「ミスコミュニケーション」とは何か?そして、それを回避する方法
こんにちは。不登校支援センター東京支部の椎名愛理です。
5月も下旬になりますが、最近暖かい日が続きますね。雨が降るなどして肌寒い日もありましたが、この時期になるとそろそろ上着は必要ないかなと感じることも多くなってきました。
上着と言えば、私はスーツに合わせて着られる薄手のコートを持っていなかったので、少し前に友人とショッピングに行きコートを買いました。今回はその時の話をしたいと思います。
ある日、友人に買い物に付き合ってもらったときのこと・・・
私は友人と昼ごろ待ち合わせをし、お互いの近況についておしゃべりをしながらランチを食べ、コートを買うためにお店を見て回ることにしました。
私は事前に「こんなデザインの、こんな色のコートが欲しい」と友人に話をしていました。
お店についてみると、思ったよりも品数が多かったため、目移りしてしまいすぐに決めることができません。
沢山の服の中から、自分の好みにあったものを探すことが苦手な私。店内を何度もぐるぐる回りながら、お眼鏡にかなうコートを探していたのですが・・・。
私が歩く後を、黙ってついてきてくれる友人。そのうち、私にはこんな感情が湧きあがってきました
私が歩く後を、あまり距離を開けずについてきてくれる友人の姿に、私はだんだんとこんな感情が湧き上がってきました。
- 『あまりに長時間ぶらぶらしているから、友人は飽きてしまったのではないか?』
- 『いつまでも洋服を決めない私に、少しあきれ始めているのではないか?』
- 『沢山歩いて、疲れさせてしまっているのではないか?』
一度そんな気持ちを抱いてしまうと、コートよりも友人の様子の方が気にかかり、中々ショッピングに集中できません。
私は『友人を連れまわしてしまっている』という気持ちから、対して好みではないコートを持って、急いで会計を済ませました。
友人の気持ちを察したつもりでいる私。果たして友人は本当にそう思っていたの?
「待たせてごめんね!疲れたよね?」と友人に声をかけると、友人からは思ってもみなかった返事がかえってきました。
「なにがー?もっとゆっくり買い物してよかったのにー。そのコート、最初に言ってたデザインと違うけどいいのー?」と。
私と友人の間には『ミスコミュニケーション』つまり、感じ方、受け取り方の差が生じていたのです。
その友人の言葉によって気が付いたのですが、
- 連れまわしてしまっているという不安
- 友人は飽きているのでは?
- いつまでも決断しない私に呆れているのでは?
- 友人も疲れているのでは?
という気持ちは、全て私の予想や勝手な想像だったのです。
実際、友人は疲れていたわけでもなく、飽きていたのでもなく、同じお店で私の倍以上の時間をかけて買い物をしていました。
なぜ「ミスコミュニケーション」が生じてしまったのでしょうか?
私が感じた「友人は○○なのでは?」という不安は、
私が自分の物差しで自身の行動を判断し、『他人から見たら、こう感じられるだろう、このように受け取られるだろう』と予想したに過ぎません。
本当に友人が、そのように感じていたか、思っていたかは、彼女自信に質問してみなくてはわからないのです。
では、自分の価値観や感じ方が、あたかも「他人もそのように感じているだろう」と思い込み、ミスコミュニケーションが生じるのはなぜなのでしょうか?
それは
- お互いの感情、状況に対する情報量が少ない(省略)
- お互いの価値観が全く同じという思い込み(歪曲)
- 「普通だったらこう思う」という自分の尺度で物事を捉えている(一般化)
だと言えます。
私のケースにあてはめて考えてみると
- どれくらいの時間をかけて買い物をするのか、どれくらい歩きまわると疲れるのかなどショッピングに対するお互いの情報を共有していませんでした。(省略)
- 「相手の買い物に付き合う」という事に対して、それが苦にならないのか、「自分の決断を相手に待たせること」「相手の決断を待つこと」が互いに負担にならないのかなどの価値観、感じ方がお互い違います。(歪曲)
- 私は「私も歩きつかれてきたし、きっと友人も疲れているだろう」という思い込みがありました。(一般化)
こうして振り返ると、事前に
- 自分の気持ち
- 価値観
- 考え方 等
相手と共有することが、コミュニケーションを活発にし、お互いのすれ違い『ミスコミュニケーション』を回避する事に繋がるのではないでしょうか。
その日は、お互い沢山歩き、疲れたけれどそれなりに満足のできる買い物ができたと、友人と私は笑顔で別れました。
私が買ったコートも、当初希望していたデザイン・色とは違いますが、実際に着てみるとまあまあ満足できるものでした。
カウンセリングの中で子どもとの行き違い、ボタンの掛け違いについて「ミスコミュニケーション」という視点から一緒に考えていきませんか?
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