葛藤を抱いている子どもとの関わり方②
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。前回は、葛藤を抱いている子どもとの関わり方①として、事実や現状を受け入れて、前向きな行動に起こすに至るまでの過程をご紹介致しましたね。
今回はその続きを書いていきたいと思います。
過程ごとにどの様に対応出来ると望ましいかを一緒に考えましょう。
まず「否認」の段階では、その事実を受け入れてしまうと不安であったり不快な気持ちを感じてしまうので、無意識に無視しようとしている状態です。
- 「認めたくない」
- 「受け入れたくない」
という気持ちが強ければ強いほど、それだけ心が傷ついて弱っている、という事です。
そんな状態の時に、無理に現実に向き合わせようとしたり、事実を受け入れさせ様とする事は、本人を追い込む事になりかねませんよね。
では、どの様に対応したら良いのか?
この様な場合は、ただ放っておくのではなく、むしろ「孤独感や疎外感を感じさせない」事が効果的となります。本人が、現実を受け入れて乗り越えていく為には、「自分は周りから受け入れられているんだ」という安心感が必要となるからです。
そのため、
- 「あなたが受け入れられない気持ちは良く分かるよ」
- 「無理もないよね」
- 「それだけショックだったんだよね」
という様に、本人の気持ちを代弁してあげる事も良いでしょうし、そばで「うんうん」と子どもの話を聞いてあげるのも良いかと思います。
周りの人が先に認めてあげる・受け入れてあげる事で、「受け入れたくない・認めたくない事実」と向き合う心の準備が出来てくるので
- 「自分は無理に受け入れなくても良いんだ」
- 「そんな自分(受け入れられない自分)でもいいんだ」
と感じられる様になるでしょう。
無理に現実を突きつける以外にも避けたい事としては、今までの子どもへの接し方を変える事です。
例えば、
①腫れ物に触れるかの様によそよそしくなったり
→余計に疎外感を感じてしまいます。
②気を遣って言う事を全部聞いてあげたり
→辛い事があった事と、わがままを言う事は別ですよね。むしろ、ダメなものはダメと言ってあげてください。
③無理に動かそうと指示や命令をしてみたり
→「私の事、分かってない」と反発が起きて関係が悪化しかねません。
等です。
以上の3つの事は、「自分は受け入れられていない」という事を子どもに強く感じさせてしまいますので、「否認したい気持ち」がより一層強まってしまいます。そのため、出来る限り普段通りに子どもに接する事が望ましいです。そして子どもから話し出した時に、「認めてあげる・受け入れてあげる」気持ちで話を聞いてあげてください。
子どもの味方になってあげる事が何よりの薬
一番子どものそばにいる方が、一番の子どもの味方になってあげる事が何よりの薬です。
では次回は、「怒り」「抑うつ」状態の接し方を一緒に考えていきましょう。
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