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目標設定で重要な【適切な猶予期間と子どもの意思尊重】について

こんにちは。不登校支援センター大阪支部の佐久真です。

今回は私が、日々の不登校支援の中で感じていることについてお話をしたいと思います。

「(再)登校したい!」子どもが何らかの目標を決めた時

子どもが何らかの目標をたてたとき、親御さんとしては適切な対応をしていきたいと思われるのではないでしょうか。それが「再登校したい」という目標だった場合は尚更のことだと思います。

そこで今回は、子どもの目標設定において重要な

  • 適切な猶予期間の考え方
  • 子どもの意思を尊重すること

について詳しく取り上げていきます。

子どもの目標設定のために、考えたい5つのポイント

まず、私がカウンセリングの中で使う考えの進め方の一例を挙げたいと思います。

よく考えたい項目を優先順に挙げるとすると・・・

  1. 子どもがどのような目標を持っているのか
  2. 子どもがいつまでに目標を達成したいと思っているのか
  3. 目標達成の為に必要な猶予期間は?
  4. 目標について話し合う相手はいるのか。いるならそれは誰なのか?(親御さん以外で)
  5. 目標設定した子どもの意志を、親御さんは尊重できる心理状態にあるのか

カウンセリングの中ではこうした考え方をもって、子どもの状況を掴んで目標達成に役立てていきます。

では、実際に具体例から目標設定について考えてみましょう

  • 中学1年生男子
  • 小学6年生の3学期から不登校
  • 中学に進級後も、全く通えない状態で現在5月末

上記の設定から、子どもの目標設定について考えてみましょう。

1. 子どもは、どのような目標を持っているのか?

「同級生と同じように、毎日教室に通えるようになりたい」という目標。

2. 子どもは、いつまでに目標を達成したいと思っているのか?

⇒夏休みが終わって2学期が始まるタイミングまでに目標を達成したいと思っている。

3. 目標達成の為に必要と考えられる適切な猶予期間は?

これについては、子どもの現在の登校状況や状態によって変わります。

例えば5月時点で、

  • 全く学校との繋がりがない
  • 先生や同級生にも会わない
  • 別室登校や学校に入ることすら出来ない・・・

というような状態であれば、5月末から8月末までの6ケ月で、完全に教室登校できるのか?という不安は本人にも親御さんにもあるかと思います。

適切な猶予期間に対するキーワードは・・・

「スローステップで不登校を改善すること」です。

不登校は、一気に学校に戻ってしまうと、急激にストレスを感じ、そのストレスに耐えられずにまた再発してしまうということが非常に多いのです。そのため、スローステップを踏んで、少しずつ成功体験を積み重ねて行くべきであるというのは、一般的によく言われていることですので、ご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか?カウンセリングの中でも、よくお伝えしております。

4. 目標について話し合う相手はいるのか。いるならそれは誰なのか?(親御さん以外で)

⇒今回の場合は、カウンセラーと話し合っている設定になります。親御さんに頼らずとも、子どもが「自分で考えて決めた」という成功体験を積み重ねることが良いと思いますので、あえて親御さん以外でと書いております。

そして非常に重要なのが・・・

5. 子どもの意志を、親御さんは尊重できる心理状態にあるのか

1~3で決めた子どもの意志を、親御さんが

  • 「いや、もうちょっと早くに復帰してほしいな」
  • 「そんなことぐらい簡単にできるだろう、そんな目標ではダメだ」
  • 「自分で決めた目標であれば、それに向かうステップは着実に進めてほしい」等

焦りが影響し、親御さんがあまり心に余裕を持ちづらいような心理状態であると、なかなか子どもの目標へのスローステップを手放しで喜べないこともあるかもしれませんよね。そしてその親御さんの様子が影響して、子どもは自分がせっかく立てた目標を行動に移すことができなくなる・・・というような場合もあるのです。

親御さんがどう感じられているのかも、子どもとの関わりにおいて大切なポイントです

今回お伝えしたいことは・・・

  • 目標設定をするときには親御さんには多少なり余裕の気持ちをもって頂きたい
  • そうすることで、子どもが目標を達成するために必要な猶予期間を受け入れやすくなる

ということです。これは、「子どもに対して本音では言いたいことがあるけど、親御さんには我慢して頑張って支援をしてあげてほしい・・・」という訳ではないんです。

あくまで、その目標を決めた子どもに対する、「ご自身のお気持ちは?」というところを、カウンセラーには伝えておいて頂きたいのです。親御さんが無理をされていては、それが非言語表現(表情や言葉尻のニュアンス)に影響し出てきてしまいます。親御さんの顔色をよく伺ってしまうような性格の子どもであれば、やはり影響は少なくないのではないでしょうか。ですので、【適切な猶予期間と子どもの意思尊重】には、親御さんにも気持ちの余裕がないと難しいことでもあるんですよね。

担当カウンセラーと一緒に、親御さん自身の気持ちや感情を踏まえた、無理のない目標設定をしていきましょう。

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