葛藤を抱いている子どもとの関わり方①
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は、多くの方にカウンセラーブログをお読み頂きました。ありがとうございました。カウンセラー一同、皆さまのご期待に添える様、引き続き多くの情報を発信して参りますので、本年もどうぞよろしくお願いします!
さて今回は、前回の続きである「子どもの良い面を見つけやすくする為に簡単に出来る事」の3つ目のポイントをお話しようと思ったのですが、番外編として「葛藤を抱いている子どもたちと関わっていく上で、知っておくとプラスになるポイント」をお伝えしたいと思います
人間は、事実や現状を受け入れて前向きな行動に起こすに至るまでに幾つかの過程が必要
人間は、事実や現状を受け入れて前向きな行動に起こすに至るまでに幾つかの過程が必要となります。その段階ごとに出来る事・出来ない事がありますので、子どもとの関わりの中で
- それって現実から逃げているだけじゃないの!?
- 何でやらなきゃいけないと分かっているのにやらないの!?
- 何で「やりなさい」と言ってもやらないの!?
など、感じる事がある親御さんはもちろんのこと、友人関係や上司部下の関係、恋人関係など他の人間関係にも当てはまる事ですので、ぜひ参考になさってみてくださいね。
人は、より完璧な自分を求めていたり、理想の自分を持っています。そのため、そうではない自分・現実は受け入れたくないのです。しかし現実では、思う様にいかない事ばかりですよね。その際に、人はまずは現実を否定しようとします。(否認)
例えばですが・・・
- テストで良い成績が取れなかった
- 友達グループから距離を置かれている
- 友達に裏切られた
- 親に叱られた
- 試合に負けた
などなど、本人にとって望ましくない事が起きた場合、「そんなはずはない」「忘れてしまおう」など自分に都合が良い様に言い聞かすのです。それでも
- 返却された答案用紙の点数は変わらないですし
- 自分が知らない間に友達たちだけで遊びに行っていたり、SNSで発言しても反応してくれなかったり
- 親からは何回も同じ事で叱られるし
- 試合の結果は変わらなかったり
一時的に自分をだませたとしても事実を捻じ曲げる事は出来ませんよね。すると自分が納得する為に、また自分を守る為に、自分の中で「犯人探し」を始めます。
- あの先生ムカつく! 教え方下手!
- どうせあの子と一緒にいても面白くないし、私は悪くないから私からは謝らない!
- 自分だってちゃんと出来てないのに、私の時だけ叱ってくるなんておかしい!
- あの子の失敗がなかったら、試合にも勝てていたのに
など、その矛先が自分以外の誰かに向く人もいますし、自分に向かってしまう方もいます。
- 何で私はこんな事も出来ないの!?
- ダメだから、皆に受け入れてもらえないんだ・・・
- 周りの人に迷惑ばかりかけてしまって合わす顔がない・・・
- なんて自分は情けないんだ・・・
そういった気持ちを発散する為に、「怒り」という感情を利用したり、「抑うつ」状態になります。気持ちが発散出来てくると少し冷静に考えられる様になり、
「そうは言ってもこのままでは良くないな」と、現状を理解しようとし始めます。(受容)
- 無かったことにはできないんだな
- いつまでもこのままではいけないな
- しょうがないか
と考えられる様になってきて、周りからも「少し冷静に(元気に)なったのかな」という風に見えたりもします。ただ、上手くいかない事に直面すると
- やっぱり今更何やっても仕方ないんだ
- 結局元には戻れないんだ。もう終わりだ
- どうせ上手くいきっこないんだ
という様に、未来に対してもネガティブに考えてしまいます。(以前よりも打たれ弱くなっているので注意!)
最初は事実を受け入れたくないという拒絶感が強かったのが、事実と向き合おうという姿勢が現れてきたのは大きな前進です。しかし、受け入れる事に精一杯で、まだ「この先どうしたら良いのだろう」という点は具体的にはなっていないんです。そのため、この段階で適切に関われると、未来に希望を抱けるようになります。
適切に関われると、未来に希望を抱けるようになる
- どうせやっても出来ない(上手くいかない)から意味がない・・・
- 誰も私の事を分かってくれない・・・
- このままでも良いや
という考えから解放され、新たな価値観を見出す為に行動を起こします。そして今回の出来事や経験から学び、成長するのです。
その学びとは
- 諦めずに続けて良かった
- 自分本位では良い関係は作れないんだな
- 一人では困難な事も皆と力を合わせれば乗り越える事が出来た!
- 無駄だと感じる事も自分を成長させてくれた!
などです。(希望)
こんな風に捉えられる様になると、周囲に対して感謝する事も増えてきます。まさに「心が立ち直った」状態と言えるでしょう。
最後に・・・
「心が立ち直った」状態となる為に、周囲の人が子どもにどの様に関われると良いのでしょうか?私の経験談になりますが、次回お伝えしようと思います。
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