不登校の実態~中学時代にいじめを受けた子ども編②~
こんにちは。不登校支援センター横浜支部の庄子大貴(しょうじだいき)です。
前回ブログでは「不登校の実態~中学時代にいじめを受けた子ども編①~」という内容でお伝えさせて頂きました。
前回ブログはこちらです↓↓
今回はA子さんがいじめを受けている間は登校出来たのに、いじめが終わった後、なぜ不登校という選択肢を選ぶことになったのか?について話を進めて行きたいと思います。
いじめを受けるA子さんが中学校に通い続ける理由
前回の話の中にもありましたがA子さんの「中学校に通う理由」を改めておさらいすると、
- 家族に心配を掛けたくない
- 中学は卒業したい
- 部活動を続けたい
- いじめをする子たちに負けたくない
- 志望校に受かりたい・・・
等が理由として挙げられました。A子さんはいじめを受けている真っ只中は「不登校になる」という選択や「家族に思いを告げて守ってもらう」などの回避行動を取らずに過ごして来ました。
いじめを受けている間は葛藤状態。行かなければならない目的がそこにはあります
普段の生活でも何かを考えながら過ごしたり、何かを作業しながら過ごしたりするとき「ストレスに対してどの様に対処しよう?」と考えることはありませんか?A子さんの場合も「いじめを解決するにはどうしたら良いの?」ではなく、「いじめに絶対に負けないためにはどうすれば良いの?」と思いながら、日々の学校生活を送っていました。
しかし、このA子さんの考え方は「1人で解決しよう」ということでもありました。
「1人で解決しよう」は不登校に陥りやすい考え方の1つです。これを回避するためには、子どもの微妙な変化を周りの大人がキャッチ出来るかがポイントでもあります。子どもの変化に気づくためには、いつもと違う見方や、視点の切り替えが重要です。
その後、突如いじめは終局に向かい、A子さんは「いじめ」という原因を取り除くことが出来ました。しかし、いじめを受けながら学校にいってる間にA子さんの中で「いじめに負けないこと」という目的が一番になってしまったことで、学校に行く理由がなくなってしまったのです。
まずは「学校に行く目的」を捉え直すことが重要です
本来なら「次の目的」を考えて行動に移ればいいのですが、
- いじめられている事実を家族に話すことがない状態で終わってしまったこと
- A子さん自身がこの先の新しい人間関係をどの様に作って行けばよいのか分からなくなってしまったこと
様々な想いが重なり、A子さんは急に心を閉ざすことになりました。そしてA子さんは家族に、「何故学校に行けないのか分からない・・・・・」と言い出し、突然それを聞いた家族は「何も原因が無いのに急に娘は学校に行けなくなった!どうしよう・・・・・」という状況になってしまったのです。
家族は受験前のA子さんの行動に焦りをみせ、
- 「何で学校に行けないの?」
- 「受験まであと少しだから頑張ろう」
- 「取り敢えず、勉強しよう。塾には行こう」
などと現状に対しての聴き出しや将来に向けての提案を積極的にしました。しかし、A子さんの「家族に心配を掛けたくない」という思いや、家族からの励ましがマイナスに働き、「家族は私のことを理解してくれない」という考え方になり、ますます学校へ行かなくなりました。
そしてその結果、中学校に戻る目的をA子さんは見つけることが出来なかった為、中学校に戻ることはありませんでした。
不登校は問題の根本にアプローチしなければ繰り返すケースもあります
中学校に戻ることができなかったA子さんですが、高校へ行きたいという思いはありました。そのため、高校の説明会に行き続けた結果、A子さんを受け入れてくれる高校を見つけることができ、A子さんの高校生活がスタートしました。A子さんにとっても家族にとっても、新しいスタート、新しい環境になり、とても晴れ晴れした気持ちの状態になったようです。
しかし、A子さんは入学から1週間後、高校への行き渋りが見られ、また不登校状態になったのです。
親御さんの中には「中学に行けなくても大丈夫!新しい環境に変われば、子どもの考え方は必ず変わって、また昔みたいに明るい笑顔を取り戻せるはず」と考える方もいらっしゃるかもしれませんよね。
しかし、たとえ環境が変わったとしても子どもの根本的な考え方に寄り添い、適切な対処をしなければ不登校は振り返す場合があるのです。
次回はそんなA子さんの高校生活についてのお話したいと思います。
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