優等生タイプの不登校の子どもが増えている?
こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。
今日は先日とある学校の先生とお話したときに出てきたことをご紹介します。
その先生は「最近優等生と思っていたような子が不登校になるケースが増えている気がする」とおっしゃっていました。これは一体何故でしょうか?
優等生といわれる子どもの危険性
あなたやあなたの子どもは完璧主義でしょうか?
完璧主義だとしたら危ないかもしれません。とある研究によると、自分を追い詰めて仕事を完璧にこなそうとすれば、燃え尽き症候群になってしまう可能性があると発表しています。物事をいかに完璧にこなすかが成功を計る尺度ではありません。
私たちは完璧を求めることが「善」とする価値観を持った世界に支配されています。それはあらゆる面で見られます。スポーツや仕事など、ありとあらゆるものに完璧なパフォーマンスをすることこそが目指すべき頂点という価値観があり、それが成功の定義とされています。
しかし、完璧というのは達成し得ないものでもあります。そして、完璧を目指す人には最後に惨めな気分が待っているのです。
優等生の子どもの特徴は・・・
完璧主義者は非常に高い自己基準を持っていて、激しい自己批判をするといわれています。みなさんの周りにもいませんか?
- 仕事でミスをしないか気にしている人
- 締め切りまでに提出できなくてクヨクヨしてる人 など
これらは完璧主義者の特徴と言えます。
最近の研究で、完璧主義者と燃え尽き症候群は密接に関係していることがわかりました。
燃え尽き症候群とは、慢性的なストレスのことです。異常なほどの疲労感や達成感の低下、孤独などという症状が現れることがあります。分析結果で興味深かったのは、完璧主義における不完全への恐怖や間違いを犯すかもしれないという恐怖心や感情は、燃え尽き症候群を助長する一定の影響があるということです。
優等生と言われるような子どもたちと共通する部分を感じられると思います。こういった子たちは以下のような特徴を出すことが多いです。
- 遅刻や早退などは出来ない。行くのなら全て。でなければ行かない。
- 宿題をきちんと終わらせていなければ学校には行けない。
- 明日の予定を全て把握していないと動けない。
- 完璧に達成できないのであればやらない。
子どもに当てはまるところはありますか?
他にもたくさんあるのですが、ストレスを感じやすい特徴があることは伝わったかと思います。
では、どうすれば解決できるのでしょうか?
完璧主義はそれ自体が破滅的性格を持っているためコントロールする必要があります。多くの完璧主義者が恐怖心と自意識に苛まれているのです。そのため、完璧である事が成功の定義ではないと明確にする必要があります。
勤勉さや柔軟性、忍耐力のほうが完璧主義よりもずっと大切なのです。完璧主義は自分を追い込んで破滅へと誘います。そのため、完璧を求めずに、ある程度の低い合格ラインをひくことが大切なのです。完璧を求めても完璧にすることなど不可能なことです。完璧を求めるのはやめましょう。
完璧を求めずに、ゆるりとやれば良いのです。70%~80%の力で十分なのです。ですから、自分を追い込むことはしないでいいのです。
しかしこれをそのまま子ども本人に伝えた所で「なるほどわかった!」となる子どもはほとんどいないでしょう。そんなことは子どもも分かっていて、でも気になってしまう。意識せずにはいられない。そんな場合が多いのではないでしょうか。
大切なのは子どもへの、その伝え方や気付かせ方です。そして実感をどのように持たせるか、という部分です。
子どものこだわりのポイントを見つけていき、改善のためのプランを実行する。それを繰り返して積み重ねていく。地道で面倒なようですが、それが解決の道でもあります。不登校支援センターではそのための訓練や検証を随時行っています。
周囲の期待も完璧にならないように
「完璧を目指しても、完璧にするのは不可能。完璧にこなそうとすると自分を破滅に追い込む。だから、ゆるりとリラックスしてこなせば十分である」
これは本人だけでなく応援する周囲の人たちにも同様のことが言えます。
子どもが何か動き出したら、それを応援する気持ちから親御さんは、より頑張らせようとしてしまいがちです。100点満点を周囲が期待すれば、当然本人もそれを意識してしまいます。そうなれば逆効果となってしまいますね。やっている訓練と間逆のことになってしまいます。
子どもにどのように関わればいいのか是非担当のカウンセラーにご相談ください。共に考えて最適な対応を提案してくれると思います。早い復学のためには急がないことも肝要です。矛盾するようですがそういった心持も大切ですね。
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