春の環境変化が引き起こす“ストレス”と“体調不良”への効果的な対処法
こんにちは。不登校支援センター東京支部の椎名愛理です。
近頃は穏やかな天気が続いていますね。草木の新芽が芽吹き、新しい生命の力強さを感じます。自然はエネルギーに満ち溢れる時期ですが、皆さんの心身の状態はいかがでしょうか?
今回は春特有のストレスと体調不良について、考えていきたいと思います。
「理由はわからないけれど、何となく体調が優れない」そんな時はありませんか?
春の体調不良で真っ先に思い当たるものとして、花粉症があります。身体症状としてあらわれるのは、目のかゆみ、止まらないくしゃみ、鼻水・・・等が考えられますよね。それらの身体症状によって集中力が削がれ、身体の不調が精神的なストレスに繋がることになる場合もあると思います。ですが、具体的な身体症状があらわれずとも、『理由はわからないけれど、何となく体調が優れない』といった事はないでしょうか?
- 身体がだるい
- ぼーっとしてしまう
- 疲れが取れにくい 等
春先は気温の変化が激しく自律神経が乱れることから、頭痛や眩暈、倦怠感といった症状が現れやすくなる季節でもあります。そして、体が春にストレスを感じて不調を訴えるように、『心』も春に影響を受けることがあります。
【学生の場合】
- 進級
- 入学式
- 卒業式 等
【社会人の場合】
- 会社内での配属変え
- 昇進
- 引っ越し 等
このような様々な「環境変化」が起こる時期が、春なのです。そして「環境変化」は時には心に影響を及ぼすこともあるのです。
春の環境変化が引き起こす不調とは?
春に起こる環境変化を客観的に見ると、『お祝い事』にあたる良い変化が多いのではないでしょうか。しかし、実際に環境の変化の中に身を置く当事者の立場となると、
- 新しい環境にうまく馴染むことができるのか
- 自分は周りについていけるのか
- これからどのようなことが起きるのか 等
変化に対して様々な不安を感じる方も中にはいらっしゃると思います。
この変化に対する不安が
- 朝起きにくい
- 夜寝つきが悪い
- 食欲がない
- 集中力が散漫になる
等の身体症状、世間では『五月病』などと呼ばれる症状を引き起こす要因の一つでもあります。
ここまで読んでいただくと
「春って身体にも心にも大きなストレスがかかって、いいことなんてないんじゃないか」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
では、どのように環境変化に対する不安と付き合い、春を乗り越えたらいいのでしょうか。今からでも手軽にできる対処方法をご紹介していきたいと思います。
春のストレスへの対処方法①自律神経の乱れを整える
【自律神経の乱れを整える】
自律神経とは、いわば身体のオン、オフのスイッチです。
- スイッチがオンの状態では、交感神経が優位に働き、日中の活発な活動を促します。
- スイッチがオフの状態では、副交感神経が働き、体が休むモードに入るため、心拍数や呼吸も緩やかになります。
このスイッチの切り替えが乱れてくると、体の活動リズムが狂うため、様々な不調が現れます。
では、スイッチの調節をどのように行っていけばいいのでしょうか?
①意識して呼吸をゆっくりと行う
浅い呼吸を回数多く繰り返すのではなく、胸元が空気で膨らんでいくイメージでゆっくりと鼻から息を吸います。完全に吸いきったら、お腹に意識を向けながら口からゆっくりと息を吐きだします。呼吸をゆっくりと行うことで、交感神経が静まり、副交感神経が優位になります。
②ゆっくりと湯船につかる
日々忙しい生活の中で、お風呂はシャワーだけで済ませるということもあるのではないでしょうか。(私もつい、シャワーのみで手早く済ませてしまうことがあります・・・)しかし、38℃から40℃ほどのぬるま湯(内臓に負担をかけない温度が重要です)にゆっくりと浸かることで、オンだった自律神経のスイッチが、オフになり副交感神経が高まり体が休む体制になります。
ほかにも、
- 好きな音楽を聴いて心を休める
- ストレスで硬直した筋肉を軽いストレッチで緩める
なども効果的です。
春のストレスへの対処方法②不調を和らげた「成功体験」を思い出す
【不調を和らげた「成功体験」を思い出す】
皆さんは過去を振り返り、
- このような事をした時に、体調が良くなった
- こんな風に考えたら気持ちが楽になった 等
『自分なりに成功した対処方法』をお持ちではないでしょうか。
「感情や行動は過去の原因から生み出される」 といった原因論に乗っ取り、不調を起こす原因を探り、その原因を取り除くことで対処することもできます。しかし、
- 不調を和らげた「成功体験」を思い出し、上手くいった事は繰り返し行ってみる。
- 行った結果を吟味し、方法をブラッシュアップして再度試してみる
という対応を試してみることも、ストレスへの効果的な対処方法のひとつですね。
私自身、学生の頃はクラス替え、社会人になると会社内での配属変えなどがあった時に、数週間、日中の頭痛に悩まされる事がありました。
最初は不調の理由が分からず、ただ痛みに耐えかねて鎮痛剤を飲んで対処していました。しかし、頭痛を感じた時の自身のおかれた状況を思い返すと、「大きな変化があり精神的なストレスを感じている時期」と身体の不調がリンクしていることに気づきました。そしてこの環境変化と身体症状の関係性に気づいてからは、『自分なりのストレスへの対処方法』を見つけることができたという経験があります。
私自身が心がけた『自分なりのストレスへの対処方法』は、
- 冷たい飲み物は避け、体を温める飲み物を飲む
- 糖分の取り過ぎに注意する
- 首回り、肩回りをストレッチで延ばす 等
ストレスを感じたとき実施することで、不調を和らげることができるようになりました。
このような「自分なりの成功体験」を積み重ねていくと、
- 「これくらいの変化(ストレス)なら、今までの方法で乗り越えられるかもしれない」
- 「もし乗り越えられなくても、次の方法を見つけられるだろう」
と前向きな気持ちが生まれやすくなります。
最後に・・・
みなさんも、ストレスによる体調不良を感じた時は、
- 不調を緩和することができた対処方法を思い出し、再度試してみる
- 試した結果を振り返り、より良い方法となるよう手を加えてみる
といった行動で、今年の春を乗り切りましょう。具体的にどのような行動をしたら不調を乗り切りやすいのか、カウンセリングで一緒に考えていくこともできますので、悩まれたときは不登校支援センターにお越しくださいね。春に限らず、ストレスへの対処方法を一緒に考えていきましょう。
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