葛藤を抱いている子どもとの関わり方③
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
前回は、葛藤を抱いている子どもとの関わり方②として、段階ごとにどの様に対応出来ると望ましいかを一緒に考えていきましたね。
今回は「怒り」や「抑うつ」状態の場合は、どの様に対応するのが望ましいかを一緒に考えていきましょう
加害者がハッキリしている場合は、「怒り」の矛先はそこに向かいますし、原因が自分にあると感じている場合は自己攻撃・自己否定を激しく行ってしまい「抑うつ」状態になってしまいます。
そういった場合、まずは本人の話をしっかりと聴くと言うことが効果的でしょう。「しっかりと聴く」と言うのは、相手の価値観を理解しようと話を聴くという事です。
こちらの価値観で話を聴いてしまうと
- 言い訳に聞こえたり
- 他責にしている様に感じたり
- 自身の事を責め過ぎている様に感じたり
つい、「それは違うよ」と伝えたくなったりします。
例えば
- 言い訳は良いから、同じ失敗をしない様にどうするか考えようよ
- 人のせいにばかりしてないで、自分も反省する部分があるんじゃないの
- 過ぎてしまった事ばかり考えていても前には進めないよ
などです。
「抑うつ」の場合はどうでしょうか。
- 「どうせ自分はだめだし・・・」と言っていたり
- やっても意味がない、(もしくは、上手く出来ない)と思っていたり
- 「どうしたら良いの??」と聞いてくる
と言う言葉を子どもから聴いたりしないでしょうか。
そんな時、
- 全然だめじゃないよ!○○な所もあるじゃない
- そんな事言ってないで、やってみたら出来るかも知れないよ
- どうしたら良いのか分からないのだったら、○○してみたら?
と言いたくなってしまうのです。
ただ、こういった時に上記の様に伝えてしまうのは要注意です。
子どもからしたら、ただの「大きなお世話」かも知れない
こちらの行動は、もちろん悪意がある訳ではなく、むしろ伝えてあげた方が本人の為だとすら思っています。私にもそう考えている時期がありました。しかし、不登校支援センターに来られるたくさんのクライアントとお話しをさせて頂く中で、気付かされた事があります。
子ども本人が
- 「私はこういう所に腹を立てているんだ。その気持ちを分かって欲しい」
- 「人のせいにでもしないと辛すぎる」
- 「自分がこれだけ後悔しているという事を分かって欲しい」
など思っているとしたら・・・
上記の様に伝えるという事は、
「あなたはそう考えているのかも知れないけど、こっちの考えの方が正しい(一般的)のだから、こう考えなさい」と、こちらの価値観を押し付けてるに過ぎないのだという事です。私も今までの「自分の体験」から、「これが正しい」「これは誤っている」という価値観を持っています。ただ、それはあくまで「私の価値観」であって、目の前の誰かの価値観ではないんですね。
これは、親子であってもご夫婦であっても、です。
どちらか一方に無理に合わせようとしたり、我慢する必要はありません。
双方が納得できる折衷案を新しく考えれば良いのです。
- 直接だと言いにくい、もしくは言い過ぎてしまう
- そもそも自分がどうしたいのかが分からない
そういった場合は、第3者と話をする事でご自身の気持ちや価値観を振り返ってみる事が効果的かも知れませんね。
このブログと一緒にこちらのブログもご覧いただくと、もっとご理解頂きやすいかも知れません。
新学期から学校に行かない・・・不登校の子どもに親がまず取り組む事とは?
不登校の子どもにできる対策をもうやりつくした・・・と思ったときに知って欲しいこと ~その3~
子どもに勉強してもらいたいと思った時に親御さんに試してほしい3つの方法
子どもに「勉強してほしい」「学校に行ってほしい」・・・。そんな時に大切にしたい親御さんの考え方
最後に
不登校支援センターでは、親御さんのみでの来所や、カウンセリングを進めていく中での子どものみでの来所も可能です。ご家族とのコミュニケーションに違和感を感じておられる様でしたら、一度お気持ちをお聞かせください。
では次回は、受容の段階での関わり方を一緒に考えて参りましょう。
関連ワード: カウンセラー , カウンセリング , 不登校支援センター横浜支部 , 他責 , 価値観 , 受容 , 大きなお世話 , 夫婦 , 子ども , 怒り , 抑うつ , 納得できる折衷案 , 聴く , 葛藤 , 親子 , 言い訳 , 関わり方