お悩み解決「一問一答」不登校解決現場レポート子供の心理学

子どもの昼夜逆転生活を改善させるポイントとは

皆さん、こんにちは。不登校支援センター仙台支部の上原です。

涼しくなって夜眠りやすい時期になってきかな、と思います。皆さんは如何お過ごしでしょうか?
今日は睡眠について話をしようと思います。

子どもの昼夜逆転の生活を改善させるポイント

不登校状態の子ども達は、生活面でも行動が変わってくることが多々あります。その中でも多いのが昼夜逆転の生活です。朝、明るくなる頃まで起きていて、日中眠り、夜起きてまた朝まで起きている。そんな生活サイクルに入ることがあります。こういった行動を見ると、

「夜寝ないから、朝起きられないで学校にも行けないんでしょう」

と考える親御さんも多いのではないでしょうか。確かに夜寝なければ、日中眠くなるのは当たり前。日中寝ていれば、夜眠れなくなるのも当然でしょう。しかし、その表面的なところにとらわれるのは危険です。

「何故夜眠れないのか?」このことが一番注目する点です。

  • 寝ようと思っていても眠れなくて困っているのか。
  • 単純に夜起きているのが好きなのか。
  • その時間でないとできないことがあるのか。
  • 日中起きていると、外の声が聞こえるので避けているのか。
  • 朝起きると「学校に行かなければならない」と思い辛いので起きないのか。

どういった考えで子どもが「夜寝ない」という行動をとっているのか、を知ることが大切です。

夜に眠れなかった女の子の事例を紹介します

私がカウンセリングしている子どもの中にも、夜眠れなくて睡眠薬を常用している子がいました。その子は睡眠薬を飲んでも眠れないことがあり、精神的にも肉体的にも疲れてしまうことがよくありました。眠れない時はたいてい「先への不安」が心の中を占めていて、やらなければならないことが出来ていない自分に強い嫌悪感を感じていて、自分に対して否定的な感情を持っていました。

カウンセリングにて話をするうちに、彼女は

  • 「こうでなければいけない」という固定観念が強い
  • 「夜は寝なければいけない」と強く思っている

ということが分かりました。

そこであえて私は彼女に「眠れないなら無理に寝なくていいよ」というような話をして、彼女を苦しめている原因の一つである「やることをやらない自分」を減らそうと話しました。

彼女はその日の夜から「眠れない時は無理に寝ようとせず、代わりに勉強をする」という行動を取るようになりました。
不思議なことに「今夜は寝ないで勉強をしよう」と決めて勉強をすると、2時間ほど勉強した後に眠気がくるようになりました。そして深夜の時間帯にはなってしまいますが、眠れる日が出てきました。

「勉強をやった」という達成感もあり、いつも感じる不安も減ったようです。それを周囲の人間からきちんと認めてもらい、完ぺきではないけれど「いつもより少し進んだ」という実感を彼女は持つようになりました。
彼女はもともと、勉強を家でやりたがらない子どもでしたが、この体験から「やるべきことに取り組むと、めんどくさいけど意外と気持ちがいい」ということに気付きました。そのほうが自分にとって楽だし、不安で苦しむことも減らせる、と実感できたのです。

昼夜逆転生活を改善するために必要な「動くための動機づけや目的意識」

「夜眠れない」

もちろんそのこと自体はあまり良いことではないです。しかし「だからこの子は学校にいけないのだろう」と短絡的に考えても結果は好転しないことが多いです。これまでの経験上、睡眠薬で無理やり夜に寝たとしても、朝起きて「学校に行こう!」「宿題をやろう!」等と、前向きな姿勢を見せる子どもは少なかったです。

子どもが夜眠れない、夜寝ないのは、昼に寝ているからでも、ゲームをやりすぎているからでも、スマホ依存しているからでもないかもしれません。朝起きることによって突きつけられる現実から避けるために、あえてそういった行動を取っているのかもしれません。不登校状態で家にいると「起きていても特にやることはない」という感覚になりやすいです。もちろん本来はやることはたくさんあって、「家にいても暇」などと言われると、親御さんとしては「じゃあ勉強するなり、運動するなり何でもやることはあるだろう!」なんて気持ちになりますよね。

しかしそれは今のその子どもには「出来ないこと」なのかもしれません。「やらない」ではなくて「出来ない」こと。それを強要するとより殻にこもってしまうことがあります。子ども本人が自主的に行動をするためには、動くための動機づけや目的意識などを作る必要があります。それがなく、ただ、「やりなさい」では仮に出来たとしても継続が出来ません。

最後に

本質を見誤ることなく、正しい対応をしていれば必ず状況は改善されます。なにか気になることがあれば担当のカウンセラーに相談してみてください。
その子どもにあわせた対応を一緒に考えてくれるはずです。もちろん私もそうですのでお気軽にご相談くださいね。無料面談について詳しくはクリック不登校支援無料相談会について詳しくは

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