不登校になる決断をした子どもが復学する為の条件と対応方法
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
普段いろんな人と接していると、「価値観」とか「こだわり」などについて、小さなものから大きなものまで、いろいろなものがあるな~と感じます。
- 時間は必ず守る
- お酒は飲まない
- コンビニは○○
- 週に2日は運動をする
- ブランドは○○
- ゲームに課金はしない
などなど、「あ~、わかるわかる!」と共感できるものもあれば、「え!!??」とビックリするものなど、いろいろなものがありますよね。この「価値観」や「こだわり」については、「他人との違いを理解した上で大事にしていること」になります。
そのため、人から説得されたくらいで崩れたり変えたりするものではありませんし、他人に理解させようとしたり、押し付けたりすることもありません。対して、新しい情報を得ることで変わったり、他人に押し付けようとしてしまうものは「思い込み」と私は言っています。
学校に行かない(不登校)決断をした子どもの価値観を知る
学校に行かなくなる子どもの中には、
- 「なんで行けないのわからない」
- 「学校に行く気はあるんだけど、どうしても行くことができない」
という子どももいますが、「自分はもう学校には行かない!」と決めて行かなくなる子どももいます。「学校に行かない」という決断をした子どもは、子どもなりの価値観やこだわりがあり、学校に行かないという決断をし、行動しています。つまり「他人とは違う行動」ということを理解した上での行動になります。
そのため、そのような行動をとる子どもに対して、
- 他の子どもとの比較
- 将来、社会で困ること
などを説明しても、受け入れることはほとんどありません。
学校に行かない(不登校)決断をした子どもが復学する条件
学校に行かないと決断した子どもが復学する条件は、大きく分けて2つあります。
- 価値観を変えること
- 環境を変えること
です。それぞれについてお話ししていきますね。
1.価値観を変える
皆さん自身で考えてみると分かりやすくなると思います。皆さんが持っている価値観はどのようにして確立したのでしょうか?「いつの間にか・・・」ということもあると思いますが、多くの場合が「事実」と「経験」の積み重ねだと思います。
例えば、私の友人の「お酒は飲まない」という価値観を持った人を例にして考えてみましょう。
友人曰く「お酒を飲むと頭が痛くなって、その日の飲み会を楽しめないし、翌日も辛くなるから」とのことでした。何回か飲んだことがあるらしいのですが、いずれも同じような「嫌な経験」のようでした。さて、この価値観を持つ人になんとかお酒を飲ませてみようとしたときに、どんな接し方があるか考えてみてください。
ただ
- 「今度は大丈夫だから飲みなよ~」
- 「これはアルコール少ないから大丈夫だよ。」
などと言ったところで、飲もうとはしないでしょう。
嫌な経験にならないような準備として、
- 飲み会の終了直前にお酒を出す
- 翌日に調子が悪くならないドリンクを渡す
など、対策をするということがあげられます。
しかし、それだけでは足りません。プラス「飲んだ方が自分にとっても良い」と思えるような条件を満たす必要もあります。そうしなければいくら「大丈夫」と言われても実行には至りません。そして、「こうすればお酒を飲んでも大丈夫」という経験を積み重ねることで、「お酒は飲まない」という価値観に変化を加えることができていきます。
不登校問題で言うと、なんとか学校に行く日があったとしても、それが「良い経験」にならなければ、価値観は変わらず、再び学校に行かなくなってしまいます。
2、環境を変える
環境を変える、というとなかなか難しくなります。まずは「価値観」の掘り下げが必要になります。
不登校センターに来ている子どもとカウンセリングの中で話したことがあるのですが、例えば「ゲームに課金はしない」という価値観について考えたことがあります。その時は、掘り下げた結果「ゲームにお金をかけるのはお金の無駄だ。」というものがでてきました。つまり、「お金を無駄にしたくない」という価値観でもあります。
次に、「お金を無駄にしたくない」という価値観を変えずに課金できるようになる方法を考えてみたところ、「そのゲームの攻略情報を提供する会社に転職する」という方法が出てきました。こうしてみると不登校において真っ先に思い浮かぶのが「転校」になると思いますが、この例だとただ「転職」しても行動が変わることはありません。「課金することがお金の無駄にならない会社」に転職する必要があります。
転校についても、その子の価値観が守られつつ、行動が変わるような学校に転校する必要があります。
まず、最初にやることは・・・?
上記の1、2のどちらの方法をやるにしても、最初に必ずしなければならないことがあります。それは、
今現在の子どもの価値観を知ること
です。子どもがどんな価値観の下、「学校に行かない」という決断をしているのかを知る必要があります。
不登校支援センターでは、子どもの価値観を知るためのカウンセリングや心理検査などの手法を多数持っています。1人1人の子どもやご家庭にあわせて、それらを活用し子どもの価値観を知ることから始めます。
また、親御さんの価値観を知ることも必要とするケースがあります。なぜならば、親子での価値観の対立がある場合、まずはそこの理解から始めていく必要があるからです。子どもの価値観、ご自身の価値観などについて、客観的な情報として知っておきたいと思われる方は、是非不登校支援センターにご相談ください。
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