カウンセラーである私が不登校支援において“最も大事だと感じる”たった1つの有効な考え方
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
社会人になって働き始めると、子どものときと比べて4月だからと言って生活に大きな変化が起こることはそんなに無いように私は感じています。そのため、我が子の生活の変化をとても新鮮に感じながら、いつも私の子どもの話を聴いています。
生活や環境の変化は、人にとってストレスになる
新学期や新生活が始まり、様々な生活の変化がある方も多いのではないでしょうか。
- 「新しいクラスでは・・・」
- 「新しい学校では・・・」
- 「新しい会社では・・・」
- 「新しい環境では・・・」
様々な期待と不安を胸に、それらの新しい生活を始めていきます。しかし、生活の変化や環境の変化は、人にとってストレスになります。
- 期待が大きかった人は現実とのギャップにストレスを感じたり
- 不安が大きかった人はその不安が発生することを恐れてストレスを感じたり
それらの期待や不安に押しつぶされてくる人もいます。
そういった場合は、ゴールデンウィークを明けてから徐々に振る舞いに変化が現れてきます。
- 愚痴が多くなってきたり
- 行動が鈍くなってきたり
- 朝起きなくなってきたり
- 夜眠れなくなってきたり
- 食欲が無くなってきたり
- 口数が減ってきたり
- 外出が減ってきたり
- 言葉や態度が悪くなってきたり
不登校はそんな変化の延長にもあります。過去の記事でもいくつかお伝えしておりますが、子どももいろんな思いや考え、経験、不安、期待をたくさん抱え込んできた背景があります。そして最後の手段としての「学校に行きたくない」に繋がります。
不登校支援において、「子どもを動かそう」とするのではなく、「子どもが動けるようになる」ための接し方が大事
不登校支援センターでは、「「学校に行かない」という手段を使ってストレスを避けている状態」を『不登校』と言っています。そんな状態の子どもを見て、「なんとかしないと!」と思われる親御さんも多くいらっしゃるのではないでしょうか。
- 「どうやって学校に行かせたらいいのか?」
- 「せめて勉強だけでもさせた方がいいのか?」
- 「フリースクールにでも行かせた方がいいのか?」
様々なことで悩まれると思います。いろんな手段やアプローチがあるのですが、私が今までたくさんのご家庭と関わってきた上で、最も大事だと感じるたった1つのことをお伝えしたいと思います。
それは・・・
「動かそう」とするのではなく「動けるようになる」ための接し方を心がけること
です。
「子どもにせめて勉強だけでもさせたい」という親御さん
例えば、「せめて勉強だけでもさせたい」と思う親御様のケースでお話ししますと、「1日に実施する勉強の量を決め、それを実行するように子どもと約束する」という手法をとるご家庭もあります。しかし、この手法で上手くいく家庭と、上手くいかない家庭があるのです。
その違いは何でしょうか?
その答えのひとつとして、その約束に『子どもの意思』が含まれているかどうかです。ほとんどの子どもは、親が提示する条件や約束に対して「はい」と言わざるを得ないと感じています。親としては「約束をした」と捉えているのですが、子どもとしては「約束させられた」と捉えていることがあります。これは「動かそう」とする接し方の1つに当てはまります。
一方、上手くいくケースではどのような状態かと言うと・・・
例えば、子ども自身が「何かしないといけないことはわかっているが、何をしたら良いのかわからず、焦りと不安だけが大きくなっている」という状態のときに、「とりあえず勉強でもしてみる?」という手段の提案と、子どもの「それならできるかも」という意識が合わさったときです。
そして、子ども自身が「こんなことしてて何か意味があるのかな?」と感じているときに親が「大丈夫だよ」と言ってくれるという安心感が得られる『約束』になっているときです。
最後に…
もちろん、これらのことを意識されている親御さんも多くいらっしゃるかと思います。しかし、子どもがどう捉えているのかはなかなか見えてこないこともあり、親子での意識の相違が発生してしまっているケースもあります。
カウンセリングにはその意識の相違をなくしていく効果もあります。親子の意識の相違を確認するためには、第3者の中庸な視点が必要になります。まずは、意識の相違が無いかの確認をするためにも、カウンセリングを利用していただけたらと思います。
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