「子どもを褒めてあげてください」という言葉の意味に隠されていること②
こんにちは。不登校支援センターです。
こちらは過去記事となります。皆様の日々のかかわりのご参考になれば幸いです。
今回は前回「子どもを褒めてあげてください」という言葉の意味に隠されていることの続きで「子どもの褒め方」について書いていきたいと思います。
さて皆さん考えてみましょう。
自分の「ここを褒めてくれると嬉しいと感じるもの」は何ですか?
いくつ思いついたでしょうか。いくつも出てくる方もいれば、1つ2つくらいしか思いつかない方もいらっしゃるかもしれません。
不登校状態の子どもに同じ質問をすると・・・
- 「特にありません」と言う
- 秀でた特技のものを言う
この2つのどちらかです。
以前のブログでも書きましたが、不登校状態の時は非常に自己評価が低く、ネガティブに物事を考えているケースがほとんどです。そのため、上記の様な回答になるケースが多いです。
褒め言葉を、褒め言葉として受け取れる状態というのは、ある程度の自信があってこそのものです。例えば子どもが「あなたは数学が得意だから、理系の大学を目指したら?」と言われたとします。数学が得意と自負している子なら、褒め言葉として受け取るかもしれません。
しかし褒め言葉を素直に受け入れない状態だと「あなたは数学が得意だから、理系の大学を目指したら?」という言葉が
- 「あなたは数学しかできない」
- 「俺を得意げにして学校に行かせたいんだろ?」
などに変換されるのです。
ではどうやって子どもを褒めるの?
ここまで書いておいて怒られるかもしれませんが、ここまで書いてきた「褒める」では効果はあまりありません。「褒める」という言葉を「感謝する」というものに変換していかなくてはならないのです。
普通親御さんが子どもを「褒める」時はだいたい3つのパターンがあります。
- 年齢・学年相応以上の事をやった時
- 子どもにとって初めての経験だった時。
- 予測し得ない時に、子どもから恩恵を受けた時。
現状、学校に行く事はなく、家で好きな事をやっているように見えている子どもに対して、上記3つが当てはまるとはとても思えません。よって「褒めるものがない」となってしまうわけです。その状態で子どもを無理矢理褒めても、子どもからは
- 「私をコントロールするな」
- 「どうせ学校に行かせたいだけだろ」
となってくるわけです。
「褒める」を「感謝する」に変えて考えてみましょう。
例えば、家にいる子どもに10の手伝いをお願いしたとします。そして親御さんが家に帰ったとき、子どもが3しかやっていなかったとします。
「褒める」で考えると、「10やってくれていたら褒めるけど、なんで7やってないの?」となります。「感謝する」で考えると、「3まではやってくれたんだね。」となります。前回のブログにも書きましたが、自分を肯定的な目で見てくれている人に、人間は感謝で返そうとします。これを踏まえて「感謝する」に変えていかなければなりません。
次回は「感謝する」ということを掘り下げていきたいと思います。
※「子どもを褒めてあげてください」という言葉の意味に隠されていること②