「何でこんなに子どもがつらそうにしているのか理解できない」は危険!?不登校の悪化を防ぐために今できるたった1つのこと
こんにちは。不登校支援センター大阪支部の桒原航大(くわばらこうだい)です。
今回はカウンセリング中に、親御さんから時折お聞きするお悩みについて、お話させていただこうと思います。
「学校に行くだけのことなのに、何でこんなに子どもがつらそうにしているのか、理解できないんです。」
以前は元気に毎日登校できていた子どもの様子を親御さんは知っていますし、また、毎日学校に登校するのが当たり前だった親御さんからすると、行くことでこんなにつらそうにしている子どもの気持ちはなかなか分かってあげるのが難しいこともあるかと思います。
しかし、もしかしたら、これは危険なサインかもしれません。
どういうことかというと・・・
もしかしたら、子どもは、つらさを分かってほしくて親御さんに訴えているかもしれません。でも、親御さんはなかなか理解してあげることが難しく、それが子どもへの態度に出てしまう。
この、子どもの気持ちが理解できない状況が続くとどうなっていくと思いますか?
例えば、お子さんは自分のつらさを伝えようと、もっともっとつらさを訴えてくるかもしれません。それでも、そのつらさを理解してもらえないとお子さんが感じると、どうなるでしょう。
- 子どもによっては、理解してくれないことへの不満から親御さんにあたるかもしれません。
- 子どもによっては、理解してくれないことへの悲しみから親御さんには口を開かなくなるかもしれません。
親御さんが何とか助けてあげたいと思っても、会話ができない状況でとなると、それもなかなか難しい状況ですよね。
そもそも人の気持ちを完全に理解するのは難しい
ふと落ち着いて考えてみると、心に限らず、体についても、痛さなどの感覚は、厳密に言えば人と分かり合うのは難しいことですよね。自分が感じている痛さを、話を聞いてくれている相手も同じ痛さだと感じてくれているかどうかは確かめようがないことです。
例えば、たんすの角に足の小指をぶつけたことを思い出してみてください。結構、痛いですよね?ただ、私が感じている痛さと、今あなたが考えている痛さが同じぐらいの痛さかどうかは分からないですよね。
心も同じかもしれません。相手の痛みを理解するのはそう簡単ではないなと思ってしまいます。
自分の痛みを相手が理解することは難しいのに、なぜ聴いてもらうことで私たちの心は軽くなるのでしょうか?
私たちは自分の悩みを相手に聞いてもらって、心が楽になったと感じることも、思い返せば1度はあるのではないでしょうか。それはなぜなのでしょう?話を聴いてもらうことで「悩んでいてもしょうがない。また次から頑張ろう!」と思えるのはなぜなのでしょうか?
それは、「相手があなたの辛さを理解してくれた」からでしょうか?私は、次のような解釈がよりピッタリ来るのかなと思っています。
相手があなたの辛さを理解しようとしてくれている(そして理解してくれた)と「あなたが感じた」
相手が理解しようとしてくれるその思いを、あなたが感じたから、心が楽になるのだと思います。私たちは、自分のつらさや痛さを100%伝えることは出来ないけれども、例えそうであったとしても、そのつらさや痛さを理解しようとしてくれる相手の姿に助けられるところがあるのかもしれません。
子どものつらさを、すぐには理解できなくても大丈夫です。ただ、まずは真剣に理解しようとしていること、その気持ちは子どもに感じてもらえるように、大事に伝えていきたいですね。
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