【解説】不登校長期化を防ぐ「自己有用感」の育て方
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
先日テレビを観ていた時
「あなたは誰ですか?」
と質問されて名前と職業を言わずに答える、という場面がありました。
「年齢」や「出身地」などは思い浮かぶのですが、なかなか自分を表す言葉って出てこないものですね。一見何気ない質問のようですが奥が深いなと考えさせられました。「自分が誰であるか」はもしかしたらすべての人に課せられている人生のテーマの一つかもしれません。特に不登校の子ども達は外に出て人と関わることがほとんどなく、自分の価値を見出すことも難しいといえます。
「何者でもない自分」から脱却するために必要な「自己有用感」
誰とも関わらずどこにも所属しないことで
- 誰からも必要とされていないのではないか
- 生きている意味なんてない
- 誰の役にも立っていない
徐々に「何者でもない自分」になっていきます。特に不登校が長期化していればいるほど社会から孤立していきます。
このような社会から孤立した心理状態から脱却するために必要なこと、それが
「自己有用感」
です。
- 他者の存在を前提として自分の存在価値を感じること
- 誰かの役に立ちたいという成就感
- 誰かに必要とされているという満足感 など
ポイントは「誰か自分以外の人の存在がある」ことです。
ここまで読むと「うちの子は誰とも会ってないから無理・・・」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、この自己有用感はご家庭で育むことができるんです。
自己有用感を育てるために必要な4つのこと
①スキンシップ
抱っこや手を繋ぐ年齢ではなくなると、スキンシップは自然と減っていくものですね。そこまで直接的でなくても、ペタッとくっついてくるなど子どもが求めてきたときだけ触れ合いがあれば十分です。
②役割を与える
学校に行かなくても家でできることはたくさんあります。皿洗いやお風呂掃除、朝新聞を取りに行く、ペットの散歩など。子どもは押しつけられると嫌がりますが、自分で「これをやる!」と決めると責任を持ってやるようになります。まずは何をするかを考えてもらうところから始めてみましょう。
③共同体験
ゲーム、家事、自然体験など、子どもがやってみたいと興味があるものならなんでもいいです。一つのことを協力して取り組む体験は一人では経験できないものです。
④認める・感謝を伝える声掛け
実際に上記のことができたら「本当に助かった!ありがとう」の言葉も忘れずに!そんな風に言われたら嬉しいですよね。相手が時間や労力をかけたことに労いの気持ちが込められています。
最後に・・・
この自己有用感を高めるアプローチは、普段のカウンセリングでもを行っています。
例えば、
- 絵を描くことが大好きな子に絵を描いてもらって飾る
- クイズの質問を考えてもらう
- ゲームのクリアの仕方を教えてもらう など
その子が得意とすること、好きなことに光を当てていきます。
誰でも人に思わず披露したくなるような何かがあったらそれだけで心が安定します。今子ども達はそれを模索している途中です。まさに宝探しのようなもの。まずはご家庭で子ども達の宝探しから始めてみませんか。
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