不登校問題解決に役立つ『心』の捉え方
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
私たちのようなカウンセラーや、カウンセリングを利用している人でなくとも、『心』の話をすることがあると思います。
- 「心が狭いな~」
- 「心が広いよね~」等
狭い、広いで表現されることもありますよね。
『心が狭い』とは、『自分以外のことを受け入れる余白がない』というようなイメージで、『心が広い』とは、『自分以外のことを受け入れる余白や、問題、課題などを保留する余白がある』というようなイメージでしょうか。
『心が広い』というイメージのような状態を、私はよく『心の余裕』と表現し、「まずは心の余裕を作ることが大切ですよね。」という話をしたりします。しかし、私が話すイメージでは、狭い・広いという言葉ではあまりしっくりきませんでした。
そこで、今回は心の余裕をお金に例えてお話してみたいと思います。
なぜかと言いますと、「狭くなる、広くなる」という言葉よりも「使う(減る)、溜める(増える)」という言葉の方がイメージしやすくなると考えたからです。個人的には心のことをお金に例えるのに抵抗があるのですが、イメージしやすいかと思っておりますので、お付き合いいただけたらと思います。
お金に例えて、考えてみましょう
お金の使い方や、価値観って人それぞれですよね。
例えば煙草など、税金が上がって値段も上がったりしており、愛煙家の方々の間でも話題になっていることかと思います。私の知人にも話題にしている人が数人いたのですが、「1000円だったとしても煙草は止めないね~。」と言っている人もいました。煙草を嗜む習慣が無い人からすると、「そんなものに1000円も出すの?」と思う人もいるのではないでしょうか。
他にも
- 一杯600円のコーヒーにそのお金を出せる人、出せない人
- 一着1万円のTシャツにお金を出せる人、出せない人
いろいろな価値観や考え方で、お金の使い方は変わってくると思います。
ところがこのお話、前提条件によっては価値観が同じでも、行動が変わってくることもあります。その前提条件とは、
『自由に使えるお金がどれくらいあるのか?』
一ヶ月に自由に使えるお金が1000円しかない人が、一箱1000円の煙草や、一杯600円のコーヒーを買うかどうかは、価値を認めている人でも悩むのではないでしょうか。ましてや一着1万円のTシャツについては悩むこともなく買わなくなるでしょう。ここでお金の余裕として、月に自由に使えるお金が10万円あったりすると、煙草もコーヒーも気軽に買えるようになるのではないでしょうか。
心のエネルギーも、同じようなことが言えます。
例えば、『登校』という行動に10コロ(※1)必要だったとします。心のエネルギー量が530000コロある子であれば、意識することなく『登校』ができますが、心のエネルギー量が15コロしかない子どもであれば、かなり悩むことになるでしょう。そして、心のエネルギー量が0コロの子どもであれば、悩むことすらなくなるでしょう。
心の余裕があるということは、心のエネルギー量がたくさんあるということです。
心のエネルギーはどのくらい必要なの?
『学校生活』とは、登校だけを指している訳ではありません。
- 友人
- 授業
- 宿題
- 先生
- 先輩
- 後輩
- 部活
- テスト
- 進路
- 下校 等々
様々なことに対して、心のエネルギーが必要になってしまいます。
そして人によってはこの必要になるエネルギーが『時価』に感じるということもあるでしょう。
財布の中身が少ないときに、値段が『時価』のお寿司屋さんに入りづらいかのごとく、今の心のエネルギーの状態に対して、学校生活に踏み込みづらいと感じてしまうのです。そしてもっと難しいことに、心のエネルギーが今何コロあるのかは誰にも見えません。一日の学校生活の時価も、下校するまで分かることはないのです。
心のエネルギーのやりくりを知る
残り少ない心のエネルギー、何に使いたいかと言うと、やはり自分が一番好きなことに使いたいと思ったり、今はとにかく溜めたいと思うのも無理は無いかと思います。『学校生活』に必要な心のエネルギーが無いと思っている場合は、「行こうかどうしようか」と悩むことも無く休んでいたりもします。
不登校問題解決のためには、心のエネルギー貯金をすることも重要な課題です。そのためには心のエネルギーの消費や収入も知っていく必要があります。
- 学校で友人関係に多く心のエネルギーを使っている
- 勉強に対して多くの心のエネルギーを使っている
- 部活などで先輩や先生に多くの心のエネルギーを使っている
- 家では親の機嫌を気にして心のエネルギーを使っている
周りの環境や、子どもの性格によって心のエネルギーの消費が多くなっていたりすることもあります。そして、その分の心のエネルギーを毎日得ることができていないのかもしれません。その場合、休むことで少しずつ心のエネルギーを蓄えることができても、少しの学校生活ですぐに無くなってしまいます。
心のエネルギーの消費以上に、心のエネルギーの収入を増やしていく必要があります。そのためには、ご家族の協力が子どもにとっては、大きな助けにもなります。
「うちの子、心のエネルギーが少ないのかな?」と心配になったり、心のエネルギー貯金の仕方などに興味のある方は、是非不登校支援センターにご相談ください。
関連ワード: お金 , コロ , ハイスペック , ハイブランド , 不登校問題 , 不登校支援センター福岡支部 , 不登校解決 , 価値観 , 学校生活 , 心 , 心のエネルギー , 心の捉え方
(*1) コロ・・・永島が説明のために作った心のエネルギー量を表す単位(非公式)