを目的としてこのお話をご紹介しました。
親御さんが
- 「ただゲームやりたいだけでしょ!?」
- 「みんな頑張ってるのに、なんでうちの子は何もしないの?」
- 「好きなこと一日中できて、あなたは幸せ者ね!」
というような視点で、子どものことを見ていては、親子関係で真の心、気持ちで対話をするということはだんだん難しくなってくると思います。
子どもへの接し方に迷われたらカウンセラーにご相談ください
ですので、夏休みに入ってゲームや好きなことをして遊んでいる子どもを、今一度客観的に見ていただきたいと思います。そして、夏休み明けの新学期からは子どもにどのように接していくのがよいのかを、今から考えていく必要があります。
具体的にどのように接したらよいのか?という点についてはカウンセラーにご相談いただき、一緒に考えていきましょう。
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