「学校に行きたくない」と言う子どもへの対応方法
皆さん、こんにちは。不登校支援センター福岡支部の永島です。
夏休みも終わり、新学期が始まりました。みなさん、夏休みにはどのような思い出がありますか?
夏休み明け、友だちに「夏休みの出来事を話したい!」と新学期を楽しみにしていた方もいるかと思います。反面、宿題が終わらず、ヘロヘロの状態で新学期を迎えた方もいたことでしょう。
どんな夏休みを過ごすとしても、新学期は必ず始まってしまいます。できれば万全の状態で新学期を迎えたいところではありますが、そうもいかず「学校に行きたくない」と言い出す子どもたちもいます。本日は「学校に行きたくない」と言い出した子どもに対しての、最初の対応方法として必要なことについてお伝えしていきたいと思います。
「学校に行きたくない」と言う子どもに対しての最初の対応方法は
まず、最初に行って欲しいことは・・・
「学校に行きたくない」と言い出すまでの背景を知る
ということです。ここでの気を付けていただきたいポイントは、「背景を知る」ということと「原因を知る」ということは異なるということです。「学校に行きたくない」と言い出すまでの経緯を親御さんに知ってもらいたいのです。
例えば・・・
あるAさんという大人がいたとします。Aさんが「私の夢はチョコレートケーキを食べることです!」と言ったとすると、皆さんはどのような受取り方をしますか?
- 「え、食べたら良いじゃない。」
- 「そんなことが夢なの?」
- 「じゃあ買ってあげようか。」等
冷たいと思われてしまいそうな反応をしてしまう方もいるかもしれません。しかし、
【このAさん、実は病気にかかっており、チョコレートなど甘いものが食べられない状態が数年続いていました。今でもその病気の治療中です。】
という背景があり、その情報を知っていると受取方はどうでしょうか?おそらく、上記のような冷たい言葉は出てきにくくなるかと思います。
さらに、
【Aさんが病気になる前に最後にチョコレートケーキを食べたのは、誕生日にお母さんが買ってきてくれた時でした。その時はお母さんも仕事で忙しかったのに、どんなに忙しくしていても誕生日は必ず祝ってくれていました。Aさんはお母さんと過ごす誕生日が一年で一番楽しい日でした。
そんなお母さんが先日重い病気を患ってしまい、闘病生活が始まってしまいました。弱ったお母さんを見ていると「昔からずっと苦労かけていたなぁ・・・」といろいろ思い出されることがあり、ふと、過去の誕生日に一緒にチョコレートケーキを食べたことを思い出してしまったのです・・・。】
というような背景まで聴いてしまうと、また受け取り方は変わるのではないでしょうか。
背景を知って、受け取り方を変えていく必要がある理由
なぜこのように背景を知る必要があるかというと・・・
学校に行けない状態(不登校)が長期化する3つの要因の記事でも書いたように、「サボり」など、悪い印象の受け取り方をしないようにするためです。
さらには「サボり」という受け取り方をすることによって、「子どもが学校に行けずに苦しんでいる状態」を親御さんの苛立ちにしてしまわないようにするためでもあります。
学校に行かなくなってしまうと
- 「めんどくさい」と言って何もやらなくなったり
- 好きなことしかしなくなったり
します。
これらについても、悪い印象の受取方をしてしまうと、苛立ったり、悲観したりしてしまいますので、背景を知るということによって親御様の苛立ちの軽減や、子どもの言動の理解につながっていきます。
※
背景を想像する、ということについては末松先生の記事にもわかりやすく記載されておりますので、是非、そちらもご覧ください。
⇒子どもに怒りを覚えた時は効果抜群!怒りを落ち着かせるコツは〇〇してみること
次の記事も併せてお読みください。
子どもが言う「めんどくさい」の本当の意味を理解するために
「好きなことしかしない・・・」という子どもへの対応方法
カウンセリングの場でも
私たちカウンセラーもまずはその子の背景を知っていきます。同時に親御さんたちの背景も知っていこうとします。
もちろん、全部聴き出さなければならないということはありません。
- 目の前の人が他人に話せないでいる背景もあるのではないか?
- 今は忘れているけれども、潜在的に引っかかっている背景もあるのではないか?
様々な可能性を常に意識しています。
親御さんの背景を考慮しながら、しっかりと子どもに寄り添って力になっていくことで、子どもも自分の背景を整理し、受け入れ、あるいは克服し、前を向けるようになっていけます。
- 「元々、うちの子どもは学校をサボるような子ではなかった。」
- 「どうしても子どもがサボっている、怠けているようにしか見えない・・・。」
と悩まれている親御さんは、是非一度不登校支援センターにいらしくてください。子どもの背景の知り方、受取方、寄り添い方、接し方など、いろいろなことをお伝えすることができるかと思います。
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