再掲載!【事例研究】宿題をやらない私立高校2年生の子どもへの対応方法
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
前回のブログ【事例研究】全く言う事を聞かない高校1年生(16歳)の女の子への対応方法の続きのような話になりますが、
子どもがレポートや宿題をやらないんです。どうすればやるようになるでしょうか?
といった内容の質問をよく受けますので、実際にあった高校生の事例を紹介したいと思います。高校2年生男子(私立高校)の事例です。
2年生の年のゴールデンウィーク明けから学校に行かなくなり、休み始めて2週間くらい経ってからカウンセリングに来るようになりました。カウンセリングを受け、本人自身が学校に行く意味をしっかりと考え、7月から学校に戻り登校を再開するようになりました。
ここまでは良かったのです。
さて、登校再開後2週間ほど経ち、学校側から3者面談を提案されたときの事です。
先生から「登校も再開したし、休んだ日数を取り戻そう」とかなりの量のレポートをもらってきました。欠席日数を取り消すことはできないけど、このレポートを出せば心証はかなりいいものになる、という話をされたそうです。
親御さんは、一時はどうなることかと心配したけれど、子どもが学校に戻り、レポートさえ出せば心証も取り戻せるという話を聞き、大変喜んでいました。普通であれば、この生徒も先生の提案に感謝し、レポートに積極的に取り組むはずです。
しかしそうはなりませんでした。レポートに全く手をつけないのです。
この生徒は、「学校に行っている俺が、俺だけがなぜレポートをやらなくてはならないのか?なぜ今の俺の行動を認めてくれないのか。学校に平気で行けていると思わないでくれ。そんな状態でレポートなど無理だ。」とレポート提出が面倒くさい理由を、こういった形で整理付けしていました。
しかしそんな理由付けをしても通用しません。親御さんから見ればただの「恩知らず」に映っている状態でした。
ここでの親御さんの対応は想像がつきますよね。
「何でレポートやらないの?留年するかもしれないのよ」「先生に対して失礼よ」
子どもの状況からすれば脅しのように聞こえてしまう言葉のオンパレードになってきます。
- 「こうなっちゃうわよ!!」
- 「こう思われちゃうわよ!!」
とネガティブな働きかけをすると、子どもが余計に動かなくなるという経験は大なり小なり親御さんであればあると思います。
この親子はその典型的なかたちにはまり込んでいました。
では、子どもが気持ちよく聞ける働きかけはどんなものでしょうか?
やはりネガティブな働きかけは通用しないケースが多いです。
やらないと留年しちゃうわよ
→よけいに「大丈夫」と思い込むようになる。「今は行っているし」という思いが増す。開き直る。
先生に対して失礼よ
→先生が嫌いになる、先生に会いづらくなりまた学校に行きづらくなる。
そこで、私から次のように提案してみました。
やらないと留年しちゃうわよ
→やれば留年回避だし、助かったわね。
先生に対して失礼よ
→やれば先生から普段はもらえない評価をもらえるよ。最高の感謝の伝え方なんじゃないの?
というようにポジティブに働きかけをするようにかえてもらいました。
もちろんこれだけが原因ではないですがこの生徒は何とかレポートを出すことができました。
まとめ
親御さんから宿題をやらない子どもに、『何を言うか』というより『どのように伝えるか』ということが大事になります。
子どもの受け取り方が全く変わり、子どものその後の行動が変わって来る可能性があるからです。
このブログをお読み頂き、ご家庭に取り入れられそうなことがあれば、是非試してみて下さいね。
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