どこからが不登校?専門機関に相談をするタイミングはいつ?
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
ゴールデンウィークの連休も明けて、大人でも仕事に向かうのが少し億劫になる時期ですよね。そんな現在の、子どもの様子はいかがでしょうか?
この時期は、不登校支援センターへのご相談が一気に増える時期でもあります。ご相談に来られた親御さんに話をお伺いすると、子どもが学校を休んでいる期間や状況などは様々です。
「子どもが学校を休んでも、またすぐに行きはじめるだろうと思ったが、いくら学校に行くように言っても子どもが動かない。もっと早く相談に来たらよかった・・・」
という気持ちを抱え、相談に来られる親御さんもいらっしゃいます。子どもが学校に行かない状況悩まれ、どのように対処したらいいのかを迷われている親御さんの状況を考えると、
- いつ
- どこで
- 誰に相談したらいいのか?
という判断をすることや、相談のタイミングは中々はっきりしたものが持てないこともあるかもしれませんよね。
「不登校」に基準はあるのでしょうか?
文部科学省は不登校の児童生徒について、
- 何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にある者
- そのために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者をのぞく
と定義しています。こうした定義は、調査を行うためには定める必要があると思います。しかし、実際に学校を休んでいる子どもたちの状況は様々ですよね。そのため、学校を休んでいる子どもたちの状況をすべて網羅、把握できる定義を定められるかというと、中々難しいことであると考えられます。
子どもが学校を休んだことを、周りはどのように理解したらいい?
では、ある日突然子どもが学校を休んだときに、そのことを私たち周りの人間はどう受け止めたらいいのでしょうか。
ポイントは、子どもは「学校を休んではいけないということを知っている」ということです。
子どもたちは、幼稚園や保育園、小学校、中学校、高校などでの集団生活を過ごしていく中で、経験的に「学校は行くもの」という価値観を自然に身につけています。
では、その価値観を身につけたうえで、学校を休んだ子どもの心の状況はどういったものであると考えられるでしょうか?
これまで不登校支援センターに相談に訪れた多くの親御さん、子どもの話をカウンセリングでお聴きしている中では
- 子どもは突然休んだように見えても実はもっと前からストレスを感じていたこと
- 親御さんも振り返ってみると、そうした子どものストレスにも思い当たる節があること
という話を、私はよく聴くことがあります。
不登校になった子どもの状況を、マラソンで考えてみましょう
ではここで、不登校の子どもの状況を、マラソンに例えて考えてみましょう。
【スタート地点】
「よーし!今日はいいタイムを出すぞ!」
【10キロ地点】
「なんだか膝が痛くなってきたな・・・走るのはやめて歩きに変えよう」
【12キロ地点】
「やばい、歩いているだけなのに足が地面に着くたびに激痛が・・・」
【15キロ地点】
「頑張って歩いて進んできたが、さすがにもう無理だ・・・。一旦止まろう。」
不登校の子どもの心の中では、上記のマラソンと非常に似たような状況になっている可能性があるのですね。
そんなときに、「止まっていないで早く走るんだ!」という周囲からの声かけは、一体どんな影響を子どもに及ぼすのでしょうか。
子どもが学校を休んだということは、心の痛みが始まったからではなく、心の痛みが限界に来たということかもしれないのです。
大切なのは、まず子どもの心の状況を知ることです
子どもが学校を休んだとき、「この子なら頑張ればすぐ行けるようになるだろう」と子どもの力を信じていただけることはとても大切なことだと考えています。
しかし、子どもはすでにとても頑張り続けてきたのかもしれません。子どもが「学校を休む」という行為を選ぶまでの背景を考えてみてくださいね。
まずは子どもが
- 心にどのくらいの痛みを感じているのか
- どのくらいのストレスを感じているのか 等
子どもの心の状態を知ることから始めてみるのはいかがでしょうか。
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