「教室に入りたくない」という子どもは何故教室が嫌なのか①
こんにちは。不登校支援センター横浜支部カウンセラーの本沢裕太です。
朝晩の冷え込みを感じる様になり、すっかり秋らしくなってきましたね。
秋といえば・・
- 読書の秋!
- スポーツの秋!
- 食欲の秋!
などは良く聞きますね。他にも、
- 行楽の秋!
- 紅葉の秋!
なんて言うのもあるみたいです。また、実りの秋!なんていうのも素敵ですね♪
「実り」と言えば、支援センターに通っている子たちも、自分なりの「実り」を得る為に、日々自分なりにチャレンジしている様子が感じられます。
そんな中、最近はカウンセリングの場で子どもからこんな話を良く聞きます。
「教室に行こうと思っても、行けない」
本日は、この「教室に行きたくない」とは、どういう事なのか、また、どうすれば良いのかについて考えていきたいと思います。
教室に入りたくないという子は、心理的な「ナワバリ意識」が強いと考えられる
- エレベーターに乗る時
- 電車・バスなどに乗る時
この様に密閉された空間の中では、自分だけではなく、互いにナワバリを侵さぬ様、快適に過ごす工夫をしている訳です。(エレベーターの中で、自分の事をずっと見ている人がいたら、ちょっと怖いですよね・・・)そうやって快適に過ごそうとしているにも関わらず、車内で知らない人同士の会話の声が大きくて、聞きたくもない話が耳に入ってくると不快に感じたりしませんか?楽しそうに話されていたとしたら、なおさら不愉快に感じたりしますよね。
自分の事を悪く言われている訳でもなく、自分には全く関係の無い話をしているのに、なぜ不愉快に感じるのでしょうか?
何故不愉快に感じるのか
- 他者のナワバリに無理矢理入れられたと感じる事。
- 誰しもが持っている「思い込み」のせい
だと考えられます。
エレベーターや電車・バスの中では、知らない人も多くおり安全で快適とは限らないので、ナワバリ意識は強くなります。そうなると、自分のナワバリに他者が入ってきたと感じますし、自分もまた他者のナワバリに踏み込まざるを得ないのです。そして、自分のナワバリと他者のナワバリが干渉した時に不快感が生まれるので、その不快感に意識を集中させない様に、他の事で気を逸らそうとするのです。
私が学生の頃は、カセットのウォークマンを聞きながら読書や居眠りをして過ごしていた記憶があります。最近は、あまり見かけなくなりましたが、新聞を読んでいるサラリーマンの方もそうです。中には広げて読まれる方もいて、隣の方が眉をしかめるシーンを目撃した事もありましたが・・・。私も社会人なりたての頃は、電車の中で邪魔にならない折り方を研究していた時期もありました(笑)
話は戻りますが、そういったものに集中する事で「私はあなた方に構わないので、あなた方も私に構わないでください」という意志を示して、お互いに少しでも快適に過ごそうとしている訳です。
エレベーターや電車・バスの中では、それで構いませんが、教室だとそうはいきませんよね。
教室にいるのは「赤の他人」ではなく、同級生でありクラスメイトなので、関わりを築いていかなくてはなりませんし、学校の行事でもそういった機会が出てきます。そのため「私はあなた方に構わないので、あなた方も私に構わないでください」 という訳にはいかないので、子どもは苦しいのです
カウンセリングの中で子どもたちから、こんな話を良く聞きます
- 教室での休み時間は、イヤホンをして本を読んでいる
- 図書館などに移動して過ごしている
- お弁当だと食べる気にならないから、おにぎりにしてもらっている
- 電車の中では、ずっと外を見て気を逸らしている
また、そういった子たちからは、席の近くのクラスメイトが騒いでいるのを「うるさい」と感じるという話も聞きます。自分がその輪の中に入っている際や、聞き耳を立てている時(話の内容に興味を持てている)は、「ナワバリ意識」が弱まりますので「うるさい」とは感じないはずです。
自分とは関係がないと感じた時、もしくは全く興味が無い話を聞かされていると感じた時に、「うるさい」と感じてしまうのです。車内で知らない人同士の会話の声が大きくて、聞きたくもない話が耳に入ってくると不快に感じるのもそのせいなんですね。
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